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平成27年度関東学生アメリカンフットボールリーグ戦
11月14日(土)アミノバイタルフィールド
東洋大26-45成城大
3|1Q|0
3|2Q|14
0|3Q|10
20|4Q|21
パスキャッチやランプレーなどマルチな活躍を見せる大西
時崎からの的確なパスが攻撃の起点となる
6回のTD(タッチダウン)で大差をつけられ、成城大に26対45で敗戦。流れに乗り切れないまま、勝利を収めれば1部昇格への入れ替え戦が決まる一戦を落とした。
大森(ラ4=東京)のフィールドゴールで先制点こそ奪ったものの、2Q開始早々にTDを決められると主導権は成城大へ。「相手の方が勢いがあった」。永藤主将(総4=佼成学園)が語るように、相手QBのランプレーに翻弄(ほんろう)され、次々とTDを許してしまう。これまで堅い守りでチームを救ってきたディフェンス陣は「相手にアジャストできなかった」と止め切ることができず、点差は広がっていった。
それでも4Qに入るとオフェンス陣が反撃に出る。その流れをつくったのは大西(国1=関東国際)だった。4回目の攻撃で時崎(社4=八千代松陰)からのロングパスをキャッチし、ファーストダウンを奪う。「時崎さんがいいボールをくれるので自分は取るだけ」と謙虚に振り返ったが、このプレーを皮切りに東洋大はヤードを重ねていき、山形(済4=成城学園)による今試合チーム初のTDにつながった。その後も大西はパスキャッチやランで好プレーを続出し、終盤には自らTDを決めるなど活躍を見せた。しかし、開いた点差は縮まることなく大敗。「ダブルスコアなので完敗」。入れ替え戦目前で喫した今季初の黒星に選手たちは肩を落とすしかなかった。
「こういう結果が出てしまった以上はどこかにおごりがあったのだと思う」。東洋大はこれまで1部との入れ替え戦の切符を手に入れたことがない。西村ヘッドコーチは、その念願の舞台が近づいてきたことでチーム内に「気負いではなくおごりがあった」と指摘する。今リーグ戦、東洋大が4勝1分と黒星をつけることなく突き進んできた原動力には「絶対に1部に昇格する」という選手一人一人の強い思いがあった。しかし、終始主導権を握ることができなかった今試合、その思いをなかなかプレーとして出すことができなかった。「何のためにこの一年間を頑張ってきたのか」。次戦までの2週間、今一度士気を高めすべての力を出しつくしたいところだ。
新チーム始動から約10ヵ月。1部昇格だけを目指して厳しい練習を乗り越え、勝利を重ねてきた。最終戦となる次戦の勝敗が入れ替え戦への行方を決める。「勝ちたい」ではなく「勝つ」。チーム一丸となって来たる正念場に挑む。
■コメント
・西村ヘッドコーチ
ダブルスコアなので完敗。追い付けそうなところでも最後に追い付けない空気があって、向こうの方が勝っていたからこそ点差がついた。向こうの勝ちたい気持ちが強かった。この2週間そういうところの取り組みが甘かったのだと思う。(敗因は)入れ替え戦にいったことがないので、憧れ的な感情があってどこか浮いていたのかもしれない。「勝ったら入れ替え戦」ということで、こういう結果が出てしまった以上はどこかにおごりがあったのだと思う。集中力が足りなかった。グランドではやってきたことしかできないので、練習に対する取り組みが浅かったということ。気負いというよりはおごり。(次戦に向けて)「最後に誰が1部にいくんだ」という強い気持ちをもう一度つくり直しては「勝ちたい」ではなく「勝つ」。そのために普段からどう考えて過ごしていくかだと思う。今日は点を取ったけど引き離されたり、どこか気が抜ける瞬間があった。何で最後になってパワーダウンしてしまうのか、メンタル面の弱さをもう一度準備をしていかなければならない。このチームがスタートしたときに何を目指してやってきたのか。何のためにこの一年間を頑張ってきたのか。無駄にしないためにも、この2週間初心に戻り見つめ直して一からつくり直していきたい。
・永藤主将(総4=佼成学園)
流れに乗っていけなかった試合だった。相手の方が勢いがあった。ここまで、自分たちが主導権を握って勝ってきたので、主導権を奪いたかったが取り返せなかった。オフェンスは今まで以上に取れるところをしっかり取れたと思うので良かったけれど、ディフェンスは、相手にアジャストできなかった部分もあったことが反省。(次戦に向けて)次の試合に勝つことができれば入れ替え戦確定なので、相手を圧倒した勝利で入れ替え戦を決めて、その次の1部昇格を目指したい。
・大西(国1=関東国際)
いつもディフェンスに頑張ってもらっていたので今日はオフェンスが頑張ろうという感じだったが、負けてしまって残念。オフェンスは自滅があったので、そういうミスをなくしていかないといけない。(個人としては)雨で滑りやすいのはわかっていたが何度かミスがあった。あと2週間でまたつくり直していきたい。(好プレーについては)時崎さんがいいボールをくれるので自分は取るだけ。取った後にもっとヤードを稼げる選手になりたい。次勝てば入れ替え戦、負ければなくなってしまうので、死ぬ気でタッチダウンを5本取りにいきます!
TEXT=石田佳菜子 PHOTO=西川諒