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関東大学リーグ戦第2節・関学大戦
〇東洋大 38{24ー12、14-19}31 関学大
| Pos. | 名前 |
1 | PR | 山下源也(総2=熊本工) |
2 | HO | 小泉柊人(済4=目黒学院) |
3 | PR | 岡田恭和(スポ2=脇町) |
4 | LO | 山岡快翔(総3=関商工) |
5 | 栗原大地(総4=伊勢崎興陽) | |
6 | FL | 山本圭悟(スポ3=東海大相模) |
7 | 森山海宇オスティン(総4=目黒学院) | |
8 | NO8 | ステファン・ヴァハフォラウ(総4=札幌山の手) |
9 | SH | 生田旭(総2=国学院栃木) |
10 | SO | 林星安(総4=目黒学院) |
11 | WTB | 中山二千翔(総2=日本航空石川) |
12 | CTB | 天羽進亮(済4=城東) |
13 | アダム・タマティ(総4SacredHeartCollege) | |
14 | WTB | 浅尾至音(スポ3=城東) |
15 | FB | 池渕紅志郎(総2=城東) |
16 | Re. | 島田晃誠(総4=松山) |
黒須楓(総3=St Bede's) | ||
18 | 酒井慶(4=流経大柏) | |
19 | ナモア・ファタフェヒ(総3=桐生第一) | |
20 | 植田宗優(済4=筑紫) | |
21 | 佐々木健人(総4=札幌山の手) | |
22 | 小澤壱颯(総4=関商工) | |
23 | 梅木颯斗(総2=黒沢尻工) |
鉄紺の執念で1トライ差を守り抜いた。28日、八王子上柚木公園陸上競技場で関東大学リーグ戦第2節が行われ、ともに開幕節を白星で飾った東洋大学と関東学院大学の一戦。終盤までもつれる激戦を東洋大が制した。
今節、POMを獲得した小泉
風が強く吹く中、東洋大ボールでキックオフした。先手を打ったのは関東学院大。立ち上がりから自陣でのプレーが続く中、9分にディフェンスのギャップを突かれて先制を許す。
追いかける展開になるも反撃ののろしはすぐに上がった。13分、敵陣でのラインアウトからパスを回していき、FB(フルバック)池渕紅志郎(2年)がゲイン。ライン際にいたWTB(ウイング)中山二千翔(2年)にボールを送り、さらに押し込んで最後はFL(フランカー)山本圭悟(3年)が左中間に仕留めた。
7ー7で試合はふり出しに。19分、敵陣10メートルライン付近での池渕のゲインを起点にリズミカルなパスを展開。山本がゴールライン手前までボールを運ぶも、相手のタックルでタッチを割り絶好のチャンスを逃す。
インゴールに駆け込む山本
それでもなお、東洋大は攻撃の手を緩めなかった。「相手の動きを見ながら空いているところに運べるようなプレーをいくつか準備していた(ステファン・ヴァハフォラウ)」という東洋大は22分。22メートルライン付近でのマイボールラインアウトで、手前にスローイング。小泉がその後ろに回り込み、ギャップをついてインゴールまで運んだ。
その後は自陣でプレーする場面もあったが、中山のキックで脱出し、グラウンド中央へ。28分、マイボールラインアウトから素早いパスを展開し、ライン際にいたWTB(ウイング)浅尾至音(3年)が激走。タックルを受けながらもダイビングして19ー7とする。
36分にはディフェンスの壁を崩され、インゴールを割られてしまうが、前半終了間際の41分にラインアウトモールで小泉が取り返して24ー12。前半が終了した。
爆走する浅尾
ハーフタイムがあけた後半は、相手の猛攻に苦しめられる40分間となった。3分、自陣での相手のモールに対抗しきれず、1トライ差に縮められる。
16分には東洋大が敵陣でトライをめがけている最中に相手の不当なプレーにより関東学院大にイエローカード。ペナルティトライで東洋大に7点が積まれる。
その後は相手が14人と東洋大が有利な状況下でプレーを再開するも、自陣での戦いを強いられた。21分、関東学院大がトライ。再び1トライ差に迫られる。苦しい時間が続く中、34分に東洋大がチャンスをつかむ。
自陣から中山がゲインすると、きわどいパスがつながり、33分から途中出場したWTB(ウイング)梅木颯斗(2年)が抜け出して豪快に滑り込む。
試合はロスタイムに突入した。リードを死守したい東洋大だが、ここで痛い失点を喫する。41分、ロングパスを奪取され独走トライを許し1トライ差に詰め寄られた。
