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2025.06.23
ラグビー

[ラグビー] 最終節は東海大に1点差で惜敗。課題と希望抱え猛進の夏へ

第14回関東大学春季交流大会最終節・東海大戦

●東洋大 32{12ー12、20-21}33 東海大





番号

Pos.

名前

1

PR

山下源也(総2=熊本工)

2

HO

小泉柊人(済4=目黒学院)

3

PR

岡田恭和(スポ2=脇町)

4

LO

植田宗優(済4=筑紫)

5


栗原大地(総4=伊勢崎興陽)

6

FL

ステファン・ヴァハフォラウ(総4=札幌山の手)

7


金井悠隼(スポ3=東海大相模)

8

NO8

森山海宇オスティン(総4=目黒学院)

9

SH

生田旭(総2=国学院栃木)

10

SO

池渕紅志郎(総2=城東)

11

WTB 

神真広(スポ3= 青森山田)

12

CTB

五十嵐舜悟(スポ2=川越東)

13


浅尾至音(スポ3=城東)

14

WTB

坂本琥珀(総3=仙台育英)

15

FB

中山二千翔(総2=日本航空石川)

16

Re.

小峰佳士(スポ2=目黒学院)



岩崎ヴィージェー純(総1=目黒学院)

18


酒井慶(済4=流経大柏)

19


山口英之介(総2=熊谷)

20


ルナ仁鼓(総2=熊谷)

21


吉村由(総1=St.Peter's College)

22


佐々木健人(総4=札幌山の手)

23


高田哲也(総1=東福岡)

24
小沢壱颯(総4=関商工)
25
アダム・タマティ(総4=Sacred Heart College)
26
平田魁生(済4=川越東)



 1点の重みを痛感した。

関東大学春季交流大会最終節が22日に行われ、東洋大は敵地で東海大と激突。「ディフェンス」をテーマに臨んだが、吹き付ける強風への対応に苦しみ、32-33とわずか1点差で敗れた。


観客に向けて深く礼をするフィフティーン



 東洋大ボールでキックオフした今試合。先手を打ったのは東海大だ。立ち上がりから相手ボールの中、ディフェンスで粘るも、7分に先制トライを奪われる。


 しかし、簡単には相手に主導権を握らせない、9分には栗原がゲインし、生田にボールが渡ると、力強く走り抜けて7-7。ここからトライを量産していきたい東洋大だが、マイボール時のミスが重なり、なかなか敵陣深くまで持ち込めない。


 中盤にはマイボールラインアウトも、ボールを奪取され、24分に被トライ。


 それでも攻撃を怠らなかった前半終了間際の38分には、モールで押し込み、小泉がトライを挙げて12-12。試合は振り出しに戻った。


公式戦初トライを含む2トライを挙げた生田



 ハーフタイムが明けた後半も、先に試合を動かしたのは東海大。東洋大がマイボールでのラインアウトも、ボールを奪取されるなど9分までに2トライを献上する。


 東洋大も相手の隙を見逃さず、14分に中山が、19分に坂本がそれぞれ鋭いランで切り込んでいき、ゴールへ飛び込んで4点差まで縮める。


 攻撃を続けたい東洋大だが、相手も簡単には引いてくれない。27分にトライラインを突破されると、コンバージョンも成功し点差は11に。


 しかし、諦めないのが東洋大の真骨頂。31、34分と立て続けにトライを奪い、1点差に縮める。


 あと1本。勝利に手が届く距離だったが、なかなかディフェンスの壁を崩すことができずに攻めきれない時間が続く。最後は自陣でのパスが乱れ、ノーサイドとなった。


 鋭いランで駆け抜ける坂本



「やってきたことをチームとして全然出せなかった」


公式戦初トライを含む2トライを挙げた生田は悔しさをにじませた。

要所要所でのミスも見られ、「修正力のところで同じミスを何度もしてしまった」、「近場で抜かれてしまったので、連係のミスが多かった」と敗因を口にした。


ヴァハフォラウ主将も「もう少しいけたなという気持ちがある」とコメント。敗因には「コミュニケーション」を挙げ、「自分たちのパフォーマンスが出せるようにいい準備をやっていかないと、結局今日みたいな結果になる」と現実を受け止めた。



強風への対応力も課題に挙がった。

「風のせいで高く上げるキックも戻ってきてしまったり、飛びすぎてしまったりしていた」(生田)。身を切るような風が吹き抜ける中、ボールのコントロールに苦戦。この日のテーマだったディフェンスに加え、気象条件も難しさを増した一戦となった。



