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第73回全日本大学サッカー選手権大会 決勝ラウンド ノックアウトステージ 決勝
12月28日(土) 栃木県グリーンスタジアム
○東洋大1-0新医大
優勝したチーム東洋大男子サッカー部
・井上卓也監督
ーー今大会を振り返って
東洋大学としては初めての決勝進出ということで、朝から硬い感じがしましたけど、試合自体は本来の力を出せたのではないかなと思います。そういう風に彼らも自分たちのマインドセットを持っていきましょう、ということでしたのでそれをしっかり出せて。なかなか難しい相手でしたけれども、しっかり90分で試合を決めれて、初優勝という彼らの掲げた目標を達成できたこと、非常にうれしくも、誇らしくも思っています。
ーー監督の考える就任以降、躍進の要因とは
2020年から監督をやらせていただいております。今年の4年生がその年にスカウティング、選手のピックアップから携わった選手になります。この年代はコロナの影響をもろに受けて、最後の高校の大会とか大きなイベントごとをなかなかこなして来れなかった年代です。そんな思いも彼らの中にはあるでしょうし。けがをして復帰をした者も非常に多い中で、4年目にして芽が出た選手もいますし、そういう意味では少しゆっくりなテンポではあったんですけど、確実に力をつけてきたのかなという風に思います。リーグ戦も前半戦は思うように勝ち点を取れない試合が続きましたけれども、夏の総理大臣杯の出場権を逃してひと月半ほどブレイクがありましたけれども、その中の練習、試合を通して後期に向けて彼らがより試合に向けた取り組み方は大きく変わったのかなと思います。もちろん、勝ち点を積み重ねることで自信をつけた部分もありますし、それによって彼らはいろんな自分たちの将来を、プロフェッショナルとしてという者がほとんどですけれども、そこに実際につながった選手、つながらなかった選手、まだこれからそこに対してという、今大会を通してチャンスを目指そうという、いろんな選手がバラバラではなく一つになっていたところがこのチームの強さかなと。なかなか思うような結果に必ずしも努力が報われないというところも話をしながら、この年代の選手たちは諦めずにそこに対してやり続けて、結果も出したのでさっき彼らにも言いましたが、すごく誇らしく思います。
ーー先輩たちの姿は糧になったか
東洋大学としては1部で戦って数シーズンですし、もちろん3年前の大臣杯の決勝に行けたことは非常にいい結果でしたけど、まだまだそこまでの大きな成果を残していない中で、今日もかなり年代が上のOBの方がずっと応援に来ていらして、そういう方たちの思いを我々も感じながら試合をできて、また新しい伝統のようなものを作り出せているのかなという意味ではうれしいです。
ーー東洋大のプレーは洗練されていて、フェアプレー賞の面でもいいサッカーだと感じるが、千葉でオシムさんや大宮でベルデニックさんという素晴らしい監督の下でのコーチ経験は活かされているか
指導者として人間として非常に影響を受けました。ただ、彼もやっぱりオリジナルなので同じことは私にできるわけではないので、考え方なり、捉え方なり、やっぱり人なんですよね。今回は我々の中に、ここにいる中山や新井、他の選手も含めてそういう選手たちがいてどういうサッカーができるかなということで。今、チームのフェアな印象をおっしゃっていただきましたけれども、その中のクレバーさや手堅さだったりは選手たちが出した成果かなと思います。そういう風に思考したとしても、選手たちがいないと成立しませんし、我々指導者の仕事は選手があっての仕事なので。たしかに今言われた指導者の方からいろんな影響を受けたことは確かです。それを彼らに還元というよりも、彼らの目標に携われれば私としては1番うれしいなと思います。
・中山昂大主将(国4=大宮U18)
ーー今大会を振り返って
今大会を振り返って、1番はレギュレーションのところで中1日の試合だったりとか、中2日の試合があって身体的にも気持ち的にもしんどいという中で、今日出ていた11人だけではなくて、全員の力があって優勝できたなというのはすごく感じていて。今年は総合力というか、出ていた選手だけではなくて、いろんな選手がいろんな立場でチームのためにやってくれていたのが最後にこうやって結果として現れたので良かったかなと思います。
