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2025.07.29
サッカー

[男子サッカー]またもやジャイアントキル!大学勢史上初のJ1相手に連破!

JFA天皇杯第105回全日本サッカー選手権大会 第3回戦 東洋大VS アルビレックス新潟

7月16日(水) デンカビッグスワン


◯東洋大2-1アルビレックス新潟

 

《得点者》(アシスト)

47分 村上 力己(山之内 佑成)


57分 湯之前 匡央


▽GK


磐井 稜真(国2=東京Vユース)

▽DF


荒井 凉(国4=日本大藤沢)

岡部 タリクカナイ颯斗(国1=市立船橋)

福原 陽向(国4=鹿島Y)

山之内 佑成(国4=JFAアカデミー)



▽MF


田制 裕作(国4=柏U-18)

鍋島 暖歩(国4=長崎U-18)→86分 大橋 斗唯(国3=柏Uー18)

湯之前 匡央(国4=柏U-18)→ 73分 仲野 隼人(国4=三菱浦和SC) 

宮本 新(経2=横浜FC) → 72分 相澤 亮太(国4=大宮U18)


▽FW


村上 力己(国4=尚志)→ 72分 依田 悠希(国3=三菱養和SCユース )

髙橋 輝(国3=大宮U18)


※掲載が遅れてしまい申し訳ありません。

 

 7月20日、アルビレックス新潟の本拠地であるデンカビッグスワンスタジアムにて、JFA天皇杯第105回全日本サッカー選手権大会(以下、天皇杯)第3回戦が行われた。前半は東洋の猛攻でFW村上力己が貴重な先制点を挙げたが、後半開始早々に同点を許してしまう。それでも迎えた56分、MF湯之前が相手の連携ミスを見逃さず、左足でシュートを放ち2点目を決めた。その後も新潟の攻勢に何度も耐え抜き、ついに試合終了のホイッスルが響くと、東洋の勝利が告げられた。

 前戦に続き、同じくJ1のアルビレックス新潟と対戦。昨年度卒業した稲村隼翔選手(R7年国卒=セルティックFC・スコットランド)の前所属クラブでもあり、東洋にとっても縁の深い相手であった。


 前回の会場は黄色一色だったが、今回は橙色の空気がスタジアム中を包んでいた。新潟のゴール裏には多くのフラッグが立ち、大勢の声援が会場を響かせていた。だが、そんな中でも東洋の選手陣は全く怯(おび)える様子はなかった。むしろ柏レイソル戦で勝利した“経験”を自信に変えたからこそ、思う存分に闘えるという目つきをしていた。


 両チームの闘志が燃え上がるような緊張感の中、試合開始の合図が響く。試合開始6分、いきなりピンチを迎える。相手MFが中へのパスをカットし、そのまま自陣ペナルティエリア付近まで侵入してシュートを放ったが、GK磐井が冷静にはじいた。プロの強烈なシュートに対しても安定した守りを見せるのが磐井の強みであり、そのプレーが東洋大の選手たちを前向きにさせた。

 16分、FW高橋(輝)が左サイドから自力でドリブルし、ゴール右隅を狙ったが惜しくも枠外へ。攻撃の主導権を握り続けた東洋は、アディショナルタイム2分についに試合を動かす。MF鍋島が左サイド深くにいたDF山之内へロングパス。近くに相手DFがいたが、MF宮本がカバーしたおかげで山之内はフリーの状態に。そこから逆サイドを走り込んだFW村上へ鋭いパスを送り、ゴールに流し込んだ。

 1-0で、シュート数も東洋が3本上回るという幸先の良い展開でハーフタイムを迎える。J1相手に先制点を挙げた村上は「相手にフリーの状態で蹴らせないように制限をかけるというのは試合前から狙っていたことなので、それが前半から活かせた」と振り返った。

力強いストライカー村上

 ゴールを決めた直後(左)村上(右)髙橋輝


 続く後半は新潟が2人の選手を投入し攻勢を仕掛ける。東洋大は応戦したが、ここで痛恨の失点を喫する。しかし直後に訪れたチャンスを湯之前がものにした。試合序盤の失点を「新潟の勢いに変わった」と振り返った湯之前が魅せた。相手DFの背後に抜けたボールを受けた湯之前は、相手のミスを見逃さず前へ進む。カバーに入ったGKをもかわし、持ち前の左足で豪快なシュートを突き刺すと、東洋大スタンドへ駆け込み感情のままに雄叫びを上げた。ベンチからも選手が駆け寄り、会場のボルテージは一気に最高潮へ。まさにスタンドが揺れた瞬間だった。

