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2015.10.05
硬式野球

[硬式野球]エースの目に涙 原 2日連続被弾で優勝厳しく

平成27年度東都大学野球秋季2部リーグ戦・立正大2回戦

10月4日(日)立正大グラウンド

東洋大0-2立正大

(イニングスコア)

2回戦

立正大

東洋大

(東洋大)

●増渕(1勝2敗)、原―後藤田、西川元、森



打順                     

守備

名前

(遊)

阿部(営3=帝京)

(右)

宝楽(営2=PL学園)

(二)

林(営4=桐生一)

(指)

中川(法1=PL学園)

(中)

笹川(営3=浦和学院)


安西(営3=聖光学院)


原澤(営2=前橋工)

(一)

鳥居(営3=愛工大名電)

(左)

茶谷(営3=東北)


田中将(営2=帝京)

(三)

冨澤(営4=愛工大名電)


木村(営4=愛工大名電)

(捕)

後藤田(営4=東洋大姫路)


西川元(営2=浦和学院)


久保(営3=桐蔭学園)


森(営4=浦和学院)




29


名前

●増渕(営4=鷲宮)

4 2/3

21

原(営4=東洋大姫路)

4 1/3

16





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痛恨の一発を食らい、肩を落とす原


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救援登板で2連投。執念のリレーも実らなかった


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三邪飛に倒れる後藤田(営4=東洋大姫路)。フライアウトは18個とチーム全体で雑な打撃が目立った


 完封負けで連敗を喫し、4カード目で初めて勝ち点を落とした。先発・増渕(営4=鷲宮)は先制点を許すも粘り強く投げ1失点。しかし、代わった原(営4=東洋大姫路)が痛恨の2日連続被弾で勝負あり。打線も3安打を放った中川(法1=PL学園)以外は無安打の完敗だった。


 言葉を振り絞った。「最後まで耐え切ることができなかった。何と言えばいいか…情けないです」。1点ビハインドの五回2死から連投した原。グラウンド整備を挟んだ直後の六回、またしても左打者に内角直球を右翼席へ運ばれた。前日の逆転弾に続き、この日は痛恨のダメ押しソロ。「球種もコースも昨日と全く一緒。言葉に表せない、自分の中でデジャブがある」。今季ここまで許した自責点9のうちなんと7点が本塁打による失点で、適時打による失点は0。前日に続き再び襲った悪夢に、思わず両手を膝に当てマウンド上でがっくりとうなだれた。わずか3安打完封負けの絶不調打線にとって、あまりにも重すぎる2点目が刻まれた瞬間だった。

 父との誓いを果たせなかった。今秋初めて、父・敏行さんが地元兵庫県から観戦に訪れた。もしかしたら、息子の大学野球を見ることができるのはこれで最後になるかもしれない。昨日の試合後、一緒に夕食を食べながら「自分一人の野球じゃないんだから、気合を入れて絶対勝ってこいと言われました」。進路は自分の好きなようにしなさいと、これまで一度も口出しされたことはないという。この日も、自ら選んだ大学野球で戦う背中を押してくれた。

 一体どれほどの重圧を背負っているのだろうか。試合後のミーティングを終えると、原は目を真っ赤にしていた。「(気持ちの整理は)まだできない」。苦難の連続だったここまでの道のり。開幕戦ではマウンドの歩幅が合わず足をつり、元プロ監督・コーチを擁する国士大には2段モーションを指摘されてフォームを崩しかけた。どんなに調子が上がらなくても、「春抑えたから当然秋も」という周囲の期待に応え続けた。依然として援護の少ないマウンドでは、一瞬たりとも油断は許されない。1本の本塁打で逆転を許し降板。わずか2失点で高橋監督に叱責され「どうせ自分はゼロで抑えな『駄目』って言われるピッチャーですから」と気持ちが切れかけたこともあった。ドラフト候補・吉田の一振りで崖っぷちにも立たされた。ここへきて連投も増え、肉体的にも精神的にも体は重いとこぼしていた。それでも、春から掲げる「1部を経験していない後輩たちのために、何としても昇格する」という目標だけを頼りに、どんな逆境でも乗り越えてきた。

 今秋初めて勝ち点を落とし、優勝への道は一気に険しくなった。だが、望みはついえたわけではない。再来週の拓大戦に連勝すれば、拓大がその他残り試合に全勝しても8勝5敗で並びプレーオフに持ち越されるため、自力優勝も残っている。「内容はどうでもいい。最後の意地で次は絶対勝ちたい」。春は日大戦に連敗後、4連勝を飾っている。追い込まれたエースは、強い。


■コメント

・原(営4=東洋大姫路)

最後まで耐え切ることができなかった。何と言えばいいか、情けないです。自分が打たれただけ。ニュースで見た、今永昇太(駒大)がこの前言っていたように「力がない人は練習するしかない」。打たれたのはインコースのストレート。昨日と全く一緒。終わってから、(サインに)首振ればよかったかもなって。言葉に表せない、デジャブがあった。まだ拓殖大戦がある。内容はどうでもいい。最後の意地で次は絶対勝ちたい。


TEXT=浜浦日向 PHOTO=菅野晋太郎、二又士隆、伊藤梨妃