ーーJリーグで活躍する仲間の姿をどう見ていたか
まず1番最初にJリーグの方に活動しに出て行ったのが新井悠太だと思うんですけど、全員でプレーオフも見に行きましたし、すごいなというのと同時に、多分自分たちの代はみんな悔しいなこの舞台で俺もやりたいなという風に負けじとやってやろうという気持ちを持っていた選手が多かったかなと思います。(稲村)隼翔は今年ずっとゲームに関わっていたんですけど、チームにいないときももちろんありましたし、その中でも隼翔がいなくてもやれるんだ、2人がいなくてもやれるんだよというのを自分たちがずっと見せ続けていたのはありますし。帰ってきて彼らもチームに与えくれるものは大きいですし、チームとしても個人として差をつけるという部分もチームに与える影響は2人とも大きかったかなと思います。
ーー先輩たちの姿は糧になったか
自分たちが1、2年生とやっていくうちに、自分の出ている出ていないに関わらず、結果が出ないという時期もあったんですけど、そういうのを見てきたから強くなったというのもありますし、自分たちはここ4年間ずっと決勝の舞台をピッチの外でしか関われなかったので、1年生の最初に「自分たちが4年生になったらピッチに立ちたいね」と話していたので、結果についてきてくれたので良かったかなと思っています。
・前田宙杜(国4=京都橘)
ーー決勝戦を振り返って
相手が勢いを持って縦に早く来るというのは分かっていたので、そこに対して焦れずに付き合うということと、付き合うだけでは自分たちの味が出せないので、少しずつ自分たちの時間を作って1点でも取れたらいいなと思ってやっていました。
ーー優勝した率直なお気持ちは
まだ実感が湧かないです。これから周りにおめでとうと言ってもらえて初めて優勝したと実感が湧くのかなと思います。
ーーラストシーズンを振り返って
前半は思うようにうまくいかなくて勝てない時期もあったんですけど、チームでしっかり勝ち方を見つけて、今季はほとんど負けなしで(リーグ戦)3位まで持って来れたので、最後に優勝で終われて本当に良かったなと思います。
ーーどんなチームでしたか、チームの良さは
本当に仲が良いです。先輩後輩関係なく強く言えたり、とにかくいい雰囲気で自分たちで自発的にやれてたんじゃないかと思います。
・増田鈴太郎(国4=東海大相模)
ーー決勝戦を振り返って
みんな少なからず緊張はあったと思うんですけど、自分も緊張というか楽しみというか、初めての経験だったので。(稲村)隼翔からも「楽しもう!」という言葉が朝にあって、本当にこのチームでできる最後の試合なので、楽しんでやって優勝もできたので本当にうれしかったです。
ーー優勝した率直なお気持ちは
感動ですね。試合に勝って泣いたのは初めてだったので、そういう意味で本当に感動しましたし、自分の中では本当にいい経験になったと思います。
ーーラストシーズンを終えて
今年は途中出場がメインで、去年はなかなか結果を残せずに今年を迎えて、自分の将来を決めなきゃいけない中で、リーグ戦では3点でしたけど、自分なりに自分の存在価値を見出せたし、自信を持ってインカレに入って、インカレでは決定的な仕事もできたし、自分の中でさらに自信をつけて大会を終えられたというのが良かったです。
・新井悠太(国4=前橋育英)
ーー今大会を振り返って
全員の力が一つにまとまった大会だったと思うし、(試合に)出ているメンバーも試合を重ねていく上で全員が成長を感じるような大会だったので、優勝で終われて良かったです。
ーー先輩たちの姿は糧になったか
自分たちが1年生のときも総理大臣杯で決勝に行って、自分たちは応援に行っていて、そういった先輩たちの大きな背中というのは刺激になりましたし、それと同時に自分たちもこの舞台でしっかり結果を残したいという思いがあったので出れなかった時期もありましたけど、こうやって自分たちの代でインカレ優勝というのを成し遂げられたのは、自分たちの大きな成長かなと思います。
PHOTO=望月桜、森花菜