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関東大学ラグビーリーグ戦1部第4節・東海大戦
会場:森エンジニアリング桐生スタジアム
○東洋大 33{21-14、12-12}26 東海大
番号 | Pos. | 名前 |
1 | PR | 笠巻晴太(済4=北越) |
2 | HO | 小泉柊人(済3=目黒学院) |
3 | PR | 石川槙人(総4=日本航空石川) |
4 | LO | マタリキ・チャニングス(総4=HestingsBoys) |
5 | ジュアン・ウーストハイゼン(総3=Helpmekaar College) | |
6 | FL | 植田宗優(済3=筑紫) |
7 | 森山海宇オスティン(総3=目黒学院) | |
8 | NO8 | 栗原大地(総3=伊勢崎興陽) |
9 | SH | 生田旭(総1=国学院栃木) |
10 | SO | 天羽進亮(済3=城東) |
11 | WTB | 佐藤航大(済4=北越) |
12 | CTB | アダム・タマティ(総3=Sacred Heart College) |
13 | 浅尾至音(スポ2=城東) | |
14 | WTB | ボンド洋平(済4=東海大相模) |
15 | FB | 坂本琥珀(総2=仙台育英) |
16 | Re. | 小川雄大(済4=脇町) |
17 | 前川嵩登(済4=日体大荏原) | |
18 | 高嶋大夢(総3=関商工) | |
19 | 金井悠隼(スポ2=東海大相模) | |
20 | ステファン・ヴァハフォラウ(総3=札幌山の手) | |
21 | 飯島乾太(ラ4=目黒学院) | |
22 | 土田修也(総4=岐阜聖徳) | |
23 | テビタ・ハビリ(総1=東海大甲府) |
勝利を告げるホーンが鳴った瞬間、東洋大戦士たちは喜びを爆発させて抱き合った。2勝1敗で迎えた第4節。東洋大は森エンジニアリング桐生スタジアムでリーグ戦6連覇中の東海大と対戦し、連携のとれたパスさばきと堅いディフェンスで白星を飾った。
トライに喜ぶ選手たち
東洋大が流れをつかんだのは19分。先制トライこそ許したものの、相手に勢いを与えずに敵陣へ進んでいくと、タマティがインゴールへ滑り込む。「入りから100%を出そう」と気持ちを高めていたフィフティーンはさらに勢いを加速させ、28分にモールから小泉が抜け出してトライ。39分には主将の笠巻が走りこんで追加トライを挙げる。前半延長では相手にトライを決められたが、7点リードで試合を折り返した。
インゴールへ飛び込むタマティ
後半も東洋大の勢いは止まらない。10分、栗原が目の前の敵を振り切って、センターへ飛び込むようにトライ。さらに東洋大が強みとするモールを展開して小泉が楕円球をインゴールに叩きつけ点差は19に。
しかし、東海大も王者の意地を見せてくる。24分に東洋大のディフェンスを突破すると、30分にも素早いパスでタックルをかわし、1トライ差まで迫られる。相手に流れをつかまれたかと思われたが、リーグ戦での試合を通して磨き上げた東洋大のディフェンスの壁は簡単には崩れない。自陣まで攻め込まれるピンチな状況も回避。5分のロスタイムを耐え抜いて最後は土田が楕円球を場外へ蹴り出し、勝利を告げるホーンが鳴り響いた。
インゴールへ走る栗原
試合後、仲間と合流した笠巻主将の目には涙が。大学選手権初出場を果たした時の最高の景色も、最終戦で選手権出場が途絶えた時の屈辱も経験した笠巻。最終学年を東洋大の顔として、チームを第一に考えて誰よりも尽力してきた。その笠巻のキャプテンシーが東洋大の成長を加速させ、「昨年の上位3チームに勝利」という結果につなげたことは間違いないだろう。
涙を拭う笠巻(右)
リーグ戦も残すところあと3試合。「今日の結果に満足しないでいい準備をしていきたい」(笠巻)。慢心せずに、最後まで不屈の闘志で駆け抜けていく。2年ぶりの大学選手権出場へ、視界は良好だ。
◾︎選手コメント
◇福永監督
ーー試合の振り返りを
皆の気持ちが2週間前からいい集中力をもって準備できたのでそれが表現されたんじゃないかなと思います。
ーー勝因は
気持ちを前面に出してやれることをやれました。
ーーディフェンスについて
リンクという言葉を使っていて、試合に出る人でない人も皆がリンクして。そういった気持ちも含めていいディフェンスにつながったと思います。
ーーパススピードが上がった印象を受けたが
連係のところも含めてしっかりコミュニケーションをとって練習できていますし、ますますよくなっていくんじゃないかなと感じています。
ーー次節に向けて
一試合一試合丁寧に、ひとつずつしっかり準備をして臨みたいと思います。
◇笠巻主将
ーー試合の振り返りを
一人ひとりが最大限の力を出してくれたと思うんですけど、まだまだ修正しないといけないところも多いので、この結果に浮かれないで次につなげていきたいです。
ーー東海大に勝利した率直な気持ちは
