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平成27年度関東大学アイスホッケーリーグ戦
11月29日(日) DyDoドリンコアイスアリーナ
東洋大4-4早大
〔ゴール・アシスト〕
20:52 武尾(渡邉、田中)
32:33 出口(人里、宮倉)
38:05 今野(阿部、今村)
41:43 古川誠(中澤、岩野)
GK脇本は監督からの信頼が厚く最終戦に起用された
ホッケー部と共にシーズンを戦った応援指導部
一時は3点差まで広げたものの、3ピリ残り2分で同点に追いつかれる。引き分けにより、秋季リーグ戦は4位という結果に終わった。
一つでも上の順位を狙う両校の意地がぶつかり合い、序盤から激しい攻防を見せた。両者無得点で迎えた2ピリ開始直後、FW武尾(社4=八戸工大一)のゴールで先制点を奪う。その後早大も得点するも、立て直した東洋大はスコアリングチャンスを逃さず2点を追加し、相手を突き放していく。3ピリも速攻から4点目を決め、勝機をつかんだかと思われた。だがリンクには魔物が潜んでいた。すべては心の隙だった。シーズンを通して常に意識していた反則の軽減だったが、今試合は不要な場面で取られてしまう。負の連鎖は重なり終盤で1点差に。残り2分、早大の勢いは止まることなくついに同点弾を決められる。「油断が反則の多さに繋がった」とFW武尾。3点差から詰められた展開に、選手は「悔しい」と重々しく口を開いた。秋季リーグ戦は4位で閉幕した。
試合後、観客席に向かって深々とお辞儀をする選手の姿からは悔しさがにじみ出ていた。しかし、リーグ戦全体を振り返れば、「全員がキープレーヤー。努力が見えた」と鈴木監督はポジティブに捉えている。昨年はGK脇本(社4=苫小牧工)の一本柱だったゴーリーはGK古川駿(社1=八戸工大一)が強豪校とも戦い切る実力を示し、存在感をアピール。FW人里(社3=白樺学園)はほぼ全試合スコアするなど、数字で証明した。そんな彼自身も「ラインメイトからの良いパスのおかげ」とメンバーを称賛している。傑出したスターはいない。だからこそ、どんなときも全員が主役なのである。インカレまでの残された一か月間、個人のレベルアップ、そしてチームプレーの精度を高める。試練を乗り越えた先に頂点への活路は開ける。
■コメント
・鈴木監督
スコアリングチャンスがあったが、2ピリは少し決まって選手は悪い流れを克服する努力をしたが、3ピリで精神的な油断があっての引き分けのゲームだった。一つでも上の順位で終わるのは大切であるし、最終戦がこのリーグ戦の中で一番大切な試合だと選手も分かっていたが、まだまだ精神的な甘さが出た試合だった。(GK脇本の起用について)元々信頼している。古川駿がもちろん悪くて替えたわけではないが、脇本に対しての信頼は揺らいでない。リーグ戦を通じて失点は多かったがいいプレーをしてくれたので、うちにはいいキーパーが2人いるということをチームが理解してくれたのではないか。(リーグ戦を振り返って)チームのポテンシャルは見せてくれた。選手の努力は見えたがそれが足りてないということも選手たちは感じている。(インカレに向けて)特に秘策があるわけではない。小さいことの積み重ねが結果に結びつくと思っている。
・FW今野主将(社4=清水・北海道)
今日の試合は率直に悔しいという気持ち。今日の試合良い出だしだったが、最後までその気持ちが続かなかった。(SHの時間での失点)チームにピンチの時間を多く与えてしまって、早稲田にチャンスを与えすぎた。今日の敗因にもつながった。(今シーズンは)中大、明大に勝てなくて、悔しかった。全員が自信を持って試合をできれば、勝てる試合もあった。上位との差はそういうメンタルの差もあるのかなと思った。インカレまであと一か月あるので、練習でも自信を持てるように頑張りたい。春、秋で各自やることはわかったと思うので、あと一か月上位との差を縮められるように頑張りたい。ちゃんと勝ち切れるメンタルを手に入れたい。
・GK脇本(社4=苫小牧工)
悔しいの一言に尽きる。4―1までは良い動きができていたが、それからチームの歯車が狂いだして、それを戻せなかったのが良くなかった。相手のゴールに向かう気持ちに自分たちが守りに入ってしまったり、ミスからの反則だったりがもったいなかった。「モチベーションが難しい試合の中でどれだけできるか」という中でのこの結果だったので、自分たちにはまだまだ勝つ力が足りない。(個人の調子は)悪いわけでも良いわけでもない。やっぱり2失点、3失点に抑えないと勝てないと思う。GK4人で練習を頑張って、細かいことを意識していきたい。(秋リーグを振り返って)チャンスで決め切れなくて、逆に相手にチャンスでスコアされてずるずる引きづってしまうというのが多かった。3ピリの粘りが足りなかったというのが全試合通じて感じた。(インカレに向けて)中央と明治が2強といわれ、悔しいがそこに入れていないのも現実。それを受け止めて、この気持ちを忘れずに練習をやっていきたい。
・武尾(社4=八戸工大一)
今日は特に勝ちにこだわっていた試合だったので、まず勝ちたかった。本当は優勝したかった。(試合を振り返って)最初から悪くなかったけれど、スコアチャンスもたくさんあった中で、決定力に欠けていた。そこを直していかないといけない。そして先制して4点とっていたこととかが油断になって、反則の多さに繋がってしまった。あとは気持ちで負けないようにしたい。(4位という結果は)すごく悔しい。3位と4位では全く意味合いが違ってくるから。(東伏見での公式戦が終わって)最後の試合だったし、お世話になっていたリンクなので勝ちたかった。インカレに向けてこのままでは勝てないし、ダメだと思うので、みんなでひとつになってまた0から頑張りたい。
・FW人里(社3=白樺学園)
非常に悔しいゲームになってしまった。1ピリと2ピリは点差もあり、気持ち的にみんな余裕ができたところで、その余裕がだめな方向へ向いてしまった。反則などで自分たちの流れを壊してしまい、メンタル面の弱さが出て追い付かれてしまった。たくさんチャンスがあった中で決め切れなかったところも敗因の一つ。(個人の調子は)特別良いわけでもなく、悪いわけでもなく、いつものスタッフから求められているプレーをしようと意識している。点数決めること以上に相手に嫌がられるプレーをすることを重視している。(秋リーグを振り返って)少し波があったかなと。そういうものを減らしていかなきゃインカレでも良い結果は残せないと思う。(インカレに向けて)春、秋とあまり良い終わり方ではなかった。いつも自分が最上級生になったときに「良い形で終わりたいね」って中学生からずっと言ってきている。そのためにはまず自分たちが先輩たちを1番良い形で送り出してあげないと自分にも返ってこないと思うので、まずは練習からみんなひとつになって、これからの辛い練習も乗り越えて、インカレ笑って終わりたい。
TEXT=酒井奈津子 PHOTO=坂口こよみ、星和典