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2015.10.30
硬式野球

[硬式野球] ヤクルト1位・原 指名あいさつ受け「実感湧いた」

10月30日(金) 東洋大学硬式野球部選手寮


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ヤクルト・真中満監督から『必然』と書かれた直筆メッセージを受け取った原


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3名のスカウト陣(左から橿淵スカウト、酒井スカウト、鳥原チーフスカウト)から指名あいさつを受けた



 22日のプロ野球ドラフト会議にて東京ヤクルトスワローズから1巡目指名された原(営4=東洋大姫路)が指名あいさつを受けた。埼玉県川越市にある選手寮にヤクルトの鳥原公二チーフスカウト、酒井圭一スカウト、橿淵聡スカウトがあいさつに訪れ、鳥原チーフスカウトは「1年目から戦力として、ローテーションに入ってもらいたい」と期待を込めた。


 夢舞台の訪れが刻一刻と迫ってきた。「当日は驚きしかなくて(プロ入りの)実感はなかったが、今日あいさつを受けて実感が湧いた」。強気なピッチングスタイルからすると意外なほど研究熱心。多くの投手や野球を見ては感心し模倣し、それを自分の糧としてきた原。テレビで見ていたプロ野球の世界は、『教材』から次なる戦いの場へと変わった。

 頼もしい味方を得た。前日ヤクルトの敗退が決まった日本シリーズも、全試合をテレビで観戦。今季「トリプルスリー」を達成しブレイクしたヤクルト・山田哲人内野手は、同じ関西出身で1つ年上の先輩にあたる。直接会話をしたことはないものの、高校2年時の夏大会前に行われた練習試合で一度対戦経験がある。当時履正社高3年の山田に対し1打席目は三振に仕留めたものの、2打席目に左翼へ特大の本塁打を打たれた。「130メートル以上向こうの林に消えていった。野球をやってきて一番飛ばされましたね」。日本シリーズでも史上初の1試合3連発を放った強打者。「本当に同じチームで良かった」と笑った。

 担当スカウトの酒井スカウトは、今秋リーグ戦・青学大との試合で見た吉田正尚(オリックス1位指名)との対戦をキーポイントに挙げた。「相手を見て、力の入れ方を変えていました」。大学日本代表の4番も務めたスラッガーを相手に初戦で本塁打を許すも、以降は全球厳しいコースを攻めポテンヒット1本に抑えた姿勢が評価された。

 飛び込む世界は、これまでより厳しい。「プロの先輩方は偉大なので、どこかで他の人にはないところを出していかないといけないと思う」。だが、そうした環境は原にとってむしろ好都合だ。「不安もあるが、やってやろうという気持ちの方が今は強いです」。大学入学時も上級生の投手にレベルの高さを感じながら、「負けたくない」という思いが勝った。「自分よりすごいと思う相手に向かっていく方が好き」なのだ。

 求められるのは即戦力だ。最後は日本シリーズでソフトバンクに敗れたヤクルト。シリーズ5試合で、先発投手が1人も5イニングを持たなかったのは大きな敗因だった。「ローテーションに1人加わることで、いい意味で変化をもたらしてほしい」と鳥原チーフスカウト。1年間、1部復帰を託されてきた右腕に、来年はセ・リーグ連覇の期待がかかる。


■コメント

・原(営4=東洋大姫路)

当日は驚きしかなくて(プロ入りの)実感はなかったが、今日あいさつを受けて実感が湧いた。これからの練習や試合の励みになった。シュートとコントロールは自分の武器。強打者にも強気で攻めていくスタイルは貫いていきたい。(ヤクルトは)投打ともに非常にレベルが高い。セ・リーグで優勝することは並大抵のことではない。来年は連覇の力になりたい。監督には石川(雅規)のような投手になりなさいと言われた。今でも第一線で主戦として活躍されている投手。自分も石川さんのように長きにわたって活躍できるようになりたい。

もう一段階レベルアップしないと、プロでは厳しいと思う。合同自主トレまでの期間は自分に厳しくやっていく。しっかりトレーニングを積んで、1年目からローテーションに入って活躍したい。


・ヤクルト・鳥原チーフスカウト

いい顔をしているし、力もある。いいところばかり。高校時代から理にかなったフォームでいい球を投げていた。そこへ加えて、腕の振りも早くなった。当然ローテーションに入ってくれると思っている。そうした意味では、いいドラフトだった。シリーズは先発投手の調子が悪かった。ローテーションに1人加わることで、いい意味で変化をもたらしてほしい。1年目から戦力としてやってもらう。


TEXT/PHOTO=浜浦日向