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2025.04.19
硬式野球

[硬式野球] エース島田、復活の完投勝利!打線好調、髙中の本塁打で初の勝ち点獲得

[硬式野球]東都大学野球 春季1部リーグ戦・國學大2回戦 

4月17日(木)明治神宮野球場

◯東洋大6ー2國學大


東洋大
國學大


島田ー政所、鈴木


・打者成績

打順守備名前打数安打得点打点
(中)大城戸陸琥(総2=九州学院)
(左)秋元俊太(済4=木更津総合)
(三)池田彪我(営4=三重)
(右)花田旭(総4=大阪桐蔭)
(遊)→一髙中一樹(総2=聖光学院)
(一)宮下朝陽(総4=北海)

走→遊馬場涼輔(総3=九州学院)
(指)山田隼(総3=木更津総合)

西川太基(営4=九州学院)

山内教輔(総2=東海大相模)
(捕)政所蒼太(営4=天理)

冨安海来(営3=履正社)

鈴木二知佳((済4=長崎日大)
(二)吉田元(営4=龍谷大平安)


3914


・投手成績

勝敗名前回数球数被安打四死球三振自責点
島田舜也(総4=木更津総合)92


完投勝利を果たした島田


キャプテン池田


大活躍の大城戸


大会第1号本塁打を放った髙中


 前日の第1回戦で春リーグ初の白星を飾った東洋大。勝ち点獲得のために、絶対に負けられない戦いに臨んだ。


 先制点を挙げたのは東洋打線。初回、先頭・大城戸(総2=九州学院)がボールを見極め四球で出塁し、秋元(済4=木更津総合)の犠打で1死二塁とする。ここで主将・池田(営4=三重)が左適時二塁打放ち、先制点を挙げることに成功。続く花田(総4=大阪桐蔭)、髙中(総2=聖光学院)、宮下(総4=北海)も安打を放ちこの回一挙4得点と、國學大を大きく突き放した。


 先発のマウンドに上がったのは、エース島田(総4=木更津総合)。先週の亜大戦から修正をして臨んだ今試合。初回、先頭打者に四球で出塁を許すも、続く打者を三振で打ち取り、最後は中飛で抑えて無失点。四回には本塁打を浴びるも、その後は落ち着いたマウンド捌きでこの回を最小失点で切り抜けた。六回以降は全て三者凡退と、エースが力投を見せた。


 なんとか追加点をあげたい東洋大。安打は出るもあと一本が出ず、得点につなげることができない。一方、四回には國學大の4番・渡辺にソロ本塁打を許し、3-2と重苦しい展開のまま試合は終盤へ。


 九回に絶好の好機が訪れる。池田の左越二塁打などで1死三塁とし、得点圏に走者を進める。ここで待望の一打が飛び出す。井上監督が「誰よりも外せない」と語り、大きな期待を寄せている髙中が打席へ。カウント2-0からの3球目、直球を力強く打ち返し、左中間へ2点適時本塁打を放った。打球がスタンドへ吸い込まれると観客席が大きな歓声に包まれ、高中は力強く拳を突き上げ、笑顔でダイヤモンドを一周した。流れに乗った東洋大はさらに國學大を突き放す。続く宮下が左越二塁打を放ち、代打・山内(総2=東海大相模)が四球で出塁。相手守備が乱れている間に代走馬場(総3=九州学院)がホームイン。1点を追加し、6-2とした。


 その裏の最終回では、島田が安定したピッチングを見せ三者凡退。粘り強いピッチングで、2安打2失点での完投勝利。打たせて取る、圧巻のピッチングで92球で投げ切った。次戦の青学大戦へ向けて「青学戦までに修正して、倒したい」と強く意気込んだ。


 この日、13安打と各々の強さが見えた今試合。見事勝利し、勝ち点1を獲得した。次戦は、1部リーグ4連覇中の青学大と対戦する。選手が口を揃えて「対戦が楽しみ」だと話す、青学大。勢いそのまま全員野球で、勝利をつかみ取ってほしい。


◾️コメント

・井上監督

ーー1部での勝ち点1、2連勝になったが

昨日も言ったんですが、いずれ勝てるだろうなと思っていたので想定内です。本当は10勝しないといけない2勝はもうできないわけで。その10勝のうちの2勝ができたというところです。こればかりはもう積み重ねるしかないので頑張ります。


ーーエースがやっと勝ったが

相手に助けられたかなというところです。


ーー試合終了後、選手たちを集めてどんな話を

特に言っていませんが、青学戦まで走り抜けないといけないので、体調管理だけしっかり、気を抜かないように、そこだけです。


ーー次戦に向けて

打つ方は何となくいい形ができているので、最後にあと1本出ればもっと楽な試合展開になりますよね。ピッチャーも楽になるでしょう。そこに期待をしたいです。


ーー花田が右方向にいい打球が出ていたが状態が上がってきた?

