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あす、秩父宮ラグビー場で行われる第12回関東大学ラグビーオールスターゲーム。関東大学リーグ戦・対抗戦の精鋭たちが一堂に会するこの一戦に、東洋大からは最多の7選手に加え、福永監督、主務も名を連ねた。
ラグビーの聖地で行われる“選抜の舞台”。その中で存在感を放つ鉄紺勢とはどんな選手たちなのか──。日頃から彼らを追う「スポトウ」記者が、それぞれの魅力と注目ポイントを紹介する。
◇小泉柊人(済4=目黒学院)
東洋のスクラムを最前列の中央から支える、不動の2番。2年次から全試合に先発し、その安定感と信頼度は抜群だ。
昨季はリーグ戦のトライ王に輝き、その決定力は折り紙付き。モールで押し切ったトライだけでなく、冴えた判断で抜け出して仕留めるプレーも多く、トライシーンには常にその姿がある。
チームの“核”として機能しながら、自ら仕掛けて仕留める勝負強さ──。選抜の舞台でも、チャンスへの嗅覚で爪痕を残す。
◇栗原大地(総4=伊勢崎興陽)
高校時代は無名だったが、地道に力をつけ、いまや東洋大にとって欠かせない存在に。さらにはU23日本代表にも選出され、その名は全国に知れ渡った。
ポジションはLO。ラインアウトでの空中戦はもちろん、力強いゲインも魅力だ。接点で前に出る推進力が、チームに勢いをもたらす。その存在感で、選抜の舞台でも輝きを見せる。
◇ステファン・ヴァハフォラウ(総4=札幌山の手)
高校時代には高校日本代表候補にも名を連ねた逸材。2年時はけがに泣いたが、現在は持ち前のパワーを武器に活躍を見せている。
もともとはBKとしてプレーしていたが、2年時でFWに転向。今春はFLとして、力強いキャリーや激しい接点が光った。
最終学年となる今年度は、主将としてチームを束ねる存在。厚い人望とリーダーシップ、そしてプレーで体現する責任感──。関東の精鋭が集う選抜の舞台でも、その存在感は一際大きい。
◇森山海宇オスティン(総4=目黒学院)
U23日本代表に名を連ねる実力者は、熱い闘志をプレーにぶつける。
好タックルで相手の前進を止め、力強いボールキャリーで流れを引き寄せるプレースタイルが魅力。
芯のあるプレーはもちろん、人柄の良さも魅力のひとつ。
誰よりもラグビーに熱く、仲間への思いやりも忘れない“闘将”が、選抜の舞台でも全力をぶつける。
◇アダム・タマティ(総4=Sacred Heart College)
昨秋から公式戦の先発に定着し、そこから一気に存在感を高めてきたタマティ。
圧倒的なフィジカルと鋭いステップで、相手ディフェンスに風穴を開ける突破型センターだ。
今季は出場時間が多くはなかったが、主力としての存在感は変わらない。
リーグ選抜として挑む今試合。“決戦の主役”が、特別な一戦で大暴れする。
◇中山二千翔(総2=日本航空石川)
チーム最速の漢。ルーキーイヤーだった昨年は2度のけがにより、出場機会は限られたが、けがの期間に積み上げた地道な体づくりや生活習慣の徹底が今に生きている。
今季は春季交流大会で全試合にフル出場。て帝京大戦では後半だけで2本のラインブレイクを披露するなど、強敵相手でも引けを取らないプレーでチームの核となっている。
明日は、そのスピードと勝負強さを聖地で示す。
◇ジュアン・ウーストハイゼン(総4=Helpmekaar College)
身長212cmという規格外のサイズを誇るLOで、ひとたび跳べば、ラインアウトではまさに“空の支配者”。
相手を圧倒する高さでボールを奪い、空中戦では常に脅威となる存在である。
今季は出場機会こそ多くはなかったが、過去にも選抜メンバーに名を連ねており、その実力はすでに証明済みだ。
選抜の舞台でも、その規格外のスケールで圧倒的なプレーを見せるに違いない。
選ばれたのは、選手だけではない。リーグ戦選抜の指揮を執るのは、福永昇三監督。さらに、主務には平田魁生(済4=川越東)が選出された。
ラグビーの聖地・秩父宮で行われる特別な一戦。
いつもはライバルとして火花を散らす者たちが、この日ばかりは同じジャージーに袖を通し、ともに戦う。
大学の垣根を越えて集まったリーグ戦選抜が、どんなプレーを見せてくれるのか。
個々の力と連係の妙をぶつけ合い、リーグ戦の底力を示したい。
TEXT=北川未藍