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2026.03.11

[準硬式野球]「はい同点!」大久保の適時打で流れを引き寄せ関東大会初戦白星/国士舘大学世田谷戦・第2回戦

令和8年度 第68回関東地区大学準硬式野球選手権大会・国士舘大学世田谷・第2回戦

3月11日(水)所沢航空記念公園野球場

◯東洋大3ー2国世田


東洋大

0 

0 

0 

0 

2 

0 

0 

0 

1 

3 

国大世田


二塁打:大久保(五回)

吉村、金子ー黒岩


                     ベンチ前でチームを盛り上げる笹谷


              先発投手・吉村


   守備でチームを支え打線でもチャンスをつくる大林


      積極的な進塁で決勝点を挙げた新木


      同点打を放ち、星を突き上げる大久保


        八回から姿を見せたエース・金子



 関東大会初戦。東洋大はシードで2回戦からの出場。全国への道を切り開く戦いは、東洋大らしい穏やかな雰囲気の中で幕を開けた。しかし、試合は序盤から先制を許し、苦しい展開となる。流れを大きく引き寄せたのは学生監督を務める大久保(生4=木更津総合)の一打だった。


 初回、マウンドに上がったのは吉村(文2=横浜隼人)。試合は穏やかな雰囲気の中で始まったが、立ち上がりは簡単ではなかった。

先頭打者に出塁を許すと、投ゴロと三振で二死を奪う。しかしその後、中前打と右前打で走者を背負い、ワイルドピッチで先制点を許す。さらに押し出し四球で追加点を奪われ、東洋大は0―2と苦しい立ち上がりとなった。それでも吉村は二回以降立て直し、粘り強い投球で追加点を与えない。

 守備では大林(経2=興国)のプレーが光った。キャプテンの負傷によりスタメン出場の機会を得た大林は、落ち着いた守備でチームを支える。難しい打球にも冷静に対応し、内野の安定感を保った。大林は「キャプテンの代わりにはなれないですが、自分ができることを精一杯やろうと思って試合に入りました」と語り、自身の役割についても「守備でバックに回して、なんとか出塁して上位につなぐこと」を意識しているという。

両チームの投手陣が踏ん張り、試合はロースコアのまま膠着状態が続いた。


 そんな中で試合を動かしたのが五回表。二死から走者をため、一、二塁の好機で打席は大久保へ。鋭く振り抜いた打球はセンター前へと抜けた。二塁走者が生還し、さらに一塁走者も一気に本塁を陥れる。この一打で試合は2–2の同点。

ベンチからは歓声とともに「はい同点!」という声が飛び交った。

この言葉は、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)韓国戦で大谷翔平(ドジャース)が同点弾を放った際の言葉をまねたもので、ベンチの空気はさらに明るさを増した。

大久保は出塁の際、指で星をなぞり、それを突き上げるようなポーズを見せていた。試合後にどんな意味があるのかと尋ねると、関東大会の先にある全国大会が石川県・金沢で開催されることにちなんだものだという。石川の名門・星稜高校の“星”をイメージしたもので、チームメイトの笹谷(健3=岡山理科大学附属)がチームを盛り上げるために考えたものだった。


 試合が再び動いたのは九回表。新木(福デ3=東京農業大学第三)が四球で出塁すると、積極的な走塁で二塁へ進塁。二塁フライの間に三塁へ進むと、投手の暴投の隙を突いて本塁へ生還。これが決勝点となった。

今大会で初めてスタメン出場となった新木は「大会でのスタメンは初めてだったので、逆にプレッシャーなく思い切ってプレーできました」と振り返る。7番打者として上位打線につなぐことを意識して積極的なプレーを見せた。


 八回のマウンドにはエース・金子(経4=福島商業)が姿を見せる。明るい表情を浮かべながらマウンドに上がると、楽しむように腕を振り、落ち着いた投球で相手打線を打ち取る。九回も危なげなく抑え、1点のリードを守り切った。

昨年の関東大会で悔しい経験をした右腕・金子は「去年は自分のせいで4年生に迷惑をかけてしまった。今年はラストイヤーなので全国に行って先輩たちに恩返しをしたい」と強い決意を口にした。


 東洋大はこの冬、3泊4日の合宿を行っていた。秋季リーグ戦を終え、主力の4年生が抜けた今、チームの団結力を上げるためにミーティングを重ね、守備連携を中心に練習をしてきた。大久保は、「まだまだ、勝ちきれない部分がある」と課題も口にする。それでもこの試合では自身の一打で流れを引き寄せ、走塁と投球で守り切った。

全国への道はまだ始まったばかりだが、この勝利はチームの結束と準備の成果を示す一戦となった。


◼︎コメント

大久保学生監督(生4=木更津総合)

