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2024.12.19
アイススケート

[アイスホッケー]インカレ前インタビュー③・森田琉稀亜選手、大和純也選手「4年生に楽しんでプレーしてもらいたい」

第97回日本学生氷上競技選手権大会の開幕まで残すところあと5日。スポトウではインカレカウントダウンとしてアイスホッケー部の皆さんのインタビューをお届けします!

3日目は3年生のFW森田琉稀亜選手(社3 =駒大苫小牧)とDF大和純也選手(社3=武修館)です!試合中の得点を喜ぶ笑顔が誰よりも印象的で「一番得点を取るセット」としてチームを勝利に導き、その関係性には固い絆がある2人。全日本での試合時の心境や、お互いについての印象、インカレに向けての意気込みを語って頂きました!(聞き手=岡本后葉)

森田琉稀亜選手(社3=駒大苫小牧)※写真右

東洋ホッケーとは『協力。自分たちが協力したら大学生相手で負けるチームはないと思ってて、やっぱり秋大会もそうですし、全日本そうなんですけど、チームが同じ方向を向けば絶対にいい結果がついてくると自分は思っているので協力と書きました。

◆大和純也選手(社3=武修館)

東洋ホッケーとは『勝つための手段。東洋ホッケーを60分間することができれば負ける試合はないと思っているので、それができれば勝てるので手段なのかなと思います。


◆秋リーグについて

ーー秋リーグを振り返っていかがですか。

(森田)最初はチーム的にスタートが悪かったというのがありましたが、最終的にいい形で追われて、全日本につなげれたのかなと思います。個人的には最初の試合から結構ポイントもしていて、最後のほうは落ちてしまったのですが、チームに貢献できたかなと思います。

(大和)セカンドリーグまでしかない短い期間でしたが、最終的にチームとして優勝できたことはうれしく思うし、個人的にも成績がより残った大会だなと思っています。


ーー印象に残っている試合を教えてください。

(森田)印象に残っているのは、ファーストリーグ中大戦でPSで勝った試合です。そこで中大に勝ったことが大きな自信になったのかなと思います。

(大和)ファーストリーグ最後の明大戦です。明治の選手が全員そろっているラストの試合だったので、そこでより勝ちたいという思いの中で結果として負けてしまった部分があったので、そこはよりチームで勝つためにどのようなことをすればいいのか、自分たちには何が足りないのか再認識できた試合だったと思います。


ーーご自身が秋リーグを通して成長したと思う部分や意識していたことを教えてください。

(森田)自分たちのセット(2セット目)は得点力があってどの試合でも点数に絡んでたと思うんですけど、自分たちのセットで失点をしてはいけないという意識は試合を通してありました。

(大和)自分たちのセットは4年生がいなくて最年長が3年生の自分と琉稀亜だったのでそのなかで後輩たちがどう楽しくプレーできるのか、気を使わないでプレーしてくれるのかっていうのを考えていたし、チームを勝たせるには得点を取るしかないのでそこはすごくこだわってプレーしていました。


ーーFace off前に1番コミュニケーションを取られているセットだという印象を受けているのですが、具体的にどんな話をされていますか。

(森田)Face offにもいろいろなシステムがあると思うのですが、相手の動き方だったり、こっちでどう崩すかというのを話した上で、新しいシステムにも自分たちのセットは挑戦しているので、それを練習ではあまりやる機会がないので「試合でやってみよう」っていうのを試合前に話して、それを確認してというのをしています。

ーー森田選手、最多ポイント賞を受賞したときの率直な感想を聞かせてください。

(森田)素直にうれしかったです。自分は秋大会は5ゴールしかしてないんですけど、残りが全部アシストで1年生の大久保魁斗が12ゴールしてて、そこにパスを集めると得点力もあるので、セット5人のおかげだと思います。


ーー大和選手、ベストDFを受賞したときの率直な感想を聞かせてください。

(大和)大学で初めてもらった賞だったので、素直にうれしかったのと、最初は取りたいというのはそんなに思ってはいなかったんですけど、セカンドリーグくらいからはそれを意識してのプレーだったのかなと思います。


ーーリーグ戦の期間はポイント数などの数字を気にしながらプレーされていますか?

(森田)リーグ途中で送られてくるポイントランキングを見て個人的にもあとの試合で何ポイントすればいいのかなという意識はありました。

(大和)僕もそれはありましたね。


◆全日本選手権について

ーー横浜GRITSとの試合前はどのような気持ちでしたか。

(森田)なぜかわからないですけど、勝てる気がしていました。周りにいた人たちも「これ勝てるんじゃない?」という謎の自信がありました。

(大和)僕もありました。


ーー横浜GRITSとの試合内容を振り返っていかがですか。

(森田)最初怜汰さんが先制点を入れてそのあと2失点してしまったのですが、そこですぐに追い付けたというのがやっぱりチーム的にも良かったですし、そこから3ピリに入ってまたリードされてしまったんですけど、創也さんが決めてそこからベンチの中は楽しんでいたので、このまま自分たちのプレーをすれば勝てるという気持ちでした。

