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2025.09.29
準硬式野球

[準硬式野球]投打が噛み合い、専修大に快勝!下級生の躍動と上級生の勝負強さで掴んだ価値ある白星/専修大1回戦

令和7年度 東都大学準硬式野球 秋季1部リーグ戦・専修大・第9回戦

9月24日(水)スリーボンドベースボールパーク上柚木

◯東洋大5ー2専修大


専修大

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0 

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0 

0 

2 

0 

0 

0 

2 

東洋大


二塁打:定直(八回)

金子ー黒岩


適時打を放った定直

完投勝利を収めた金子

何度もチャンスメイクした大久保

ハイタッチを交わす選手たち


  秋季1部リーグ戦も残すところあと2試合。スターティングメンバーを大きく入れ替え、1年生を5人起用しフレッシュなメンバーで試合に臨んだ。入れ替え戦が確定しており、そこに向けて何としても勝利を掴みたい東洋大は、初回に先制すると勢いそのまま四回と八回にも追加点を獲得。金子と黒岩の息のあったバッテリーと堅実な守備でリードを守り切り、見事に勝利を収めた。


 一回表。「初回の入りが大事」と語る金子(済3=福島商業)が、先発のマウンドに上がった。その言葉通り、金子は初回から気持ちの入った投球を見せる。先頭打者を三ゴロに打ち取ると、その後2者連続出塁を許したものの、空振り三振と二飛でスリーアウト。重要な初回をしっかりと抑えた。


 その裏。1番・竹本(健1=秋田)は一ゴロに倒れたが、今季初スタメンを掴んだ2番・大林(済1=興国)が、相手の失策から出塁した。続く大久保(生3=木更津総合)が放った打球も失策となり、その間に大林が生還。大久保は、果敢に三塁を狙いアウトになってしまったものの、1点を先制した。


 先制点を奪った東洋大は二回表、「点取った後集中しよう」と緊張感を持って守備に入る。先頭打者を三ゴロに、続く打者もファーストライナーに打ち取り2死。8番・尾崎(専修大)に左安打を許したものの、9番・狩野(専修大)を冷静に二ゴロに打ち取った。


 四回裏。追加点が欲しい東洋大は絶好のチャンスを迎える。先頭打者が四球を選び出塁すると、3番・大久保が中安打を放ち、無死一、二塁。このチャンスで打席が回ってきたのは、キャプテンの定直(法4=東福岡)だ。「追い込まれる前に勝負したい」という言葉の通り、見事に初球を捉え、中前適時打を放った。その後も定直が盗塁を成功させ、無死二、三塁とチャンスが続く。しかし、寺田(国1=都立日野)と大島(文2=富山第一)が打ち取られ2死となる。このまま攻撃を終わらせたくない東洋大は、1年生の黒岩(健1=前橋育英)が打席に立った。黒岩が放った打球は、完璧に捉えた当たりではなかったものの、「気持ちで抜けていった」とセンター前に抜けていった。中堅手の悪送球も絡み2人が生還し、2点追加。この回で東洋大は、大きな追加点である3点を手にした。


  六回表、東洋大がピンチを背負う。先頭打者こそ捕飛に打ち取ったものの、続く4番・井上(専修大)に中安打を許した。この場面で、「金子さんの特徴を掴めてきている」と語る捕手の黒岩が、「1つずつしっかりいこう」と金子に声をかける。その言葉に頷いた金子は、5番・田中(専修大)を左飛に打ち取り2死とした。しかし、踏ん張りきれず6番・高木(専修大)と7番・村上(専修大)に適時打を浴び、2点を失った。


 専修大を突き放したい東洋大は、八回裏の攻撃。2者連続で打ち取られ2死の場面、3番・大久保が左安打で出塁すると、四回に適時打を決めた定直が再び魅せる。右前二塁適時打を放ち、ダメ押しの1点を追加した。


 この回を抑えれば勝利が手に入る九回表。最後のマウンドにも金子が上がった。先頭打者を二ゴロに打ち取ると、続く打者も遊ゴロに抑え2死。ベンチからは、「落ち着いて」、「丁寧に」と声がかけられる。そして、8番・尾崎を二ゴロに打ち取りゲームセット。秋季リーグ戦初勝利を手にした。