 シュート直前の湯之前

 雄叫びを上げ感情を露わに


 その後は新潟の波状攻撃が続いたが、DF陣とGK磐井の集中した守備で最後までゴールを許さず。ついに試合終了の笛が鳴ると、選手たちは抱き合って勝利を喜び合い、スタンドも歓喜に揺れた。

 スタンドの仲間と盛り上がる

(左)村上(右)湯之前


 次戦、第4回戦の相手は昨年度天皇杯優勝のヴィッセル神戸だ。天皇杯ベスト8を懸けた試合、しかも昨年度王者が相手という、誰もが予想しなかった舞台に立つ。だが、ここまで快進撃を見せてきた東洋大。逆境に負けず、高いモチベーションで臨めるに違いない。これまで以上に泥臭く、それでもゴールに一直線で走り、最後まで勝利をつかみに行く熱い姿を見せてくれるだろう。

 果たしてノエビアスタジアム神戸の地に、再び東洋旋風を巻き起こせるか。東洋大の活躍に目を離すな。


TEXT=北村友樹、森花菜 

PHOTO=森花菜


◼️コメント

・湯之前 匡央


ーーゴールシーン振り返って

ロングボールが荒井選手に行って、荒井選手はヘディングは強いっていう風に思っていて、彼がそらすっていうことは想定してました。相手の背後にボールが抜けて、後ろ向きになったっていうところに対してはプレッシャーを強く行こうっていう風にはチームの中で共有してるので、そこで相手の選手のミスもあってゴールに繋げられたのかなと思います。

本当に自分自身だけの力じゃないというか、チームの思いが詰まった、運もあったゴールかなっていう風に思います。


ーー貴重なゴールだったが

本当に失点してからこのスタジアム自体も、新潟の勢いに変わったなって風に自分たちは思っていて。もしかしたらやばいんじゃないかっていう風に思ってたんですけど、本当に神様が味方してくれたっていう風に感じます。


ーー対策などはあったか

本当に新潟はボールを大事にするっていう風に事前のスカウティングからチーム全体で共有してましたし、それに対して、レイソル戦もそうでしたけど、我慢強くどこまで戦えるかっていうところを意識してたので、それがうまくハマったかなっていう風に思います。


ーー稲村選手からの刺激だったり、後輩として受けてる部分は

大学3年次からプロでやって、1年目で海外っていうのはすごいです。ただ尊敬してるだけじゃなくて、自分たちもそれに追いつかないといけないですし、追い抜かないといけない存在なので、すごい良い刺激になってます。


ーー自分自身の、アピールっていうところのステージも上がってきていると思うが

自分のアピールももちろんそうですけど、チームに対して自分が何ができるのかっていう風を大事にしたいと思いましたし、常にチャレンジャーの気持ちを持って次を目指めたらなっていう風に思います。


ーー次戦の神戸でイメージすることは

本当にすごいメンバーがいるっていう風に思ってますし、それに対して自分たちがどこまでできるのかっていうのもまた楽しみな試合だなっていう風に思います。


ーー今日の遠くから本当に大学のサポーターのみんなに何か今言いたいことありますか?

こんな遠くまで来てくれて、あれだけ本当に自分たちの力に繋がる応援をしてくれて、本当に感謝の気持ちしかないです。


ーー東洋大の応援はプレーの中でどんな存在になれましたか

きつい時に、スタンドを見ようっていう風には、チーム全体で共有してますし、そうやってスタンドを見た時に懸命に本当に力になる声援を送ってくれてるので、パワーになりました。



・村上 力己

ーー前半から相手にプレッシャーかけに行くプレーがあったと思いますが、試合前はそういった気持ちで臨めたか。

新潟は後ろでも繋いでくるチームなんで、前線からプレスかけて行こうっていう狙いがあった中で、相手にフリーな状態で蹴らせないように、どんどん制限をかけてっていうのは、試合前からやってたことなんで、それが前半うまくいったのかなと思います。


ーーこれで柏に続いて2勝で、J1全部上がって行きました。

試合前にJ1相手を2回倒せたチームはないというそれがしっかり意思を見出せたのが嬉しいって気持ちと。

次のJの相手なんで、しっかり準備して戦いたいと思います。


ーー次雑に向けて

中学校とか代表で見てた選手も多いので、そういう選手たちとやれるのは大変嬉しいですし、憧れだったので、次戦う相手として頑張りたいと思います。



✴︎次戦予告✴︎

天皇杯第4回戦

8月6日(水)

東洋大vsヴィッセル神戸ノエビアスタジアム

19:00キックオフ!