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2026.09.27
ラグビー

[ラグビー] つながれた思いを胸に専大に完封勝利/関東大学ラグビーリーグ戦1部第2節・専大戦

関東大学ラグビーリーグ戦1部第2節・専大戦

会場 熊谷ラグビー場

○東洋大 87 {47ー0 、40ー0}0 専大 


番号Pos.名前
1PR山下源也(総3=熊本工)
2HO岩崎ヴィージェ―純(総2=目黒学院)
3PR岡田恭和(スポ3=脇町)
4LOシオネ・テネフフ(総3=目黒学院)
5
アルメイダ聖(総2=日本航空石川)
6FL大槻神戸(総2=Auckland Grammar)
7
ナモア・ファタフェヒ(総4=桐生第一)
8NO8ロケティ・ブルースネオル(総1=目黒学院)
9SH生田旭(総3=國學院栃木)
10SO永吉天馬(総1=クライストチャーチボーイズ)
11WTB井戸川ラトレル(総2=國學院栃木)
12CTBラトゥ・カヴェインガフォラウ(総1=目黒学院)
13
浅尾至音(スポ4=城東)
14WTB梅木颯斗(総3=黒尻沢工)
15FB池渕紅志郎(総3=城東)
16Re.小峰佳士(スポ3=目黒学院)
17
各務陽向(スポ2=関商工)
18
フープススティーブン武蔵(総4=開志国際)
19
吉村由(総2=St.Peter's)
20
金井悠隼(スポ4=東海大相模)
21
黒岩稜(総1=大分東明)
22
石掛諒眞(スポ2=目黒学院)
23
中山二千翔(総3=日本航空石川)



思いはきっと伝わる。そんな試合を魅せてくれた。

20日、熊谷スポーツ文化公園ラグビー場で関東大学リーグ戦第2節・東洋大学vs.専修大学の試合が行われた。序盤から精度の高い連係プレーで大きく突き放すと、その勢いを保ったまま追加点を重ね、87―0と完封勝利を収めた。


トライ後の井戸川右)と生田


雨模様の空の下、専大ボールでキックオフ。スタンドから聞こえる東洋コールに応えるかのように開始直後から東洋大が試合を動かした。3分、敵陣22mライン付近でラインアウトを獲得すると左へ展開し、LO(ロック)シオネ・テネフフ(3年)がトライライン前まで侵入する。最後はCTB(センター)ラトゥ・カヴェインガフォラウ(1年)が飛び込みトライ。


先制トライはラトゥ


さらに7分にはFB(フルバック)池渕紅志郎(3年)のランを起点にNO8(ナンバーエイト)ロケティ・ブルースネオル(1年)がグラウンディング。9分にもビックゲインをした主将のCTB浅尾至音(4年)がWTB(ウィング)梅木颯斗(3年)からのリターンパスを受け、余裕をもってトライラインを突破した。池渕のコンバージョンも全て決まり、21―0とする。


巧みなプレーとともに3トライをマークした梅木


この日、随所で見事な判断を見せた梅木は「パスしたらサポートにつこうという話は練習の時からしていて、至音さんを見ていたディフェンスが速く僕の方に来たので、至音さんが空いているなと思った」と振り返った。

その後は専大に自陣でのラインアウトを与える場面もあったが、ノックフォワードなどペナルティを誘い、常に東洋大のアタックが続いた。21分には自陣で相手が蹴り損ねたボールを池渕が奪い、FL(フランカー)ナモア・ファタフェヒ(4年)、WTB井戸川ラトレル(2年)らが大きく前進。SO(スタンドオフ)永吉天馬(1年)からのパスをフリーで受けたSH(スクラムハーフ)生田旭(3年)がゴールポスト左にボールを沈めた。以降も29分、31分、37分に追加点を挙げ47―0で前半を終えた。


生田


今節のペナルティを最小限に抑えた、秩序立った試合はある出来事に起因する。試合前日に行われたジャージープレゼンテーションに東洋大ラグビー部OBで副キャプテンを務めた村井貴さん(R2年度卒)が訪れた。彼らが4年生だった2020年、東洋大はリーグ戦2部で22年振りの全勝優勝を果たし、入れ替え戦の切符をつかんだ。そして、この入れ替え戦の相手も今節と同様に専大の予定だった。しかし、歴史的勝利に歓喜で沸く選手たちに入れ替え戦中止との悲報が届く。リーグ戦の選手や関係者が新型コロナウイルスに罹患したことで、試合だけでなく1部で戦う権利も失った。この1年、多くの規制の下で活動してきた彼らにとってその知らせは受け入れがたく、やり場のない悲しみに襲われた。そのため、今回グラウンドに駆けつけて経験を語り、「自分たちがやりたくてもできなかった専大戦だから頑張ってほしい」と思いを込めてジャージーを渡していたのだ。