 投打が噛み合い勝利した東洋大。そこには、「勝ったぞ!」と喜びの声を上げる選手たちの姿があった。完投した金子は、「その場面を楽しむ」という意識のもと、ピンチの場面でもたびたび笑顔を見せていた。また、黒岩の適時打や大林の粘り強い打席など、1年生の活躍はチームに勢いをもたらしただろう。一方で、玉田の堅実な守備や大久保、定直の勝負強い打撃など上級生の活躍も忘れてはならない。下級生も上級生もそれぞれが力を発揮し掴んだ勝利だ。入れ替え戦が確定しているが、そこに向けて「次も勝って流れを掴みたい」と選手たちは揃って口にする。この勝利を起爆剤にできるのか、選手たちの活躍に期待したい。



◾コメント

・大久保学生監督(生3=木更津総合)

ー今日の試合を振り返って

今まで言っていた先制点を初回に取ることができて、その後も点を取られる前に3点取ることができたのが1番の勝因だと思います。


ー打撃が好調のように見えたが

今まで専修大に勝っている試合は低い打球を打てていたので、試合前に低い打球を打っていこうという話をして試合に入って、それができたので良かったです。


ー今日のMVPを挙げるとしたら?

大林です。今季初スタメンで、相手の先発ピッチャーに30球投げさせるというのはなかなかなくて、疲れさせた後に点を取ることができたので、今日は大林がやってくれたかなと思います。


ー次戦に向けて

入れ替え戦は決まったんですけど、勝てるところは全部勝ちにいって勝ち癖をつけていきたいので、次の試合も勝ちます。


・定直(法4=東福岡)

ー今日の試合を振り返って

ずっと連敗続きで、自分自身チームの足を引っ張っているという自覚はあったので、何とか今日挽回しようと思って試合に臨みました。


ーチャンスで打席が回ってきてタイムリーを放ったが、何を意識していたのか

あまりチャンスで自分が返すという気持ちはなくて、追い込まれる前に勝負しにいきたいと思って打席に入って、捉えられたので良かったです。


ー打順が変わって意識の変化はあったのか

4番の方がチャンスで回ってくる回数は多いと思っていたので、その心の準備だけして、あとは意識は変えずにいきました。


ー次戦に向けて

自分自身最後のリーグ戦と入れ替え戦になるので、なんとか意地を見せて活躍できるように頑張ります。


・金子(済3=福島商業)

ーどのような気持ちで先発に臨んだのか

8連敗していて、負け癖がついていたのでここで1回勝たないと次の入れ替え戦に向けていい形で迎えられないと思ったので、勝ち切るという気持ちで挑みました。


ー初回から気合が入っているように見えたが

初回の入りがめちゃくちゃ大事で、3人で抑えていい形で攻撃に繋げられるようにと思ってピッチングしていました。


ーピンチの場面でも笑顔が見えていたが、意識してのことだったのか

ピンチで自分が切羽詰まってしまったらコントロールにも影響が生じてくるので、そこでちゃんとその場面を楽しむということを意識して投げていました。


ー最初から完投するつもりだったのか 

はい、そのつもりでした。


ー次戦に向けて

来春、全国に行くためにも1部残留していい形で秋リーグを締めくくるということが大事なので、しっかりと来春に繋がるように試合を進めていきたいと思います。


・黒岩(健1=前橋育英)

ーチャンスで打席が回ってきた際、何を意識して打席に立ったのか

今まで打てていなくて結果が出せていなかったので、久しぶりにチャンスで打席が回ってきて、1打席目真っ直ぐや変化球にしっかり対応できていて、冷静に力入れずに振り切って、最後まっすぐでいい当たりではなかったんですけど、気持ちで抜けていって良かったと思います。


ー金子投手とのバッテリーで意識していたことは

結構普段から金子さんとはコミュニケーションを取っているので、金子さんの特徴などを掴めてきているので、ピンチの時こそ力を入れずにリラックス、いつも通り投げてということを声だったりで表現して伝えました。


ー次戦に向けて

入れ替え戦が決まってはいるんですけど、2部の1位は1部にいくぞという気持ちで来ると思うので、絶対に負けられないので、まずは次の試合絶対に勝っていい流れで入れ替え戦に臨めるように頑張りたいと思います。


・大林(済1=興国)

ー粘り強い打席が多かったが

自分の次が(大久保)達希さんや定直さんといういいバッターなので、僕が(塁に)出るのが大事だなと思っていたので、なんとしても出塁しようと思っていました。


ー何を意識して初スタメンに臨んだのか

すごい緊張していたのですが、ずっと負けてて今日は絶対勝たなければいけないと思っていたので、楽しんでやろうと思っていました。


ー次戦に向けて

入れ替え戦が決まっているので、それに向けていい流れでいけるように絶対勝ちたいと思います。


Text=佐藤結芽(写真提供:東洋大学準硬式野球部様)