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2015.11.03
準硬式野球

[準硬式野球]「勝つことの難しさ」 最終戦白星も悔しさ残る3位

平成27年度東都大学準硬式野球秋季2部リーグ戦・国学大3回戦


11月3日(火) 八王子市民球場


東洋大7-1国学大


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 最後までチームを引っ張った荻原主将



 最終戦を白星で終えた。初回に相手の失策からチャンスを得ると、4番・今泉(ラ3=磐城)の適時打で先制する。その後も相手に主導権を渡すことなく7-1で勝利した。

 

 勝っても負けても3位。試合前から順位は決まっていたものの、今季最後となる試合に選手たちはそれぞれの思いを胸に試合に臨んだ。初回から幸先よく先制するも、なかなか追加点を奪えない。それでも、先発・曽根(済3=東亜学園)が五回を投げ無失点と粘りの投球を見せると、流れは一気に東洋大へと傾く。五回裏、荻原主将(営3=宇都宮北)と木藤(法2=浦和学院)の連続適時打で2点を追加すると、七回には打者一巡の猛攻で7-0と相手を大きく突き放した。八回に1点を献上するも、最終回には月性(法3=柏南)が守備で魅せる。1死一、二塁の場面で、右翼後方に抜けようかという打球を見事ダイビングキャッチ。去年の最終戦では適時失策を犯し、その後逆転負け。誰よりも悔しさを味わった男が成長を感じさせる好守で追加点を防いだ。

 

 「優勝してなきゃいけないチーム」。そう小田辺監督は今年のチームを評した。1年次から試合に出場していたエース・松下(ラ3=西湘)や荻原主将、富澤(営3=利根商)を始めとする打撃陣。さらには2年次にほとんどの試合で4番を務めた藤本(営3=静清)など、戦力は十分にあった。しかし、その藤本も今年は春から打撃不振、荻原主将も秋季リーグ直前のけがで出遅れた。共に終盤は調子を取り戻しつつあったが、リーグ戦へ調子を合わせることの難しさ、「勝つことの難しさ」がそこにはあった。その難しさを近くで見てきた新主将の木藤は「勝つチームをつくっていきたい」と力を込める。木藤は高校時代、記録員という立場ながらも全国制覇の経験を持つ。勝つことの難しさ、そして勝つことの喜びを知る新主将が、チームを「白紙」からつくりあげる。

 

 

■コメント

・小田辺監督

試合の主導権ずっと握ることができたので、四回までは競っていたが安心して見ていられた。今シーズンはなかなか試合に来られず、悔しい報告ばかり受けていた。雨で流れて今日は来ることができたが、選手は本当に頑張ってくれていたし、うちのいいところがいっぱい出た試合だった。(今年のチームは)正直、優勝してなきゃいけないチームだったなぁと。実際チャンスはあったし、ライバルだった帝京も1部で5位だったので、我々も1部で戦えるチームだったんじゃないかと思うが、そのためには2部で勝たないことには入れ替え戦のチャンスもないので。今度の春は優勝して入れ替え戦に臨めるようなチームになってほしいと思う。

 

・荻原主将(営3=宇都宮北)

試合前に勝って終わろうという話をした。しっかり勝って終われて良かった。(調子は)今がピークですね。今からリーグ戦が始まってもいいくらい。今季けがでスタートして出遅れてなかなか調子も上がらなかった。今日だけを見たら良いが、シーズン的には納得のいかないシーズンだった。(主将として)勝つことの難しさがよくわかった。絶対的な監督がいない中で、自分たちで工夫してどうやるかという部分で難しさを感じた。その中でも、自分たちで考えてやるということの面白さだったり楽しさもあった。いい経験ができた。(3位という結果については)やっぱり優勝を狙っていただけに非常に残念。(木藤は)野球を知っているし、熱さもある。下の学年だったら主将は木藤しかいない。(来季は)自分たちが主力だった分、今までサポートしてくれていた1、2年生の活躍を見られたらと思う。

 

・木藤(法2=浦和学院)

打線が2アウトから繋がって、相手のミスにも付け込めた。今季は、悪いなりに先輩方に引っ張っていってもらえた。満足はしていないが、ある程度の結果は残せたと思う。(荻原主将は)技術で引っ張っていくタイプ。あの人がいるかいないかでチームの雰囲気も違う。技術で引っ張っていけたら良いが、それよりもまとめていけたらと思う。(来季は)3年生が主体だったので、一回白紙になる。この冬にできるだけ実戦を積んで、その中でそれぞれが自力を付けていけたら。頑張るのは当たり前だが、勝つチームをつくっていきたい。


TEXT/PHOTO=中田有香