記事
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走
１月２日（木）・３日（金）
大手町読売新聞東京本社前発着
総合９位 東洋大 10:54'56
往路９位 東洋大 ５:27'53
１区（21.3km） 小林亮太 １:02'52（11位通過・区間11位）
２区（23.1km） 緒方澪那斗 １:08'50 （19位通過・区間20位）
３区（21.4km） 迎暖人 １:02'40 （16位通過・区間８位）
４区（20.9km） 岸本遼太郎 １:01'15 （９位通過・区間３位）
５区（20.8km） 宮崎優 １:12'16（９位通過・区間９位）
復路７位 東洋大 ５:27'03
６区（20.8km） 西村真周 58'56（９位通過・区間９位）
７区（21.3km） 内堀勇 １:04'16（12位通過・区間12位）
８区（21.4km） 網本佳悟 １:04’18（９位通過・区間２位）
９区（23.1km） 吉田周 １:09’22（８位通過・区間７位）
10区（23.0km） 薄根大河 １:10’11（区間10位）
今年も彼がチームに希望をもたらした。昨年、三大駅伝初出走にしていきなり10区区間賞を獲得。周囲を驚かせた岸本遼太郎（総３＝高知農）が再び箱根路で輝きを放った。
鉄紺のタスキをシード圏内まで押し上げた岸本
昨年の箱根駅伝ではわずかに届かなかったものの、驚異の猛追で３位に21秒差にまで迫り、鉄紺の定位置を手の届くところまで引き寄せた岸本。今年のチームが高い目標を掲げてこれたのも前回大会での彼の力走があったからだ。
今年は４区にエントリー。往路の主要区間での出走を果たしたが、４位で受けた昨年とは異なり、苦戦を強いられた鉄紺のタスキが彼の元に渡ったのはシード圏外の16位だった。シードラインまでは１分19秒。決して小さいとは言えないその差だったが、岸本には前しか見えていなかった。「見える人は全員抜いてシード権内まで持っていく」と、次々と前を行く大学を捉え、15㌔過ぎの酒匂橋を太田蒼生（青学大）に次ぐ区間２位で通過。シード権までのその差を１人で覆し、シード圏内に割って入った。
シードラインに入ってからもその快走は止まるところを知らず。「区間賞も見えるよ！今年も取って奇跡起こすよ！｣と運営管理車からかけられた酒井監督の声がさらに彼に力を与え、順大を抜き去って9位へ浮上。区間3位、７人抜きの大快走で５区の宮崎へタスキをつなぎ、どんな状況でも揺るがない強さを証明した。
給水を力に、さらに前を追う
彼の走りはいつも鉄紺に希望を与えてきた。昨年は定位置返り咲きへの、今年は20年連続のシード権獲得への望みを切り開いた岸本。「東洋はこんなところで終わるチームじゃない」。箱根前にそう語った言葉通り、鉄紺の意地を見せつけ、一気にシード圏内までタスキを押し上げた。
箱根路でチームの主力へと成り上がった岸本のラストイヤーが始まる。彼の最後の１年でのさらなる躍進を、そして次の箱根ではもう１度区間賞に輝く姿を見たい。
箱根駅伝２日間のレース記事はこちらから➡️https://sports-toyo.com/news/detail/id/27645
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
◼︎岸本遼太郎 レース後コメント
ーー今年は4区での出走となったことに関して
往路出走を目標としていたので、達成できて良かったです。
ーータスキをもらった時の心境は
前に見える人は全員抜いて、シード権内まで持っていく事を考えていました。
ーーレースプランは
目安は2分55秒ペースで、前にいる人をどんどん抜いていく。
ーー７人抜きとなったが、レース中はどのようなことを考えていたか
1つでも前の順位で次に渡す事を考えていました。最後の方は区間順位の事も考えていました。
ーー区間3位という結果について
2位は見えていたので最後で負けてしまったのは自分の弱い所が出たと感じています。区間賞とは勝負になっていないのでまだまだ力不足を感じさせられました。
ーーご自身2度目の箱根駅伝はどうだったか
大学の駅伝で初めて、単独走ではなく他の人と競って走ったので駅伝をしているなという感じがして楽しかったです。ほぼ目標通りのペースで走ることができ、今までの自分の殻を破れた気がしています。
ーー酒井監督やチームメイトの方からの力になった声かけは
監督から「区間賞も見えるよ！去年も取ってるんだから今年も取って奇跡起こすよ！」と言われ元気が出ました。(圧倒的格上である青学の太田さんに勝って区間賞を取って奇跡を起こそうという意味だと思います。)
ーーチームの結果を振り返って
20年連続シード権が獲得できて良かったです。ただ、来年はシード権が獲得できるかどうかでヒヤヒヤしたくないですし、上位争いをしたいです。
ーー最終学年となる今後へ向けての意気込み
来年は3大駅伝全てでしっかり勝負出来るようにしていきたいです。また、もう1度区間賞を獲得したいです。
ーー４年生へメッセージ
今年1年結果でチームを引っ張り、下の学年がのびのびと競技が出来る環境を作ってくださりありがとうございました。来年はトラックシーズンから今年の皆さんの活躍を上回れるよう頑張ります。
TEXT＝近藤結希／PHOTO＝一ノ瀬志織、北川未藍
