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2025.08.19
ラグビー

[ラグビー] 「ヒーローになれるチャンスだ」主力だけじゃない、Cチームが見せた挑戦心/練習試合・東大戦

〇東洋大C 84{62ー0、22-10}10 東大





番号

Pos.

名前

1

PR

松下勇次郎(済4=筑紫)

2

HO

黒須楓(総3=St Bede's College)

3

PR

植松進之輔(総3=昌平)

4

LO

アルメイダ聖(総1=日本航空石川)

5


山口英之介(総2=熊谷)

6

FL

山本圭吾(スポ3=東海大相模)

7


バレンタイン・ジョー(総2=高鍋)

8

NO8

日髙創太(総3=筑紫)

9

SH

荒木好摩(総1=関商工)

10

SO

石掛諒眞(スポ1=目黒学院)

11

WTB 

小菅優斗(総1= 北越)

12

CTB

菅瑞揮(スポ3=目黒学院)

13


 松嶋礼(総3=北越)

14

WTB

ルナ仁鼓(総2=熊谷)

15

FB

藤春大悟(スポ2=青森山田)

16

Re.

宗形神羽(済4=目黒学院)



新井靖憲(スポ1=深谷)

18


渡邊裕太(総4=開志国際)

19


フープススティーブン武蔵(総3=開志国際)

20


各務陽向(スポ1=関商工)

21


佐々木健人(総4=札幌山の手)

22


高田哲也(総1=東福岡)

23


平田魁生(済4=川越東)

24
小澤壱颯(済4=関商工)
25
井戸川ラトレル(総1=国学院栃木)
26
真鍋逸平(総1=御所)




 「ヒーローになれるチャンスだ」。試合前、FWリーダーを務めた松下がこう口にした。


 19日、81番グラウンドで行われた東大との練習試合。東洋大からはCチームのメンバーが出場した。


 一見すれば序列下位の戦いかもしれない。しかし、この一戦は“出場機会”にとどまらない。上のチームへ食い込むための、まさに自分を示す舞台だった。



 立ち上がりから勢いを見せたのは東洋大だ。開始2分、敵陣深くでモールを展開すると、そのまま黒須がトライ。


 このプレーを皮切りに、東洋大がトライを量産していく。


 7分、小菅が自陣から大きくゲインして敵陣に迫ると、相手のペナルティによりインゴール近くでのラインアウト。そこからモールを展開してトライを挙げる。10分にも敵陣でラインアウトを展開すると、スピード感のあるパスワークで進んでいき、ルナが仕留めた。13分には小菅が相手を置きざりにしてトライを挙げるなど、前半だけで62-0。大幅リードでハーフタイムに突入した。


トライ後、笑顔を見せる松嶋


 後半は相手の粘り強いプレーに苦戦したが、東洋大が点差を広げる。8分、松嶋がタックルを受けながらも押し切ってボールをインゴールにたたきつける。11分、15分にもスティーブンと小菅がそれぞれトライ。終盤には、東大の粘り強いプレーで2トライを奪われたが、最終的に84-10で快勝した。



 後半は反撃に苦しめられながらも、快勝した今試合。ゲームキャプテンを任されたのは1年生の石掛だった。普段はセンターを主戦場とするが、この日は大学に入って初めてスタンドオフに挑戦。「久々のSOで慣れないことも多かったですが、前半は東洋らしいアタックの形が出せた」と振り返る。


 さらに「普段と違うポジションでも、自分から仕掛けて展開できた。ここから経験を積んで、よりSOらしい選手になっていきたい」と手応えも口にした。


ゲームキャプテンを務めた石掛


 松下の挑戦心あふれる発言も大きかった。


 前日の筑波大との練習試合後には、「『流れを変えられる選手がいない』と言われました。カテゴリー関係なく、自分たちにもヒーローになれるチャンスはあると伝えたかった」と語るように、試合前にかけた言葉は仲間を鼓舞し、結果へと結びつけた。