〈関東大会にかける思い〉

全国に行くっていうのを目標にしてなんとかベスト4以上を狙っていきたいです。

〈先攻、後攻を決めるじゃんけんで勝って先行を選んだ意図とは〉

1、2番打者が調子いいので初回で先制できればいい流れができるんじゃないかと思って先攻を取りました。

〈秋季リーグ戦を終えて4年生が抜けての変化〉

てくれる人がいなくなった大きいと感じました。それでも合宿でミーティングを重ねて、今後のチームの考え方とかを強要できたから四年生にしっかり旅立ってもらえるような試合をしていきたいです。

〈冬の合宿はどんな感じか〉

3泊4日で練習メインでやっていました。

〈合宿で特に力を入れたもの〉

連携プレー外野と内野の連携プレーグラウンドが使えるから守備をしっかり練習しました。

〈先発でエースの金子ではなく吉村を起用した理由〉

2枚目の第二先発が欲しいリーグ戦を見据えて金子が第1先発として投げて2戦取り切らないと勝てないから今のうちにピリピリとした試合で投げさせて場数を踏ませたかったので起用しました。

〈秋季リーグ戦から守備がかなり変わったなぜか〉

木更津総合ですね(大久保の母校)

色々な守備をやらせることによってそれだけ視点を持てるのでポジションを色々変えて試行錯誤しました。

〈次の試合に向けて〉

次の試合が本番国士舘大、専修大、法政大と続くんですけど、そこに1試合1試合かけられるような練習をしてきたつもりなので一戦必勝で全国を取り切りたいなと思います。

〈合宿終わってからチームの仕上がり〉

練習試合で勝ち切れるところで勝ちきれないということが今日の試合で露骨に出たかなと思います。チャンスで一本を誰でも打てるような状況をもう少し作りたい明日練習そこでバッティングメインでやっていくつもりです。

〈進塁した時に指で星の形をなぞっていた理由は?〉

関東大会の全国が金沢で開催されるんですけど、石川の名門といえば星稜高校だから星稜高校の星をとってみんなで盛り上げています。笹谷が考えました。笹谷と川端が中心に盛り上げているのはアップの声出しをやらせていらからです。4年生がいなくなったからこそアップリーダーを一年生に任せました。


金子(経4=福島商業)

〈関東大会にかける思い〉

関東大会は去年自分のせいで四年生に迷惑をかけて負けた今年は自分がラストイヤーの大会なのでここでしっかり勝ち切って全国行って先輩たちに恩返しがしたいなと思っています。

〈冬の合宿を終えて〉

ウエイト瞬発のトレーニングで自分に負荷をかけてやれているのでそこが良かったかなと思います。

〈せった場面での交代〉

自分がチームの顔いつも通り投げれば抑えられると思うので変に力まず笑顔で投げ切ることを意識して投げることを意識しました。

〈次戦に向けて〉

国士舘大同じ東都の相手ではあるのでここ勝ってリーグ戦にも弾みをつけられるようにまずは一戦一戦を抑えて全国に行きます!


新木(福デ3=東京農業大学第三)

〈初のスタメン出場について〉

なかなかスタメンの機会が少なかった今回初めて大会でスタメンになって逆にプレッシャーなくやれました。

〈その中での自分の役割とは〉

7番バッターは下位打線の中でも真ん中で大事なところだと思っているのでうまく上位に繋げられるように頑張りました。

〈今日の試合ので意識していたこと〉

上位があんまりだったので下位で頑張るぞと言う気持ちで頑張りました。先頭で入ることが多かったのでとにかく塁に出てチャンスを掴むことを意識しました。

〈冬の合宿はどうだったか〉

野球をやる期間長かった高校生の時に戻ったみたいに野球に専念できて野球をしない時でもチームメイトと仲を深めることができました。

〈今日の打席で狙っていたもの〉

変化が入ってなかった最後のピッチャーはストレート狙いでそれまでのピッチャーだったらストレートを狙いつつ変化も意識していました。

〈次の試合に向けて〉

次は東都の1部の強豪なのでなんとかくらいついていきたいです。


大林(経2=興国)

〈今大会にかける思い〉

キャプテンの怪我その代わりに出させてもらっている代わりにはなれないけど精一杯頑張っていきたいと思っています。

〈スタメンで出場するにあたって自分の役割とは〉

守備でエラーは絶対になしで、バックに回せるように出塁することです。

〈反省点と良かった点〉

自分はピッチャーの声かけが足りないと思いました。上位にチャンスを作って回せたことは良かったと思います。守備で持っていっていたんでふりにいくことを意識しました。強く振っていけたかなと思います。

〈今日の先発で周りからどんな言葉をかけられたか〉

思いっきりやれって言うのを言われました。

〈次戦に向けて〉

次からは強い相手が続いて今日以上に厳しい場面が続くと思うので自分ができることをしっかりやっていきたいと思います。


TEXT ・ PHOTO =吉田妃莉