(大和)まず今年初めての公式戦でのプロとの試合で思っている以上にスピードだったりが学生とは違うことが起きていたのですが、その混乱がある中で先制点をまずうちが取れたというのは大きかったし、チーム的にもメンタル的にもすごい余裕は出たのかなと思っています。その中で失点も続いた場面もありましたが、そこで「チーム全員で何をしなければいけないのか」「勝つために何をするのか」っていうのを具体的にわかった上で2、3ピリはスムーズに試合展開が続いたので気持ちが折れることもなかったし、変に余裕が生まれることもなかったので、いい試合だったなと思います。


ーー森田選手が延長戦でPSに出られたときはどのような気持ちでしたか。

(森田)スタッフがいきなり名前を呼ぶので自分は1番来ると思ってなくて、なんも準備していなくて、打つ前に同期の碧海と話していて「前の人がやったやつを見て決めた方がいいよ」という話をしていました。でも1番だったのでとりあえず自分が一番自信のあるやつを打ち込みました。

ーー勝った瞬間はどのような気持ちでしたか。

(森田)インカレと同じくらい嬉しくて、壱桜が涙目だったんですけど自分もそれを見てもらい泣きしそうになりました。

(大和)「やってやったぞ!」と学生がプロに勝ったのでほんとにうれしかったです!


ーー準決勝のH.C.栃木日光アイスバックスとの試合を振り返っていかがですか。

(森田)プロと大学生の差を目の当たりにしました。スピード、フィジカル、スキル全部格段に違ったので、プロというのはすごいんだなと改めて実感しました。

(大和)バックス戦はみんな気持ちを切り替えて戦ったんですけど、やっぱり相手には日本代表経験のある選手たちが多くいて、いろんなことに驚かされたし、いろんなことで上手いなと試合中でも率直に思う場面がありました。でも逆に経験できたのは試合が終わってからよかったのかなと思いました。


ーー日光開催ということもあり、H.C.栃木日光アイスバックスのサポーターが多くいた中での試合となりましたが、H.C.栃木日光アイスバックスへの声援が自分たちのプレッシャーになったりしませんでしたか。

(森田)個人的にはなんなら応援があって、あんなにもお客さんがいる中で試合をしたことがなかったので逆にアウェイに感じなくて、自分の中ではすごくテンションが上がっていました。

(大和)一緒ですね、、(笑)


ーー東北フリーブレイズとの試合を振り返っていかがですか。

(森田)1ピリで3失点してしまってそこからタイムアウトで監督に喝を入れられたんですけど、そこからやっぱり試合展開も良くなったと思いますし、純也のゴールは幻になったんですけど、それにチームに勢いがついたと思いますし最初から気持ちを切り変えてやることをやれば勝てることができたのではないかなと思いました。

(大和)連戦で疲労が多い中での3位決定戦だったんですけど、試合の入りが思っていたよりも悪く、やっぱり失点が続くと気持ちの部分も下がるし、チームの士気も下がっていた中でのタイムアウトで。そこからプレーは変わったし、バックスファンも東洋をすごく応援してくれていたのでそこは力にもなったし、ゴールをするとリンク全体が歓喜に包まれたのもうれしかったです。やっぱり負けたのはすごく悔しかったんですけど、試合が終わって「よかったな」とは思える内容でした。


ーー点数差はあったもののシュート数は10本以上も上回る結果。そこまで攻めきれた要因とは何だと思いますか。

(森田)アジアリーグのチームと3試合連続というのは今までになかったんですけど、トレーニングのおかげで最後まで走り切れていましたし、相手も3ピリ疲れていてシュート数は1桁だったのでそこは走り勝った部分があのシュート数につながったのかなと思います。

(大和)綺麗なプレーで綺麗なパスをしてフリーの選手に打たせるっていうプレーもよかったんですけど、やっぱりプロ相手だとフリーのスペースだったり時間もないので、ゴール前にパックを集めてこぼれたルーズパックだったりとかを押し込むっていう、泥臭いプレーをした分ゴールにパックも集まったので、結果的にそのような数字も出たのかなと思います。


ーー森田選手から見て大和選手の印象はいかがですか。また、大和選手が味方にいて心強い部分、もし敵チームだったら嫌だなと思う部分を教えてください。

(森田)純也がゴールを決めたわけではないのに、一番喜んでるというのがすごく印象的で、動画や試合を見てもらったらわかると思うんですけど自分が決めた時も一番喜んでいて、その印象が強いです。あとは攻めから守りまでずっと走り回っているという印象があります。(心強いと思う部分は)自分は基本的に1人でゴールまで向かっていくタイプではないんですけど、「アタッキングゾーン入ったときに人を探してそこから展開する」というプレーが得意で、純也がディフェンスから攻めに参加してくれるのでそこで攻めのレパートリーが増えるというのはすごい自分にとって心強いです。(もしも敵チームだったら)純也はアジリティー(敏捷性)があるのでボード際とかではがそうとしてもついてこられるし、フィジカルもあるのでそこに関してはすごく嫌ですし、得点能力も高いので敵チームにいなくて助かったなって思います(笑)