会場に緊張が走る中、東洋大は集中を切らさず、必死のディフェンスで最後の猛攻をしのぎ切る。そしてボールを場外へ蹴り出し、ついにノーサイド。鉄紺の執念で、薄氷の勝利をもぎ取った。
インゴールに滑り込む梅木
まとわりつくようなディフェンスに苦戦しながらも1トライ差を守り抜いた東洋大。POMを獲得した小泉は「ディフェンスに力を入れてきたので、苦しい状況でもチームの底力で守りきることができた」と勝因を振り返る。
スコア上では辛勝となったが、そこに力を発揮できなかったという後ろ向きな意味はあまりない。むしろ、関東学院大の勢いと成長を感じさせられる試合だった。その中で東洋大は相手の圧力を受けながらも勝ち切る強さを示し、この一戦は今後の戦いに生きる大きな手ごたえにもなった。
次節は10月12日、開幕2連敗中の法大と対戦する。1部昇格年度から白星を挙げ続けている相手ではあるが油断はできない。
「自分たちの強みを出し切れるように、本当にいい準備をしていきたい」とヴァハフォラウ主将。鉄紺の航海は次なる一戦へ再び舵を切った。
◾︎選手コメント
◇ステファン・ヴァハフォラウ主将
――本日の試合を振り返って
関東学院さんはすごく強い相手で、自分たちが意識してきたポイントがまだまだできていないので、今日いただいた課題を起こして良い準備をして次の一戦に臨みたいと思います。
――前半、小泉がトライしたときのラインアウトは工夫していたが、何か戦略などあったか
ちょくちょくスペシャルなサインというか、相手を見ながら空いているところにボールを運びたいなというプレーを何個か作ったので、それをずっと準備して、今回の試合で出し切ってトライまでとれて本当にうれしいです。
――後半は相手ディフェンスに苦しむ場面も多かったが、その中でもリードを守り切った勝因は
まずボールを大事にしましょう、というところで。相手が強くてもこっちはフィジカルで負けないので、一個一個のキャリーでボールを相手に簡単に渡さないように自分たちでボールキャリーして、ミスあるとしてもちゃんとボールセービングして終われるように練習したので。今日は何回かミスあって次の試合に向けてそれがないように準備していきたいです。
――プレッシャーのかかるようなディフェンスがあったが、マインドの部分はどうだったか
プレッシャーというのは目の前のものじゃなくて、自分たちで作るものなので。焦ると結局良いプレーができないと思うので、浅くなったりとか変にパス掘ったりとか、そういうプレーが今日少し出たのでもう一回集中して自分たちのプロセス信じてたら良いプレーができると思います。
――次節に向けて、取り組むべきことや修正したいこと
次はちゃんと自分たちの強みを信じて出し切れるように、本当に良い準備をしたいと思います。
◇小泉柊人(POM)
ーー試合を振り返って
この試合のチームのテーマがバイオレントというテーマだったんですけど、全員が体をおもいっきりぶつけて、試合をしようって通したんですけど試合を通して本当にマインドセットの部分から自分たちのプレーができなかったので本当に次の第三節でマインドセットから変えていい準備をしていきたいと思います
ーー終盤まで粘ったなかでもリードを守り切った勝因は
やはりチームでディフェンスに力を入れているので本当に苦しい状況でもそのチームの底力が出て守りきれたのかなというふうに思います。
ーー修正点は
僕たちはやっぱりまだチャレンジャーなのでもっとアグレッシブにプレーしていきたいなというふうに思います。
ーー関学大に対して事前に対策していたことは
本当にバイオレントアタックというテーマで自分たちのフィジカルを前面に押し出してアタックしようというふうに話して、まあずいしょにいいところはでたんですけどやはりまだまだその詰め切れない部分があったのでそういうところを修正していきたいと思います。
ーー後半はFWがかみ合わなかった時間もあったが、どういったところが原因だったか
やっぱメンバーが変わっていくなかでコミュニケーションのほんとに細かいミスであったりっていうのがあったんで、本当にそういう些細なコミュニケーションのミスをなくすように練習から意識してやっていきたいと思います。
ーー次節に向けて
次節は自分たちのやりたいこととか、そういう基本プレーを徹底して次節に向けて準備していきたいと思います。
TEXT=北川未藍 PHOTO=市澤結衣