 大学ラストシーズンとなる秋に向け、松下はこう言葉を残す。


 「一試合一試合が最後。大切にしてチャンスをつかめるように頑張っていきたいです」


 

 華やかな舞台に立ち、注目を浴びるのは主力とされる選手たちだ。しかし、その陰で下位カテゴリーからも、自らを示そうと挑み続ける選手たちがいる。その一人ひとりの雄姿にも、しっかりと目を向けてほしい。



◇石掛諒眞

ーー春シーズンを振り返って 

今日は大学に入ってスタンドオフを初めてやらせていただき、ゲームキャプテンも務めさせていただきました。まず相手が東京大学さんということで、コリジョンは自分たちの方が勝っているということが分かっていたので、しっかりモメンタムを作って展開していこうという風に最初は話し合っていました。

前半は、そういったところが良くて、前半の終盤からしっかり一人一人から個人技だったりとかアタックという風に、形ができてきていたので良かったです。

後半に入ってから、最初の流れが悪くなってしまっていて、そこから立て直すのが難しい状況になってしまい、ズルズル引きずったまま終わってしまったという印象が今回の試合であったので、前半良かった分、後半の悪かったところを直して、しっかりつないでやっていくというところをもう少し意識して、チームとしてもそこを高めてやっていきたいなと思います。 


ーーゲームキャプテンとして意識したこと 

色々と展開を早くしたりとか、周りを見てゲーム展開していこうと思ったんですけど、久々のスタンドオフで、しかも今回初めてのゲームキャプテンだったので、慣れないことが多かったです。この後しっかり動画を見て反省して次につなげられたらいいと思います。 


ーー春シーズンでの手応え

 手応えのところは、思ったよりも自分から仕掛けて展開したりとか。普段センターなんですけど、ポジションが変わっても東洋らしいアタックっていうのが少し形になってきているなという風に思ったので、しっかりまたここから経験値を上げて、よりスタンドオフらしい人間なれるように頑張りたいなと思います。


 ーーゲームキャプテンの視点から、全体を評価できるところ 

良かったところで言うと、コリジョンで勝った時に外まで展開できたりとか、一人一人が声を出してラグビーをできたのは良かったなと思いました。悪かったところで言うと、一つ一つの動き出し、インプレーじゃない時での動き出しとかが悪かったり、まだチームとして一丸になれてないなと感じられました。 


ーー今後の試合に向けての意気込み 

これからスタンドオフとしてやっていくと思うので、今回の合宿で、何でもいいのでしっかり手応えをつかんで今後の成長につなげられたらいいなと思います。



◇松下勇次郎

ーーハドルで話していたことについて

機能の筑波大戦でスタッフ陣からうちのチームには流れを変えられるような選手がいないという言葉をいただいて、それを体現できるのがカテゴリー関係なくできると思うので、「ヒーローになれるチャンスだよ」と言ってみんなのやる気を高めたのと、チームとしていい流れを作りたかったのでそのような言葉をかけました。

(発言は)FWキャプテンを務めていたというのと、スタメンが4年生で自分だけだったので、自分が引っ張っていくべきだと感じていたので自分が中心になろうと考えていました。


ーーご自身の手ごたえは

東洋大学全体としてフォーカスしているセットプレーに関しては自分自身でもテーマにしていて、押せるところは押してディフェンスでもトライをさせないことがでたので、セットプレーのところは手ごたえがありました。


ーー課題になったところは

大幅ゲインした後のよりだったり、アンストラクチャー、もともと決められているサインプレーでないところでのプレーでもっとがつがつ自分からいけたらよかったのと思いました。


ーー大学ラストシーズンに向けて

組織としてチームに貢献できるようなプレー、タックルだったりセットレーだったり。自分に足りてると思える部分がないので、欲を出していきたいです。


ーー秋シーズンに向けた意気込みを

一試合一試合がラストなので、大切にしてチャンスをつかめるように頑張っていきたいです。


TEXT/PHOTO=北川未藍