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平成27年度東都大学野球秋季２部リーグ戦・拓大３回戦
10月19日（月）拓大グラウンド
東洋大９－０拓大
正捕手・後藤田。冷静に原をリードした
三回、適時三塁打を放つ。打撃でもチームに貢献した
次打者の安打で生還。仲間に笑顔で迎え入れられる
浮かれた気分は一切なかった。「（２部）優勝することが最終的な目標ではない」。エースの快投を支えた後藤田（営４＝東洋大姫路）は４季ぶりの２部優勝にも「一つの通過点」と語気を強めた。
冷静な判断が勝利を呼び寄せた。本塁打を６本も浴びるなど今季の原（営４＝東洋大姫路）の投球は決して完璧ではなかった。「春みたいに簡単には抑えられなかった」と後藤田は話す。この試合でも初回に先制のピンチを迎える。それでもあわてなかった。「スライダーの角度が良かったので、三振が取れるなと」。高校時代から一番多く原の球を受けてきた〝恋女房〟が要求したのは右腕のウイニングショット。この球で２つの三振を奪うと、これ以降相手打線に付け入る隙を与えなかった。
バットでも原を救った。三回１死満塁。すでに５点を奪っていたが関係なかった。「いつも原が１対０や２対０で負けてしまっている。打てばあいつも頑張ろうという気持ちになるだろうし、何とか助けてあげようという気持ちで打席に入った」。全ては原のために。その熱い思いが打球へと乗り移った。走者を一掃する右翼線への適時三塁打。その後も安打を放ち、自身３安打の大当たり。「今日ぐらい打てればいいですね」。思わず笑顔がこぼれた。
待ち焦がれた舞台。２年前に味わった悔しさを晴らす機会がようやく訪れた。相手は前回と同じ駒大ということもあり、意識は「ある」と話した。しかし、それは気負いにはつながらない。「一回やられているので借りを返すつもりでやっていきたい」。同じ過ちは絶対に繰り返さない。そして、最後も原とともに。気心の知れたバッテリーが神宮で旋風を巻き起こす。
■コメント
・後藤田（営４＝東洋大姫路）
（２部）優勝することが最終的な目標ではない。一つの通過点。優勝したからといっておごらずに。（入れ替え戦では）一度負けているので、自分たちは挑戦者。もう一回気を引き締めていきたい。（原の）調子は悪くなかった。（初回は）ストライク取りにいったストレートを打たれた。４番にはおととい打たれていて、フォアボールでもいいかなと。そしてスライダーの角度が良かったので、三振が取れるなと。その後も、要所で左バッターのインコースにスライダーが入っていた。一回のピンチを抑えられたので、大量得点につながった。点差が開いていても気を抜かずに、一つのプレーで流れは変わるし、そこを気を付けた。それで全然ピンチを作らずに終わることができた。春にあれだけいい投球をした。疲れはあるだろうし、相手も研究してくる中で、春みたいに簡単には抑えられなかった。要所要所で増渕が抑えたり、２回戦で野手が頑張るというのが見えた。それが今日うまくマッチングした。一番恐れているのは優勝したからと言って気が抜けがちになってしまうこと。そこは４年生が中心に気を引き締めて、いい戦いをしたい。一回やられているので借りを返すつもりでやっていきたい。（駒大に対する）意識はあります。自分もそのとき出てたし、林（営４＝桐生一）も出てた。笹川（営３＝浦和学院）も阿部（営３＝帝京）も出てたし、やり返そうという気持ちはみんなある。
TEXT=伊藤拓巳 PHOTO=伊藤拓巳、美馬蒔葉、浜浦日向