彼はオープン戦の後半から状態がよかったです。


ーー髙中も5番でいい活躍を

髙中は外せないです。誰よりも外せないです。髙中が怪我をしたらうちはもうダメです。


ーー本塁打も2ボールから狙い打ちの感じがあったが

そんな感じがしましたよね。前の打席でチャンスで凡打しているので、悔しさはあったと思います。


ーーエースがもがいてる所を打者陣がなんとかしようという空気は

あります。ずっとヒットはでるけど、あと1本が出ないというね。この1本が出ていればもっと楽に投げられたのにとは思います。そういう意味では島田もよく粘ったと思いますが、エースというなら当たり前という話です。そんなことで満足してはいけないという話です。エースは調子が良い時も悪い時も抑えるからエースなんだとこの前も伝えました。


ーー政所のデッドボールは

かすった程度だったので多少唇は腫れているんですが、そこまで切れてはいないです。前も当たってその時はだいぶ切れて縫っているのでそれに比べればですかね。大事をとってというところです。


・島田舜也

ーーやっと手にした1勝だと思いますが、今の気持ちは

亜大戦の時に、ああいう負け方とか、ピッチングになってしまったので、亜大戦が終わってから投げ込みとか、フォームの細かい修正とかをもう一度動画を見直して、コーチと一緒に考えてやっていました。今日の試合の前のブルペンで感覚も良くなってきていたので、このまま行けるかなと思った結果だと感じています。


ーー具体的な修正点は

力みがあったせいで、テイクバックが小さくなって開きも早くなって、まっすぐが弱くなったりコントロールが乱れたりしていたので、そういうところを修正しました。


ーー初回、3点もらってのマウンドだったが、投げやすかったか

最初にとられると、投げにくいですね。点差ができちゃうとその分油断が生まれるので、テンポより丁寧に投げるということを意識してやっていました。


ーー四死球出しながらも、うまくというところでしたか

ランナー出した時は基本打たせるピッチングで、今日は全体的に打たせるピッチングというか、コースに丁寧に投げるというところを意識してやっていたので、今日みたいな打たせるピッチングや、要所要所で三振取れたので、そこは良かったです。


ーースピードよりも、しっかり投げるという感じでしたか

スピードよりも球の球威があれば、スピードがなくてもフライアウトできるので、スピードにこだわりすぎず、コースに投げないと1部では打たれるので、そういうところをしっかり丁寧にというテーマでやりました。


ーー全体的に今日は打たせてとろうと思ったんですか

1部だとコースとかどんどん振ってくるバッターが多いので、そこで簡単にアウトを取れたら楽なので、三振よりかはやっぱり回を稼がないと先発ピッチャーとしてダメなので、そこは自分よりもチームのことを考えて。


ーーコースにきっちり投げたら、打たれてもヒットにはならないというかんじでしたか

そんなかんじです。そこで打たれたら、バッターの方が上だったと区別していたので、あまり気にせずできたかなと思います。


ーー投げてて良かった球は

全体的に大きく外れるボールがなかったので。後半少し乱れるところはあったんですけど、そういうところはしっかり決まるボールを選択して配球できたと思うので、そこは大きく乱れなかった要因かなと思います。


ーー昨日はベンチを外されて、どんな気持ちで試合を見ていましたか

一個下の大坪がナイスピッチングをしていたので、後輩が頑張った分先輩もしっかりやらないといけないなという気持ちで見ていました。


ーー監督とは何か話をしましたか

今日は話してないので(笑)。たぶん監督からは抑えて当たり前だと思われているので。そういうところはしっかり自分もその期待に応えないといけないなと思っています。


ーードラフトの候補としても注目されるシーズンだと思うが、どんなシーズンにしたいですか

ドラフトを意識しすぎたピッチングが亜大戦の結果になってしまったので。落ちるところまで落ちたというか。亜大戦で酷い結果だったので、いい意味で考えたらいい切り替えになったので、今はもうドラフトのことは考えてないで、試合を楽しむということでやっています。


ーードラフト候補を意識しすぎて、切り替えたというのは、誰かに言われたと言うよりも自分の中で意識しすぎたと思ったと言う感じでしたか

それはどっちもです。自分でも切り替えようと思いましたし、お兄ちゃんや家族からもそう言われたので。そこでうまく切り替えることができたと思います。


ーー変化球などで有効だったボールは

最初カーブがあまり決まらなかったんですけど、途中決まり始めて、真っ直ぐの感覚もよくなってきました。途中からスプリットとかもよくなってきました。


ーー92球2安打という完投は自信になるような結果でしたか

まだちょっと不安なところは正直あります。もう少し青学戦までに修正できたらと思います。



TEXT/PHOTO=髙梨美遼