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12月9日に東洋大学白山キャンパスで箱根駅伝壮行会が行われた。箱根駅伝を控える選手へ向けて学生たちからエールが送られたこの会の後、酒井監督、そしてチームを支える3本柱である梅崎蓮(総4=宇和島東)、石田洸介(総4=東農大二)、小林亮太(総4=豊川)が駆けつけた報道陣の前に立った。(このインタビューはチームエントリー発表前に行われたものです。)
――今の状態やチーム状況は
石田 個人の状態としましては全日本以降から練習を順調に積み重ねられている状況です。チームの状態としても監督が先ほど「攻めの練習」というふうにおっしゃられていましたが、攻めの練習をしっかり一人ひとりが臨めるような準備であったりをしていっているので、チームの状態としても少しずつ上向きになっていっているなという感じです。
梅崎 個人の状態としましては、全日本が終わってからしっかり調子も上がってきていて、練習も積めているので、昨年よりもいい状態かなと思います。チームとしましても、全日本以降からまとまりが出てきていて、練習もしっかりみんなでやれているので、そこは良いところだと思います。
小林 個人としましては全日本前までは調子が良くなかったのですが、全日本以降からだんだん調子が上がってきて、練習を積み重ねている状態です。チームの状態といたしましては、出雲・全日本と不本意な結果で終わって以降、練習から雰囲気を作り合ったり、緊張感というのをだんだんと持てるようになってきたので、練習に対する集中力というのがすごく全体としても出ているなという風に思います。
――箱根まで1か月を切り、明日エントリーとなりますが、心境としてはいかがですか
石田 4年目のエントリーの時期ということで、すごく緊張感もありますし、選ばれるからにはやはり責任を果たさなければいけないという身が引き締まる思いです。そこから走るのは16人の中の10名ではありますが、箱根駅伝は全員で戦う総力戦になっていくので、選手、選手以外、そしてスタッフとまだまだ結束力を高めていかなければいけないなと思います。
梅崎 誰が選ばれるかはまだ分からないですけど、選ばれたら選ばれたでそのメンバーはしっかり走ることに集中することはもちろんですし、その候補に入らなかったメンバーは入ったメンバーを支えてくれるので、その人たちの気持ちを汲み取ってしっかり調整していけたらなと思います。
小林 選ばれるかはまだ分からないですが、選ばれるからには選ばれなかった人たちの思いを背負ってしっかり走ることっていうのが責任を果たすことにもなると思いますし、選ばれなかった人は選手が走れるような環境作りをしっかりしていければなと思います。
――チーム、個人の目標は
石田 個人の目標としては任された区間を全うして、チームに勢いをつける走りをしたいなと思います。チームの目標としてはまだまだこれからの練習の状況次第で変わってくるとは思いますが、最低限20年連続シード権を獲得すること、そして上位を目指してしっかり頑張っていきたいなと思います。
梅崎 個人の目標としては前回以上の走りというのが求められてくると思うので、そこをしっかり自分で良い走り、チームを勢いづけられる走りをしたいと思っています。チームとしては石田も言いましたが、最低でも20年連続のシード権を目標にして、少しでもいい順位でゴールできるように頑張りたいと思います。
小林 個人の目標といたしましては、梅崎と同様に昨年以上の走りが求められてくると思うので、3区であれば前回の区間賞との2分差というのを縮めていけるようにしっかり準備していきたいなと思います。チームとしても先ほど2人からもありましたが、最低限シード権獲得で、先輩方が築き上げたシード権をつないでいけたらなというふうに思っていますし、そのうえで上位進出を果たしていけたらと思っています。
――4年生として最後の駅伝となるがどのような走りを見せたいか、また誰に感謝を伝えたいか
石田 大学生活、苦しいことがほとんどの4年間でしたが、身近で支えてくれた家族であったり、監督、スタッフ、そしてともに4年間過ごしてきてくれた同期と、たくさんの方に支えられた4年間でした。最後の箱根駅伝で東洋らしい諦めない走りをすることで、そういった方々に恩返しの走りをしたいと思っています。
梅崎 自分は1年目から箱根駅伝を走らせていただいていて、今大会が4年間の集大成となります。そこは4年目として、キャプテンとしてしっかり走ればおのずとチームもいい結果で走ってくれると思うので、やっぱり自分の走りが重要になってくるのかなと思います。お世話になった方々のためにもいい走りをして、走りで恩返しをしたいなと思っています。