率直な気持ちとしてはすごいうれしいですし、先輩たちがつないできてくれたものを自分たちが少しでも恩返しができたのかなと思います。感謝をしながら恩返しの気持ちをもってプレーしたことが勝ちにつながったと思います。
ーー東海大戦に向けて準備してきたことは
気持ちの面が大きくて。相手は部員が多くて、高校から花園に出たり経験が豊富な選手が多い中で、自分たちはそんな選手たちに対して自分たちの力を最大限出し切れたということで、いいプレーをしたら全員でほめるとことか、気持ちの面で準備ができていたのかなと思います。
ーー勢いの要因は
入りから100%でやろう言っていて、自分たちのスローガン「ROOTS」があるんですけど、そこで自分たちが東海大に勝つことでどういう人たちに影響を与えるかしっかり考えて、そういうようなラグビーをしようと話をしていたので、それを出してくれたから自分たちのプレーができたと思います。
ーー次節に向けて
勢いがあるチームだと思うので、自分たちにフォーカスして。来週試合になるので、リカバリーもしっかりしてまた一個一個リセット。今日の結果に満足しないで、まだまだ続くので。それに向けていい準備をしていきたいなと思います。
◇栗原選手(POM)
ーー今日の試合の振り返りを
勝てたは勝てたんですけど、変なところでミスが多かったのでそこを修正するっていう感じです
ーー勝利の率直な感想を
地元で恩師が応援してくれている中で勝てたことが嬉しいです。
ーー東海大戦に向けて準備してきたことは
自分はラインアウトやディフェンスのラインのところで出てたんですけど、あんまりいいところはなかったのでこれから修正していきたいです。
ーーご自身の手応えは
トライ取った時は気持ちよかったんですけど、そのほかはあまりいいとは言えないので微妙でした。
ーー最後に次節に向けて意気込みを
この調子でどんどんいいチームを作れたらなと思っています。
◇佐藤選手
ーー今日の試合の振り返りを
前半は結構いいテンポでアタックできていたんですけど、後半東海大学に粘られてしまって。最後は自分たちの気持ちがまさって勝てたから良かったと思います。
ーー勝利の率直な感想を
去年は大敗してしまったのでその分先輩の分もやり返してやろうと思っていたのでめちゃくちゃ気持ちよかったです。
ーー東海大戦に向けて準備してきたことは
自分はセンターからウィングにポジションが変わったのでサインや寄るところとか細かいところを詰めていきました。
ーーご自身の手応えは
フルバックにセブンスター選手という強い相手がいたんですけど、その選手に臆することなく自分から仕掛けることができたと思います。
ーー次節に向けて意気込みを
次は関東学院という勢いのあるチームに負けないように自分たちもより勢いをつけて頑張っていきたいと思います。
◇天羽選手
ーー今日の試合の振り返りを
東洋のディフェンスで相手のペースをつかめて良かったです。
ーー勝利の率直な感想を
めちゃくちゃ最高です。
ーー東海大戦に向けて準備してきたことは
「恩返し」の気持ちを持ってみんなでパッションだして頑張ろうということでした。
ーーご自身の手応えは
今日はコンバージョンも入ってまあまあかなってところです。
ーー次節に向けて意気込みを
この勝利に浸ることなく東洋らしいアタックとディフェンスで次も勝てるように頑張ります。
◇小泉選手
ーー今日の試合の振り返りを
2週間東海大学に勝つために色々準備してきて、その準備が今日上手くいって「恩返し」をテーマでやってきたんですけど、恩返しできたかなと思います。
ーー勝利の率直なお気持ちを
去年大敗してしまったので今年は勝つことができてとても嬉しいです。
ーー東海大戦に向けて準備してきたことは
まず一人一人が自分とチームにフォーカスしてラグビーをするということをやってきました。
ーーご自身の手応えは
まだまだ細かいところにミスがあったのでこういうところを詰めてやっていきたいです。
ーー次節に向けて意気込みを
次節も沢山の人に恩返しできるように頑張っていきたいです。
◇ヴァハフォラウ選手
ーー東海大に勝利した率直なお気持ちを
すごくうれしいんですけど、シーズンはまだ終わっていないので、また次の試合に向けて頑張りたいと思います。
ーー東海大戦に向けて準備してきたことは
まず自分たちに集中して、東海大は昔から強くて、そこに意識してしまうと気持ちの部分で負けるので最初から自分たちのチームにフォーカスしていいプレーができるように準備しました。
ーー交代時、どのような気持ちでグラウンドに入ったか
今まで頑張ってくれた先輩たちとこれから(東洋大に)入ってきてくれる人たちのためにも、恩返しができるようなプレーがしたいと思って入りました。まだ足りない部分があったので、これからもいい準備をしていきたいです。
ーー次節に向けて
一戦一戦に集中して、東洋大らしいプレーをしていきたいと思います。
TEXT/PHOTO=北川未藍 取材=北川未藍、福田和奏