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明日、ついに真の日本一を決める戦いが幕を開ける。
2025世界陸上——舞台は東京。
その日本代表を懸け、3日間にわたり日本選手権が開催される。
東洋大からは、12名の鉄紺スプリンターたちが出場。2か月後に世界陸上が行われる国立の地を、駆ける。
パリ五輪代表の小川(左)と栁田大
100m
男子100mには、栁田大輝(文4=農大二) 、城崎滉青(理4=小倉工) 、成島陽紀(ラ4=東洋大牛久) の3名がエントリー。
なかでも代表内定有力と目されるのは栁田大輝。今季、関東インカレやセイコーゴールデングランプリ、アジア選手権を制覇し、追い風参考記録では9秒95もマーク。磨きがかかったその実力を発揮している。
昨年、わずか0.005秒差で逃した五輪への切符。大学ラストイヤーとなる今年こそ、悲願の日本選手権優勝、そして世界への挑戦権を——。東洋大の名を国立にとどろかせてほしい。
参加標準記録である10秒00を突破し、3位以内に入れば内定。参加標準記録を突破できなければ選考にまわり、8月27日に確定される。
同じく4年生の成島は準決勝進出と10秒26の自己ベスト更新を掲げ、スタートラインへ。これまで三段跳で名を馳せてきた城崎も、今年は100mで勝負する。
左から栁田大、城崎、成島
400m
男子400mには、平川慧(スポ2=コザ) 、白畑健太郎(法2=米沢中央) 、山﨑琉惟(スポ3=洛南)、大石亮太(法1=浜松開誠館) の4名が出場する。
5月初旬に45秒28をたたき出した平川は、資格記録4位。有力選手らが集うこの大会で決勝進出、そして4×400mリレーでの代表を狙う。
昨年、U20 日本選手権で表彰台に上がり、世界選手権を経験した白畑と大石亮も、今年はシニアの舞台へ。さらに今季成長を遂げる山﨑も加え、400mブロックは4人で挑む。
山﨑、大石亮は予備予選から、平川、白畑は予選からの登場となる。
左から平川、白畑、山﨑、大石亮
400mH
男子400mHでは、小川大輝(ラ4=豊橋南) 、下田隼人(スポ2=豊川)、栁田聖人(法3=農大二) の東洋大400mH勢がそろって大一番へ向かう。
パリ五輪代表の小川は、再び世界の舞台に立つため、順調に歩みを進めている。5月の木南記念では48秒61の自己新で優勝し、参加標準記録の48秒50まで0.11秒に迫った。セイコーゴールデングランプリではともにパリ五輪に出場した豊田兼(トヨタ)に次ぐ、日本人2位に入り、日本インカレではしっかりと勝ち切り優勝を果たしている。
昨年のこの舞台で、パリ五輪の参加標準記録、48秒70ちょうどをマークし、代表内定を果たした小川。持ち前の勝負強さで今年も世界への挑戦権を手繰り寄せる。
U20日本記録保持者の下田、安定した走りが光る栁田聖も、日本のトップと渡り合う準備はできている。全員が決勝に残った日本インカレに続き、再び東洋大400mH勢の強さの証明へ。
左から栁田聖人、小川、下田
走幅跳、三段跳
フィールド種目では、男子走幅跳に藤原孝輝(総M1=洛南) 、男子三段跳に宮尾真仁(法3=洛南) が挑む。
大学4年間はけがに苦しみ、この春から大学院に進んだ藤原は5月の国際大会で8m03を記録。約1年半ぶりの8m越えを果たし、復活を印象づけた。参加標準記録は8m27。勢いそのままに、世界への扉をこじ開ける。
三段跳の宮尾も、狙うは世界陸上代表だ。参加標準記録は17m22だが、突破者がいなかった場合の開催国枠として、16m67が設定されている。「最低限、優勝」。力強く語ったその覚悟が、宮尾を世界へ近づける。
藤原(左)と宮尾
いよいよ始まる日本一を懸けた戦い。鉄紺のプライドを胸に、数々の重圧に打ち勝ってきた彼らが、大一番に挑む。
この日のために重ねてきた努力が、報われる3日間へ。
世界への挑戦権を、その手で。
TEXT=近藤結希
《日本選手権エントリー》
男子100m予選 栁田 大輝
城崎 滉青
成島 陽紀
男子400m 平川 慧
白畑 健太郎
山﨑 琉惟
大石 亮太
男子400mH 小川 大輝
栁田 聖人
下田 隼人
男子走幅跳 藤原孝輝
男子三段跳 宮尾真仁