小林 自分は下級生の頃はあまり主力として走ることはできずにいたのですが、監督やコーチにお世話になってここまで成長できたので、1番は監督とコーチに対してしっかり恩返しができたらなと思います。最後の箱根駅伝となるので家族や友達も見てくれると言ってくれたので、そこでいい走りを見せて最後はチーム全体で笑顔で終われるようにしていきたいなと思います。
――酒井監督から梅崎選手がエースだというお話がありましたが自身の自覚は
梅崎 そうなんですね、自分がエースだなと思うことはあまりないですけど、そう言っていただけたのであれば、キャプテンとして、エースとして自分がキーマンとなると思うので、しっかり走りたいなと思います。
――監督とはそういうお話はされないですか
梅崎 はい笑 聞いたことないです。
――去年の2区は自分自身に自信を持てる走りだったか
梅崎 去年の走りは思ったよりも走れたという部分があって目標以上に走れたので、自分でもしっかり調整すれば走れるんだなと思っていました。今回は2区を走るかはわからないですが、しっかりいい走りができればいいかなと思っています。
――4年生となって3人で話していることや思うことなどは
梅崎 4年となって今年が最後になるので、後悔がないようにみんなでしっかり走ろうというふうには言っていました。
石田 小林も梅崎も1年生から年々力をつけていて、特に梅崎はインカレなども走っていますし、小林は2年生から箱根を走って、そこから主力になっています。やっぱり前回大会の2人の走りが今の自分の競技の原動力になっているので、2人は自分の心を動かしてくれた存在でもあります。仲間であり、ライバルでありというところで今年1年切磋琢磨(せっさたくま)しあってきて、やっぱり自分は2人も含めて同期と最後は笑って終わりたい。2人には直接話すことはないですけどそう思っています。
――今は吹っ切れて競技に向かえている状況か
石田 吹っ切れてというよりも新しい気持ち、新しい考え方で取り組んでいます。さっきも言ったんですけど、そういう気持ちにさせてくれたのも2人なのですごく感謝しています。
小林 自分は1年生の頃は駅伝のメンバーにあまり絡むことができず、2人の走りを見て自分も負けてられないという気持ちがありました。2人の走りを見て自分も頑張らないといけないという思いでここまであがってきたので、この2人には感謝しています。
――三大駅伝では安定した結果を残してきた印象があるが
小林 そうですね、それでも自分の納得のいかない走りもその中にはあったので。最後は4年生がしっかり走らないと目標には到達できないと思っているので、自分たち4年生を中心に頑張っていきたいなと思います。
――希望区間は
石田 理想は往路なんですが、状態次第ではそれ以外の区間もあり得るので、本当に任せていただいた区間を全力で走りたいです。あとは区間賞を目指すことが結果的にチームの貢献にもなると思いますし、後続の選手に勇気を与えられる走りをすれば流れは変わってくると思うので、そういった役割を果たしていきたいと思っています。
梅崎 特に希望はないですが、山は走れないので(笑)。それ以外で。任された区間でしっかり走りたいなというふうに思います。
小林 理想は3区をイメージしていて。やっぱり昨年の区間賞を取った太田君と張れるような走りをして、勝てたらチームとしても盛り上がると思うし、勇気づけられると思うので、そういった区間賞というところを目標に頑張っていきたいなと思います。
――石田選手の先ほどの苦しい4年間というのはどんなものだったか
石田 高校までとは違って故障の多い大学4年間でしたし、最初の駅伝は良かったのですが、それ以降の駅伝で結果を残せていないというところで精神的にも苦しい部分があって。思い描いていた競技人生にならないということはもちろんわかってはいたんですけど、それ以上の、自分が想定していたところよりも苦しんでしまったというところがあります。
――苦しい時期を乗り越えられたきっかけは
石田 ひとつは競技に対する考え方が時間をかけてですけど変わってきたというところもありますし、さっきも言ったんですけど、前回の箱根駅伝で同期の走りが心に火をつけてくれて今ここにいると思っているので、そういったところかなと思います。
――どんな走りを見てほしいか
石田 箱根駅伝の走りというのは走りでも表情でも生き様というのが見えてくると思うんですけど、やはり苦しいところでも粘る姿、そして最初から攻める姿というところで、東洋のカラーとして「怯まず前へ」「その1秒をけずりだせ」という言葉があるようにあきらめない走りを表情でも走りでも見ていただきたいなと思います。
梅崎 しっかり応援していてくださる方々に自分たちの最後まであきらめない姿というのを見ていただきたいかなと思います。
小林 自分自身の走りもそうですし、チームスローガンとして「その1秒をけずりだせ」という言葉もあるように、最後まであきらめない走りというのは特徴だと思うので、最後まであきらめずにスパートする姿を見ていただきたいです。