記事
2026年ルーキーズ企画最終日は卓球部の西岡緩夏(スポ1=土佐女子)。大学入学後初の試合、関東新人戦でダブルス優勝、シングルス3位入賞を果たすと、続く春リーグ、インカレに1年生ながら出場。そんな快調なスタートを切った彼女の素顔は意外にも心配性でお茶目であった。

「親の仕事が忙しくて、家に一人でいるのが怖くて。卓球の監督をやっているおじいちゃんに着いていったら、いつの間にかラケットを握ってました」。
小学2年生で卓球を始めるも、最初はなかなか気が進まない。
「嫌々始めました。小学校3年生くらいまで嫌で辞めたくて。4年生で結果を残せてちょっと楽しくなって、また5年生で『あぁ辞めたい』って。中学校に上がってからは練習が長すぎて本当に辞めたい時期が多かったんです」。
どうやら西岡は卓球の結果にモチベーションを左右されるタイプらしく、
「単純なんです(笑)結果を残せないと『なんでだろう?どうしよう』って(考えてしまう)」。

それでも小学4年時は全農杯全日本卓球選手権大会高知県予選(女子カブ)で優勝を果たし全国大会出場。中学3年時は6時台からの朝練と20時半までの通常練習を乗り越え、全国中学校卓球大会団体戦3位という輝かしい成績を残してきた。

高校は中学と同様に土佐女子高に進学。西岡の地元である高知県には卓球の強豪校、明徳義塾中・高があるが、彼女が選んだのは土佐女子だった。
「お母さんが土佐女子出身で、当時の監督に『卓球するなら土佐女子』って言われたんです。あとは寮生活が絶対できないから実家から通えるところが良かった」。
実際、高知県内では明徳義塾が上位を占め、
「急に明徳と当たるし、レベルの差がありすぎて。戦術も変えないといけないし難しかった」
と県内でもかなりの苦戦を強いられた。しかし西岡は1年次から躍動。石川実鈴(現・中央大1年)とペアを組んだダブルスで四国大会2連覇を成し遂げ、明徳義塾の表彰台独占を阻止した。2年時のインターハイでもベスト8に入るなど
「高校に入ってすごく結果を残せるようになって『自分って意外とできるんだ』と思って楽しくなりました」
と充実感を口にした。

大学に入ってもその勢いは健在。先述の通り、関東新人戦ではシングルス3位入賞、ダブルスは土肥千依菜(スポ1=留萌)とのペアで、東洋大初の優勝を遂げた。春リーグでも単複合わせて5試合に起用され、続くインカレでも1年生で唯一出場。どちらも勝ち星を挙げる活躍を見せた。

そんな順風満帆なように見える西岡でも心の内には複雑な思いがある。
「初めての大会で優勝できたり、1年生なのにインカレに出させてもらって、期待されているのはわかるけど、逆にそれがプレッシャーに感じてしまうことがあって。ここから落ちたらどうしようとか、試合が終わるたびに考えてしまう時があります」。
さらに、
「自分のせいでチームが負けたらどうしようという不安が大きくて、オーダーが発表された時に涙が出てきて(笑)」
という試合のウラ話も教えてくれた。プレーからはわからないその繊細さや人間味。非常に親しみやすさを覚える選手である。

西岡のプレーの特徴は「自分はサーブからの展開で、ラリーで点を取る方が得点率は高いので、ロングサーブを出してラリーにつなげる」こと。さらにバックドライブでの得点が多いことを尋ねると
「フォアが小学生の頃から本当に下手だから一旦バックを磨こうって。小学4年生の時にバックドライブの練習を始めて、中学校で回転のかけ方を教わってから試合で使えるようになりました。フォアにあまりボールが集まらないからバックでいいやって(笑)」
と茶目っ気たっぷりに答えてくれた。9月14日に開幕する秋リーグにも西岡はきっと起用されるだろう。ぜひラリー中のバックドライブに注目したい。

期待もプレッシャーもエネルギーに。不安な時には仲間を見れば大丈夫。ひとつひとつの経験を成長につなげて、いつか学生を代表する選手になってくれるはずだ。そして、「フォア、得意になりました!」と笑って報告してくれる日をずっと楽しみに待っている。
TEXT=市澤結衣、PHOTO=スポトウ卓球班