 今季は1勝4敗で5位と決して好成績とは言えない結果で終幕。しかし、この5戦で得られた課題は必ず秋へつなげる。


対抗戦勢との3連戦では、敗戦の中でも、確かな手ごたえがあった。

一方で、勝てるはずの試合を落とす悔しさも味わった。


それでも、シーズンを通して見えた課題や収穫は、確実にチームを前進させている。


キックオフ前のフィフティーン



 日々の練習や8月に控える夏合宿を経て、秋ではひと皮もふた皮も剥けた姿を見せてほしい。


あの1点を取り返すために、

強く、たくましくなった姿で。


そして、このチームの最後の試合が終わった時に、

「すべての過程には意味があった」と心から思えるように――。


目指す景色は変わらない。その覚悟を胸に、日本一へ。

鉄紺戦士たちが、猛進の夏を彩る。






◾︎選手コメント

◇ステファン・ヴァハフォラウ主将

ーー本日の試合を振り返って

もうちょっといけたなという気持ちがあります。自分たちはこの1、2週間これだけ練習して、自分たちの全力を出せなかったので、菅平や秋に向けて、もうちょっと私生活も練習もちゃんと取り組んで強くなりたいなと思います。


ーー敗因をあげるならどこですか

コミュニケーションだと思います。


ーー最初の円陣、どんな話をしていたか

とにかく肩を当てて、ディフェンスで流れをもっていこうっていうのを。ずっと練習してきたので。それで最初出しきれなくて、自分たちのパフォーマンスが出せるようにいい準備をやっていかないと、結局今日みたいな結果になります。


ーー今日のテーマ(掲げていたこと)はありましたか

ディフェンスです。


ーー序盤からペナルティが目立ったが、焦りなどはあったか

焦りとかはないです。ちゃんと一つ一つ、ミスがあるとしても取り返して、ちゃんとそれを点数に繋げられるように、冷静に考えながらプレーできたと思います。


ーー風の影響はあったか

風がある中でも、うまくキックを使いながらエリアをとりたいなと思います。そういう課題は早めにでて良かったと思うので、しっかり取り組んで修正できるようにやりたいと思います。


ーー夏合宿で取り組みたいこと

もっといいチームというか、みんなが固まって、上級生が下級生にもっといい影響を与えられるように。それで全体的に自分のパフォーマンスを100%発揮できるように準備したいと思います。


◇生田旭(公式戦初トライ)

ーー本日の結果をどう受け止めているか

やってきたことを全然チームとして出せなかったです。


ーー敗因をあげるとすると

修正力のところで同じミスを何度もしてしまったので、試合中に修正できるようにコミュニケーションをとっていけるようにしていきます。


ーー試合前の円陣ではどのような会話を

しっかりディフェンスから体を当てていこうというのと、状況判断のところをしっかりやろうと話していました。


ーー本日のテーマは

ディフェンスしっかり、タックルで肩を当てて、走り勝つというのも自分の中ではテーマとしてありました。


ーーディフェンスの面ではチームとしてはいかがでしたか

インサイド、近場で抜かれてしまったので、連係のミスが多かったのかなと思います。


ーー公式戦初トライ。ご自身の手ごたえは

去年と比べて、試合経験を積めて味方は抜けるタイミングなどが分かるようになったのがあります。


ーー3試合連続でフル出場

きつい場面が多いのですが、後半の最後20分が楽しいので、前半から出て最後までプレーできているのはとてもありがたいです。きついけど、楽しくプレーできています。(体力の面でも)

去年よりも(体力が)ついてきています。


ーー序盤からペナルティが重なったが

ラインアウトのミスが多かったのは風の影響がありました。そこでラインアウトでのミスにするのではなくて、いつもFWに引っ張ってもらっているので、こういう場面でBKが引っ張れるようにゲームコントロールをしていきたいです。


ーー風の影響は

風のせいで高く上げるキックも戻ってきてしまったり、飛びすぎてしまったりしていたので対応していけるように練習していきます。


ーーこれからの練習や夏合宿に向けて

チームとしては早大戦からディフェンスが課題で、今日も取られすぎてしまったのでディフェンスの動き出し3歩を早くというのがあるので、そこを僕がみんなに伝えて動かせるようにしたいです。個人としては、波はなくなってきたと思うので、一つ一つのスキルや判断の精度を上げていきます。



TEXT=北川未藍 PHOTO=北川未藍、高梨美遼