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2024.10.18
硬式野球

[硬式野球] 「勝てる自信しかなかった」岩崎今季2度目の志願登板 山田のサヨナラ打で同率首位に浮上

東都大学野球 秋季2部リーグ戦 国士大戦 第3回戦

10月18日(金)等々力球場

○東洋大3×-2国士大 


1011
国士大
東洋大2×


岩崎、一條、島田ー政所 

二塁打:政所(五回)


・打者成績

打順守備名前
(左)金丸(営2=上尾)
(中)大城戸(総1=九州学院)

打→中山田(総2=木更津総合)
(遊)髙中(総1=聖光学院)
(右)花田(総3=大阪桐蔭)
(一)中村(営2=拓大紅陵) 

秋元(済3=木更津総合)

山内(総1=東海大相模)
(指)早川(営2=東邦)
(捕)政所(営3=天理)
(三)池田(営3=三重)

里(総4=浦和学院)
(二)吉田(営3=龍谷大平安)


32


・投手成績

勝敗名前球数被安四死球三振

岩崎(総4=履正社)80

一條(総4=常総学院)26
島田(総3=木更津総合)29


この3日間バットでチームを引っ張った金丸


宣言通りの力投を見せた岩崎


「打って守れる」頼もしい正捕手・政所


島田はタイブレークで勝利を手繰り寄せる気迫の投球を

見せた


サヨナラ打を放った山田


サヨナラ勝ちを決め盛り上がるナイン


前日、完封負けを喫(きっ)した東洋大。目標達成に近づくべく、2つ目の勝ち点獲得をかけ、国士大第3回戦が行われた。試合は延長タイブレーク、11回に及ぶ熱戦となった。

 先制点を挙げたのは初回の東洋打線。先頭・金丸(営2=上尾)の遊内野安打と大城戸(総1=九州学院)の犠打で1死二塁とすると、続く髙中(総1=聖光学院)が初球を捉え左適時打を放ち先制に成功。見事、序盤から好機をものにした。

 先発のマウンドに上がったのは駒大第1回戦に続き2度目の志願登板となった岩崎(総4=履正社)。「勝てる自信しかなかった」その力強い意気込み通り、国士大打線を6回無失点に抑える力投を見せた。先発投手としての仕事をやり遂げたエースは「緊張というよりこういう緊迫した試合をしていることを楽しんでいました。立ち上がりから100%の力で行けた」と自身の投球を振り返った。

 エースの力投に応えるべく、打線は追加点を狙うも二回以降は、得点を挙げることができず。試合は1-0と重苦しい展開のまま終盤へ。

 八回表、前の回から登板していた一條(総4=常総学院)が1得点を許し同点に追いつかれ、試合は振り出しに。1-1のまま九回を終え、試合は延長戦にもつれ込む。

 十回は互いに無得点。投げては九回から代わってマウンドに上がった島田(総3=木更津総合)が続投し、気迫の投球で国士大打線を封じた。

 十一回、国士大に1点を奪われ、迎えた逆転サヨナラ勝利を狙うその裏、東洋大の攻撃。金丸の犠打で1死二、三塁とすると続いて打席に入ったのは途中出場の山田(総2=木更津総合)。相手投手が投じた3球目を力強く振り抜き、放った打球は右適時打に。走者2人が生還に成功し、劇的な逆転サヨナラ勝利を飾った。ベンチからはナインが飛び出して大喜びし、山田を讃えた。

 中軸が打撃に悩むチームを救ったのは2年生だった。この週から1番に起用された金丸は3試合連続で第一打席に安打を放つ活躍を見せ、チームのリードオフマンに名乗りを上げた。最終回にも落ち着いて犠打を決め、このチャンスで同じく2年生の山田のバットが試合を決めた。

また、政所(営3=天理)も好リード好捕球でチームを何度も救い、打撃でも2安打と「打って守れる」頼もしい正捕手がチームを支えている。

 これで勝ち点2となり、勝ち点勝率が並ぶ専大とともに首位に浮上した。目指す次の舞台は見えてきている。一戦必勝で2連勝を飾りで残り2つの勝ち点も確実に取り切ってほしい。


■コメント

・井上監督

ーー今日の投手陣は

ピッチャーに責任を負わせられないです。あの投球内容で。一條だってあの痺れた場面で投げてるんですから。まあちょっと抜け方が残念でしたけど。

ーー打線は初回1、2、3番がいい仕事をした

この国士舘さんのカードから2年生を使いました。一生懸命で結果も出してくれて、非常に満足しています。

ーーリーグ戦序盤、継投策だったが、駒大戦からそれを変えたが

チーム事情もあったんですけど、当然2年生以下を投げさせたかったっていう意図もあります。今は長めの行けるところまではいくって感じです。ダメだったらつなぐよってことで。

ーー今日は継投策の予定だった?

本当は今日は先発一條の予定だったんです。昨日時点で一條って言ってたんですけど、帰りメール見たら岩崎からで、明日僕が投げますって。寮帰って岩崎と一條を呼んで、先に一條とは言っていたので一條が納得していれば岩崎で良いと思ったので。岩崎には昨日の時点で絶対うちが点取るまで取られるなよと言って、それができるのかと聞いたらやりますって言ったので、岩崎でいくと。本当は一條が一番元気だと思ったので。

ーー中軸の調子が上がらないが

気持ちの問題だと思いますよ。もっと鍛えろって話しです。覚悟が必要です、下にもいるわけですから、上から使っていくわけないんですから。結果出したやつを使うに決まってますから。本来は4番は池田に打ってほしいです。今日は小野寺君(国士大・先発投手)と合わないのと、外したことで奮起して欲しかったんです、いくら8番でも。見てろよと。戦ってる時は弱くなっちゃだめなんです。こっちから噛みついていかないと。

ーー4年生の野手陣は

この世界、力が同じだったらどうしても若い子を将来のために来年もあるので、経験させたいですね。同じレベルだったらどうしても若い子を。この秋は来年のことも見据えないといけないので。

ーー主将は

キャプテンはキャプテンの仕事がありますから。野球以外でも。だから外せないです。


・岩崎(総4=履正社)

ーー(監督の会見で)先発志願だとお聞きしましたが今日の試合臨む心境は

勝てる自信しかなかったので言いに行きました。緊張というよりこういう緊迫した試合をしていることを楽しんでました。

ーー今日の投球を振り返って(良かったところなどは)

立ち上がりから100%の力で行けたことです。

ーーこれからへの意気込みをお願いします

一部上がります。


・山田(総2=木更津総合)

ーー11回、打席に入る時の心境は

前の打者の金丸が良いバントをしてくれたので自分で決める気持ちで打席に入りました。

ーーサヨナラを打った時の気持ちは

緊張が一気に取れてホッとした気持ちです。

ーー改めて今日の試合を振り返って

点が取れずピッチャーに申し訳ない気持ちでした。

ーー次戦への意気込みをお願いします

ピッチャーに頼ってばっかなので野手で点をとります。


・島田(総3=木更津総合)

ーータイブレークでの登板、マウンドでの心境は

0点で抑えることだけを考えてました。それ以外は何も考えてなかったです。

ーー改めて今日の投球を振り返って

バントをさせたくない場面でさせなかったり、三振を取りたい時に取れたので良いピッチングができました。勝ちにも繋げる投球ができたので良かったです。

ーー次戦への意気込みをお願いします

残りの試合死ぬ気で勝ちに行きます。


TEXT=一ノ瀬志織/PHOTO=鈴木真央、一ノ瀬志織