ーー大和選手から見て森田選手の印象はいかがですか。また、森田選手が味方にいて心強い部分、もし敵チームだったら嫌だなと思う部分を教えてください。

(大和)照れるねこれ…(笑)今年一緒にプレーする機会が増えて、1番はホッケーIQが高いということを感じますね。やっぱりポジションは違う分どこがフリーだったり、どこで欲しいかっていうのも全然違うんですけど、そこを汲み取ってくれる、自分が欲しいタイミングでくれるっていうのは琉稀亜だからあるのかなって思います。他にもウィングだったりセンターだったりポジションがバラバラでも器用にこなしているなっていうのもすごく印象としてあります。同期の中だったら一番上手いんじゃないかなと思います。(もしも敵チームだったら)全部だよ(笑)全部嫌だ。

(森田)嫌だよね(笑)

(大和)Dゾーンから持ってきそうだから…それも嫌だし、味方も使ってくるから自分のプレーも1つ選択肢としてもある中でっていうのもあるから…嫌だな。違うセットがいい(笑)って感じです!


◆インカレに向けて

ーーお2人から見たキャプテンの大久保選手はどんな存在ですか。

(森田)今までのキャプテンとは全く違って、自分で何かを発言して自分で引っ張るのではなく、周りの力も借りながら自分のプレーで見せてチームを引っ張るタイプだと思います。なので「こういう時どうしたらいいかな」という相談もされるので、アドバイスもするし逆に自分が聞くこともあるので、とにかく「優しい」っていうキャプテンです。

(大和)キャプテンっていう立場でありながら、口数が少なくて正直何を考えているかわからない。そういう人ですけど日常生活はそういう感じであっても、ホッケーをするってなったら人が変わって、一言で言うと「頼もしい」ってなるのはすごくいいなと思います。また歴代のキャプテンは「プレーで見せる」、「発言をする」などがある中で、比べるのはよくないですが、新しいキャプテンの姿だしそれが今年のチームにすごくフィットしているなと思っています。


ーーインカレへの目標を教えてください。

(森田)優勝しかないです。個人としてはインカレも個人タイトルはあると思うのでそこに入って、かつチームに貢献したいです。

(大和)チームとしては優勝で、個人的には全試合波のないようなプレーをすることと、ポイントにはこだわって絡みたいし賞は欲しいです。


ーー4年生へのメッセージをお願いします。

(森田)最後でいろんな気持ち抱えながらの試合となると思うんですけど、最後の大会なので楽しんでもらっていいし、その分自分たちや下の子たちが4年生を助けてあげるのも大事だと思うので、自分たちがフォローしていきたいと思います。

(大和)最後の大会なので悔いを残さないで楽しんでほしいなと思います。いつもチームをまとめる立場にいてくれてたと思うので最後の試合くらいは関係なしにホッケーだけ、個人のプレーに集中して欲しいので、チームの部分は後輩を信じて最後の試合を戦って欲しいです。

ーー注目選手を教えてください。

(森田)1人目はGKの壱桜です。去年永基さん(令6卒=現レッドイーグルス所属)がいて試合に最初から出ることが少なくて自分の調子っていうのも上がってこなかったと思うんですけど、今年から先発のGKで学年も上がって練習もでれて、自分のコンディションを作って試合で自分たちを助けてくれるので、そこはすごい頼りにしています。DFは純也で、インカレも同じセットだと思うんですけど、自分たちのセットで沢山点を取ってチームの勝利につなげたいと思います。FWは1年生の大久保魁斗で、彼の得点能力はチームでピカ1だなと思うので、そこはインカレでも発揮してほしいなと期待しています。

(大和)1人はGKの壱桜で、2年生ながら今年ずっと大事な試合とかに出場しているので、肝が据わってるというか、GKが弱いと勝てないので彼には注目してほしいです。2人目は千崎君で、プレータイムは少ないんですけど、試合に出れば何が何でも献身的に体を張ってプレーする人なので、目につくし追うような選手なのかなと思います。3人目は竹田くんです。派手さはないんですけど目立たないプレーを淡々とこなしてくれる、土台作りがうまく2年生ながら下積みをすごく頑張ってくれる選手で、攻撃参加もするし、守りにも貢献しているので注目してほしいです。


ーーご自身のプレーの注目ポイントを教えてください。

(森田)スピードと、視野の広さに注目してみてほしいです!

(大和)鉄壁のディフェンスを見てほしいです!

(森田)あとは、点数決めたときのガッツポーズでしょ(笑)

(大和)そうそう!

(森田)俺たちのセットはやっぱり点数決めた後みんないろんなとこで喜んでいるので、カメラ1枚に収めるのがすごい難しいと思うんですけど、そこも見てほしいです!!


森田選手、大和選手ありがとうございました!!


TEXT/PHOTO=岡本后葉