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平成27年度東都大学野球秋季2部リーグ戦・立正大1回戦
10月3日(土)東洋大グラウンド
東洋大3-4立正大
九回無死一塁、意地の二塁打を放つ林
最終回に放った一打に思いがつまっていた。点差は3点。打線の状態を考えれば、ひっくり返すどころか同点に追い付くことも難しい。それでも林(営4=桐生一)は強い思いを持って打席へと入っていた。「ここで三者凡退に終わったら明日の入りも悪くなる。宝楽(営2=PL学園)がいい形で作ってくれたので、自分が何とかつなごうと」。しっかり振り切った打球は右翼手の頭上を越える二塁打。この日チーム唯一の長打は、このままでは終われない副主将が意地で放った一打だった。
今季初のマルチ安打だった。四回の先制適時打に、最終回に放った二塁打。いずれも得点にからむ意味のある2安打となった。「自分が打てば周りも乗ってくると思う。今日の一本をきっかけにして、自分が引っ張っていきたい」。打線のカギはいつもこの男が握っている。
ミスもあった。六回、併殺を焦り打球を逸らして、ピンチを広げた。原(営4=東洋大姫路)が後続を抑え追加点を許さなかったが、後味の悪いプレー。春季リーグ戦では敗戦につながる失策をしていただけに不安もあったが、すぐに切り替えられた。「あそこはゼロで終わったので、原に感謝しかない。特に打席では引きずることは無かった」。そのまま意気消沈することなく、春からの成長も見せた。
初戦を落としたことにより今後の戦いはより一層厳しくなる。それでも次はやってくる。「今日のことは下を向いていてもしょうがない。明日の初回から、勝つことだけを考える」。とにかく目の前の一戦に集中するのみだ。
■コメント
・林(営4=桐生一)
自分のヒットで点が入ったのはいいが、負けてしまったことには何も始まらない。自分がヒットを打ったことよりも負けたことの方が印象深い。今日のヒットは何とも言えない。差は3点あったが、ここで三者凡退に終わったら明日の入りも悪くなる。(先頭の)宝楽(営2=PL学園)がいい形で作ってくれたので、自分が何とかつなごうと。あの打席に関してはいい打席にはなった。(六回の失策は)少し焦ってしまって、また守備で足を引っ張ってしまった。あそこはゼロで終わったので、原に感謝しかない。あそこがゼロだったので、切り替えた。自分が打てば乗ってくるとは思っている。今日の一本をきっかけにして、自分が打って引っ張っていけば、周りも乗ってきてヒットも打てる。結果にこだわっていきたい。まだ勝ち点を落としたわけではないので。今日のことは下を向いていてもしょうがない。明日の初回から、勝つことだけを考える。勝ち点のことを考えるのではなく、3戦目まで持っていけるように。今日終わって、下向かないことが一番。
TEXT=伊藤拓巳 PHOTO=美馬蒔葉