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2025.09.05
ラグビー

[ラグビー] 先輩から後輩へ──栗原大地が示す“受け継がれる温かさ”


白幡(左)に笑いかける栗原



 「1年生の頃に何をすればいいかわからなかった時は、先輩からいつも気にかけてもらっていました。そんな先輩になりたいなと」


 U23日本代表の事後対談の際、栗原大地(総4=伊勢崎興陽)がそう語っていた。


 その理想を体現する姿を、実際に菅平合宿で目にすることができた。


 ラインアウトの練習中。1年生の白幡塁斗(総1=札幌山の手)が動きに戸惑う場面があった。その時に声をかけ続けていたのが栗原。速い動きに慣れない白幡を安心させるように笑顔で、最後まで気にかけていた。



 厳しい練習の場であっても、後輩への思いやりを忘れない姿。そこには、かつて自分が先輩からもらった温かさを後輩に返そうとする意志がにじんでいた。


 試合で目立つプレーだけが強さではない。仲間に声をかけ、支え合う姿勢こそが、チームを成長させる力になる。栗原の姿は、そのことを改めて教えてくれた。


 先輩から受け取った思いを、今度は後輩に返す──そんな循環が、東洋大の土台を確かに強くしている。



TEXT/PHOTO=北川未藍