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2025.06.04
ラグビー

[ラグビー] 帝京大に敗北も「焦らせることができた」。大敗の中にあった確かな手応え

第14回関東大学春季交流大会第3節・帝京大戦

●東洋大 13{0ー26、13-40}66 帝京大


モールを展開するFW陣






番号

Pos.

名前

1

PR

山下源也(総2=熊本工)

2

HO

小泉柊人(済4=目黒学院)

3

PR

岡田恭和(スポ2=脇町)

4

LO

植田宗優(済4=筑紫)

5


栗原大地(総4=伊勢崎興陽)

6

FL

ステファン・ヴァハフォラウ(総4=札幌山の手)

7


金井悠隼(スポ3=東海大相模)

8

NO8

森山海宇オスティン(総4=目黒学院)

9

SH

生田旭(総2=国学院栃木)

10

SO

高田哲也(総1=東福岡)

11

WTB 

神真広(スポ3= 青森山田)

12

CTB

池渕紅志郎(総2=城東)

13


浅尾至音(スポ3=城東)

14

WTB

坂本琥珀(総3=仙台育英)

15

FB

中山二千翔(総2=日本航空石川)

16

Re.

小峰佳士(スポ2=目黒学院)



黒須楓(総3=St Bede' s College)

18


酒井慶(済4=流経大柏)

19


山岡快翔(総3=関商工)

20


ルナ仁鼓(総2=熊谷)

21


日高創太(総3=筑紫)

22


佐々木健人(総4=札幌山の手)

23


藤春大悟(スポ2=青森山田)

24
アダム・タマティ(総3=Sacred Heart College)
25
五十嵐舜悟(スポ2=川越東)
26
小菅優斗(総1=北越)



 春季交流大会第3節が1日、熊谷ラグビー場で行われた。今節、東洋大が対戦したのは開幕から2試合連続無失点の帝京大。圧倒的な強さを誇る格上チームに、鉄紺戦士たちが熊谷の地で挑んだ。



 帝京大ボールでキックオフした今試合、前半は堅いディフェンスを発揮しつつも、相手の厚い攻撃に押し込まれた。


 立ち上がりは東洋大の好プレーと相手のノックフォワードで敵陣でのプレーを展開した。そこからパスを回していくが、ボールを奪取されると一気に自陣へ。相手のアタックを阻み切れず、先制トライを献上する。その後はこう着した展開を繰り広げるも、ディフェンスの壁を崩されて連続トライを許し、0-26で前半を終えた。




 続く後半は再開直後から帝京大が主導権を握る展開となった。4分、帝京大が中央にトライを決めると、7分、12分にも追加トライ。点差は0-47にまで広げられた。


 それでも東洋大は気持ちを切らすことはなかった。19分、1年ぶりの公式戦出場となった池渕がPGを成功させると、敵陣でのプレー時間が増えていく。20分、27分にはトライを許したが、再び敵陣でのプレーを展開すると32分に池渕が2度目のPGを成功。徐々に流れを引き寄せた東洋大は35分、モールから小泉が抜け出して今試合初トライを挙げた。



 もう一度インゴールを目指したかった東洋大だが、その後は帝京大のアタックに押し込まれ被トライ。最終スコア13-66でノーサイドとなった。


2本のPGとコンバージョンを成功させた池渕



 スコアで見れば大敗だ。しかし、東洋大にとってこの80分間は意味のある一戦になったことは間違いない。


 確かな変化が表れていたのは、前節・明大戦で課題として浮き彫りとなった「気持ち」の部分。格上の相手を目の前にすると「試合が始まってから(気持ちの強さで)変わってしまった部分があった」とヴァハフォラウ主将は試合中の心境の変化を語っていた。


 そこで取り組んだのは「マインドセット」の改革だ。ラグビーはもちろん、食事や掃除といった普段の生活から意識を徹底した。東洋大が掲げている「凡事徹底」の理念の再確認。2週間の修正期間を経て、帝京大戦では劣勢でありながらも、勝ちに対する姿勢を貫いた。


 この気持ちの変化は、プレーにも確かな手応えとして表れていた。後半に計3本のキックを成功させた池渕は「2つのPGで開幕から無失点の相手を焦らせることができた」と振り返ったように、帝京大を揺さぶる場面を見せた。

 また、ヴァハフォラウ主将は「自信を持ってプレーすると流れが変わる」と話し、その言葉通り後半では全員が自信を持ち、意思をひとつにして流れをつかむ場面が随所に見られた。


 

試合前、握手をかわす選手たち

 


 次節は8日にホームで昨季リーグ戦王者の大東大との一戦を控える東洋大。対抗戦チームとの3連戦で得たものを力に変えて、残りの2戦で‟Navy Warriors"の真価を発揮したい。



◾︎選手コメント

◇ステファン・ヴァハフォラウ主将

――試合を振り返って

点数でいうと、最初からどうにかできたなと思っています。最初は我慢できるところはできたのですが、もう少し足りない部分を明日から練習に取り組んで修正していきます。


――終盤は東洋大ボールが多かったが

自信をもってやれると流れが変わるし、自分たちの流れになると一人一人が自信をもってアタックできるので点数はとれるし、気持ちの部分は自信をもって強くやっていきたいです。


――前節では気持ちの課題があったが

2週間で何が変わったかというと、マインドセットの部分です。ラグビーのことだけではなく、ラグビー以外の部分、食事や掃除といった普段の生活から丁寧にできるように心がけて試合につながると思っていて。そういうところをしっかりやっていくとさらに強いチームになれると思うのでこれからも取り組んでいきたいです。


――フィジカルの手ごたえは

フィジカルの差はほぼないのですが、最初から攻めていけるようにしたほうがチームに自信がつくと思うし、十分大きい体で、スピードもあってパワーもあるので一つ一つの動作を100%出せるようにがんばっていきます。


――スキルの部分で感じた差は

自分たちのミスでトライを取られたので、ミスした後の反応が遅いと思いました。パスやスピードは速いですが、自分たちもカバーできるのでその場面でも速く動けるようにするとトライまでに生かせないことができると思います。


――次節に向けて

体を休めて修正点を見つけて、明日からまた練習に励んで、しっかり自信をもっていい試合、いい結果を残します。



◇池渕紅志郎

――試合の振り返りを

フィジカルだったり、勝負できるところは勝負して勝ててる部分もあったので、あとは小さいミスだったり気持ちのところでやられている部分もあったので、修正できるところはたくさんあったので修正していきます。


――ご自身は1年ぶりの公式戦出場

うれしかったですし、自分の役割をしっかり果たせば、次もまたチャンスをもらえるので全力でプレーしました。


――ご自身の手ごたえは

今日はあまりボールが持てなかったです。もう少しボールタッチ回数を増やして、外にいいランナーがいるのでそれを生かせるプレーをしていきたいです。


――帝京大と感じた差は

一つ一つのアタックでゲインラインを取られてしまってそこで東洋大の帝京大のアタックのほうが枚数が増えてしまってそのままゲインラインを切られてトライまでいかれました。一つのゲインで一気にトライまで持ってかれるところは帝京大のFWの運動量の差を感じました。


――キックの手ごたえは

キックに関しては2つのペナルティゴールで開幕から無失点の相手を焦らせることができたのでよかったと思います。


ーー次節に向けて

次もメンバーに入れるように泥臭く努力して頑張ります。



TEXT/PHOTO=北川未藍