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2015.09.28
陸上競技

[陸上競技]夏合宿の成果、現状確認の場に

第52回平成国際大学長距離競技会

9月27日(日)鴻巣市陸上競技場


男子5000m

18組

5着 菅原 14'51"35

12着 植田優 14'58"46

14着 生井 15'00"23

20着 山口健  15'10"85

34着 田中 15'40"22

DNF 香川

DNS 横山

男子1万m

1組

1着 五郎谷 30'23"31

9着 唐本 30'45"10

13着 小柳 30'51"98

2組

4着 山本信 29'48"44

5着 小早川 29'49"34

23着 清水 30'57"89

DNS 湯田

3組

3着 牧浦 29'36"30

5着 橋本 29'42"46

DNS 長谷川


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粘り強い走りを見せた山本信(左)、順調に調子を戻していきたい小早川


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牧浦は単独走でも自分のペースを刻んだ


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ラストの切り替えに課題を残した橋本


 平成国際大学で行われたナイター競技会に多くの選手が出場。ほとんどの選手が前日の十日町長距離カーニバル(新潟県)で5000mに出場しており、二日連続のレースとなった。その中でも山本信(済3=安芸南)が自己ベストを更新。それぞれが夏合宿の成果や現状を確認する場として臨んだ。


 1万m2組目、故障明けで前日の十日町が4ヵ月ぶりのレースとなった小早川(済2=武蔵越生)が出走。9000mまで余裕のある走りで先頭集団に付き、連戦の疲れを感じさせない。ラスト1000mでは切り替えがうまくいかず、課題を残したものの順調に復帰に向かっている。一方、山本信は後半から苦しそうな顔を浮かべていたが、レース中に監督やコーチから「ピッチを合わせろ」「力むな」などの声をかけられ、粘って先頭集団に食らい付く。ラストは前を走っていた小早川をかわし、自己ベストを更新。酒井監督も「力が付いてきた」と評価した。

 最終3組目はスタートから外国人選手がペースメーカーをするハイペースな先頭集団と後ろの第2集団に分かれた。牧浦(済3=西脇工)は序盤は先頭集団に付くが、オーバーペースに上手く対応し集団から離れると自分のペースを刻んだ。目標にしていた29分10秒には届かなかったものの、単独走でもラスト3000mから先頭集団から遅れた選手をかわしていき、組3着でまとめ上げた。また、第2集団からスタートした橋本(工3=館林)は集団に付いていく形から徐々に前に出て、集団の先頭の方に位置付けた。しかし、残り2000mでスピードを上げ切ることができず「実力が無いことを改めて実感した」と厳しく振り返った。


 夏合宿や連戦の影響で疲労がたまる中、復活の手応えを得たり力不足を痛感したりと、それぞれの現状を確認するレースとなった。今競技会で出走した選手たちは出雲のエントリーメンバーからは外れているが、今後は全日本、箱根のメンバー選考に絡むべく、調整していく。

 

■コメント

・酒井監督
夏合宿明けのレースで決してコンディションもいい状態ではなく、他の大学も同じく疲労のある中で臨む試合。それを経過して10月、11月で自己ベストを狙っていこうという位置づけで考えていた。五郎谷(済4=遊学館)以外の選手は、十日町で5000mにも出て連戦となった。連戦で挑んだのは、11月に予定しているハーフマラソンや基礎体力、走力の養成ということも1つの狙いとしていた。(十日町と今回のレースで)力みなどまだまだ課題はある。今回出たのは出雲駅伝に出場するメンバーではないが、駅伝に絡んでいくには1つ1つやることで、自分の殻をどうすれば破れるのかを感じてほしい。山本信は夏合宿もAチームで練習していたこともあり、力が付いてきたので連戦になってもベストを出すことにつながったと思う。小早川も久しぶりの1万mでもう少し記録を狙いたいところもあったが、次につながるレースができた。今回走った選手たちは来月に記録会もあるが、箱根駅伝1本に向かう選手が多い。(今後は)ハーフマラソンや1万m、駅伝のメンバー選考に標準を合わせていく。


・橋本(工3=館林)

今日は出雲のメンバーに刺激を与えることを目標にして臨んだが、ベストには遠く不甲斐ない走りをしてしまった。(前半、後ろの集団からスタートしたのは)速かったから。後ろの集団が自分が思い描いていたペースだったので。(後半の走りは)8000mくらいまでは結構余裕はあったが、最後もっと上げて終えたかった。(今後の目標は)自分は本来、メンバーに入らないといけない選手だと思っている。ただ昨日と今日のレースでまだその実力が無いことを改めて実感した。箱根に向けてもっと状態を上げていきたい。


・牧浦(済3=西脇工)

目標としては29分10秒で走るつもりだったが、8月の終わりにした故障から思うように練習ができない状態でレースに臨んでしまい、後半が伸びなかった。(最近の調子は)6~7割くらいだったが、実際に走ってみたら結構動けたので良かった。今日は7000m以降が粘れたので良かったが、まだまだラストの切り替えができていないので、これからそういった部分を磨いていきたいと思う。(今後は)もう出雲駅伝のメンバーからは外れてしまったので、全日本駅伝のメンバーになれるように監督・スタッフにアピールできるようにしていきたい。


・山本信(済3=安芸南)

合宿の疲労が完璧にはとれていない中で試合の感覚を取り戻し、前日の十日町の5000mから今日の連戦二日目にどんな走りができるかというのと、夏合宿の成果を確認するという位置付けで走った。(レースを振り返って)疲労はあったが、1万mは5000mよりペースが遅いので1km3分を少しきるぐらいの練習は夏合宿でもやってきたということもあり、そこまで緊張もせずにいつも通りの平常心で挑むことができた。途中きつかったところで粘ることはできた。監督からラスト1000~2000mでペースが上がったときにどういう動きをするのかと言われた点ではラスト二人に置いていかれて最後にまた一人抜かれてしまった。淡々とペースを刻むのはできても切り替えることができていないので、今回の合宿では克服しきれなかったという感覚がある。これからの練習で改善していきたい。(自己ベストを更新したことについて)元々のベストはそんなに速くなかったので、今回走ればベストは出るだろうと思っていた。今回のレースは集団で我慢して最後どうするかというのを目標にしていたので、ベストが出たのはいいことだが、そこまで気にしていない。(今後は)全日本のメンバーには絡んでいきたい。


・小早川(済2=武蔵越生)

昨日の十日町の試合と二日連続で出場したが、夏合宿明けた中でもしっかり走るという位置付けで臨んだ。結果としては納得のいくものではなかった。5月に故障してからずっと練習ができていなくて、夏合宿からようやく練習を始められた。状態としては戻ってきている。(レース展開は)ラスト1000mまでは足をためる形でレースを進めた。9000mは余裕もあって動きも良かった。ラストはうまく切り替えができず、改善すべき点だと思った。(コンディションは)2日間連続で臨んでも悪くなかった。(十日町のレースは) 4ヵ月以上空けた中でのレースで、走れる楽しさを感じることができた。(今後は)去年は駅伝にエントリーされながらも不完全燃焼で終わってしまったので、今年はチームに貢献できる走りをしたい。


TEXT=畑中祥江 PHOTO=伊藤空夢、野原成華、吉川実里