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10月に入っているというのに毎日汗をかいている森です。掲載が遅れてしまったのですが、本日コラムを投稿いたします。
今年とある挑戦をしました。
それは、小学生の頃から好きだったアーティストのライブに初めて足を運んだことです。
GLIM SPANKYという女性ボーカルと男性ギターの2人で構成されたのロックユニットで、
唯一無二の声を持つボーカルに惹かれたのがきっかけです有名な『ONE PIECE FILM GOLD』の主題歌を担当してからずっとどハマりしています。
そんな彼らの歌に、高校生の時から好きなフレーズがあります。
『大人になったら』
〜
こんなロックは知らない 要らない
聴かない君が
上手に世間を渡っていくけど
聴こえているかい この世の全ては
大人になったら解るのかい
〜
これはボーカル松尾レミさんが大学3年生に書いた歌です。周りの就活での話や夢を諦めた友人の話などが上がる人生の岐路に立つ時期に、1人だけ音楽で食っていこうと決めた書いた歌だそうです。
この歌詞を書いたレミさんは、雑誌でこんなことを話していました。
この曲は2013年、私が大学3年生の時に産まれた。
地元のある友達は、大企業に就職内定したとのことで、ひたすら年収の自慢話、
東京のある友達は、絵本作家を目指したり、芸術家になりたいけれど親に反対されたりと、
みんながそれぞれ人生の岐路にいた。わたしは、音楽でやろうと決めていた。
ある夜、下北沢でライブがあり、終電も逃し始発待ちをしていた時のこと。
隣には同じく、ライブ帰りであろうギターを背負った汚いお兄さんが居た。
自分よりも相当年上だろうその汚いお兄さんの瞳の奥はとても美しく、
まわりの若者よりも希望に満ちあふれていた。この瞳を見た時に、
世間に揉まれても汚い社会を知っても歳を取っても、好きなモノは好きで綺麗なものは綺麗と思える人でありたい、と思った。
「音楽なんてくだらない事やっても無駄だから辞めちまえ。どうせ叶わない夢なんだから。」と、私に言った奴が居る。
あいつはきっと、ステージから見えるお客さんの、心を剥き出しにした表情や、力む拳を見た事がない。
真面目に会社勤めをしているサラリーマンが、夜中はライブハウスで暴れていることなんて知らない。
そして絵本出版が決まった友達のことも、始発を待つあのお兄さんが実は有名なプロミュージシャンだという事も知らない。
それなのに、あたかもこの世の全てが解っている様な口を叩いた。わたしは悔しかった。
でも、絶対にあいつも昔は輝く瞳を持っていたはず。もしや、その輝きを、まだ心の中にそーっと隠し持っているかもしれない。
瞳が濁ったふりをしているのかもしれない。
そんな人たちがたくさんいると思うから、少しだけでもその輝きを取り戻せるような歌を、私は唄いたい。
大人になったら解ることって、何ですか?
大人になって見えなくなってしまったことって、ありますか?
大人になるってどういうことでしょうか?
私は、まだ解りません。
58歳のパパも、まだ解らないそうです。
GLIM SPANKYのおふたりです。最近ベストアルバム出しました。もちろん買いました!
私はちょっと疲れてしまったとき、必ずこの歌を聴きレミさんの言葉を思い出します。
これを聞くと少し背中を押されて、自分がやりたいと思ったこと、自分が好きと思ったことはまっすぐ持っていられるようになりたいと、改めて思います。
てもそれをずっと表に立ってできる人は、なかなかいない。みんな我慢したり隠したりして、社会を生き抜くために大人を演じているんだ思います。
21歳になって何度か大人のふりをしたことがありました。物分かりいいふりして、周りの目を気にして話すようになり、"社会のルール"というものも学んだこともあります。
だから少しだけ、楽しいと思える瞬間とか涙がでるほど笑うとかが少なくなりました。
レミさんで言う、目の輝きが失われてるんだと思います。
でもそれも人生で必要だと思う。
綺麗事だけでは過ごせていけないから。
私も当時この言葉を考えたレミさんと同じ大学3年生になりました。別に人と違う人生を歩みたいとか特殊なことを思ったりもしてないです。
だけど、毎日しんどいなとか疲れたな、の中にささやかな幸せと最高の楽しみを持っていられる、そんな大人にはなりたいと思います。
人と違う、人には理解されない趣味でも、自分の心の健康を守ってくれるような大切なものは、どんな形であれずっと持ち続けていたいです。
好きなアーティストのライブに行って、目の輝きを取り戻す。ご褒美のお菓子を食べる。新しいメイクを楽しむ。たまに奮発して贅沢をする。
ささやかな幸せと最高の楽しみってそんな感じでいいんじゃないかなって思います。それこそが、生きがいにつながるんだと。
私は今日、ある友達とお疲れ様会としてラーメンを食べに行く約束をしました。
皆様も忙しいことに囚われすぎず、日々にもう少し力を抜いて。それぞれの人生、自分なりに楽しんで生きましょう。
私の吐き出しを最後まで読んでいただきありがとうございました。この歌はマイナスに見えて、実は前向きな歌でもあります。ぜひ思うままに聴いてみてください。