この思いが選手たちに伝わった。「OBの方々のためにも」という気持ちを胸に、自分たちのプレーを貫くと、後半5分には東洋大ボールのラインアウトからモールという得意な形に。モール後方からHO(フッカー)岩崎ヴィージェー純(2年)が飛び出して仕留めると、16分にも永吉の巧みなロングパスが梅木のトライをアシストした。


東洋大のお家芸であるモールからトライを決めた岩崎


専大に自陣深くまで侵入を許す場面もあったが、的確な位置取りとタックルでエリアを取り戻す。アタックに転じた東洋大は28分、38分、45分にそれぞれFL大槻神戸(2年)、PR(プロップ)小峰佳士(3年)、井戸川が立て続けに追加点を挙げると、47分には専大のノックフォワードから井戸川がトライライン直前まで切り込む。井戸川からのパスを受けたテネフフがダメ押しのトライを決め、池渕のコンバージョンも成功して87―0。最後は永吉のキックがタッチラインを割りノーサイド。大差をつけて完封勝利となった。


「感謝」「ありがとう」を表すハンドサイン


今節の試合は勝敗や点差よりもっと大事な収穫があった。一緒にプレーしたことがない、もしかしたら顔も知らない先輩たちの思いを背負って全員が戦ったということだ。先輩をはじめ、多くの人とのつながりを実感した東洋大はまたひとつ成長したはずだ。この気持ちを忘れずに、まずは目の前の1試合を全力で戦っていく。



選手コメント

◇浅尾至音主将(Player Of The Match)

ーー今日の試合を振り返って 

 2020年の入れ替え戦、コロナでなくなった試合が東洋対専修で、そのなくなった時の副キャプテンの方がお越しくださって、ジャージプレゼンテーションを行ってもらいました。そういう形で自分たちも歴史を知って、そのOBの方々のためにもという気持ちで、今回もタックル、とにかく相手をタックルでディフェンスで圧倒していこうという話で、最初から100%で入りも良かったですし、最後の最後まで相手に流れを渡すことなく試合は終わって0点、両サイドいい準備してできた結果かなと思います。 


ーー先週の試合で課題に上がってた規律の部分は今日はどうだったか

何回か規律の部分で自分たちミスもあったんですけど、その度にとにかくタックル、自分たちで流れをつかみに行こう、どれだけノーペナルティでディフェンスできるかをずっと円陣の中で話していたので、できるだけ少なく抑えようと。


ーー自身でトライ決められるシーン、その直前のゲインが印象に残った。どんな気持ちで進んでいったか

この前の試合で自分のすごい不甲斐ないプレーでチームに迷惑かけたので、今回の試合はとにかく気持ちの部分でまず負けない。「 自分の強みは何か」というところで、とにかく前に出るところだなと思って、そこで絶対に勝負してやろうという気持ちがありました。


ーーPlayer Of The Matchに選出されましたが、どのような部分で選出に至ったと思うか

今日は本当に全員がいいプレーで全員がいい活躍してくれたので、特に今回自分が選ばれた理由は特にないなと思います。代表全員の中でたまたま自分だっただけです。 


ーー次節まで2週間空くが、何に取り組むか 

やっぱり自分たちはディフェンスのチームで、ディフェンスのゴールは、やっぱり相手からボールを取り返すことなので、そこから自分たちのアタックがどう向かうか。今日は少し雑なところでも、自分たちのコリジョンで勝ってるところがあったので何度も前に出れるシーンがあったんですけど、次からそうはいかないと思うので、もっともっとアタックしづらいように深く立ったり、もっとスピード持ったり。そのディティールのところをもっと詳しく、丁寧にやっていきたいと思います。 


ーー次節に向けて

タックルで自分たちの流れを作って、その次の飛躍的な進化、ブレイクスルーをできるように、良い準備していきたいと思います。 



◇梅木颯斗

ーー今日の試合を振り返って

先週なかなかうまくいかなかったので、その課題を修正するために1週間練習してきて、それをグラウンドで体現することができたのでよかったと思います。


ーー先週課題に挙がった規律の部分に対してどのような取り組みをしてきたか

特にこれというものは無いんですけど、スキルの練習の部分でもノーペナルティのところは声をかけ合ってやってきたので、今日の試合でも練習通り出せたかなと思います


ーー今日のチーム状況や流れは

今日の試合は6年前に入れ替え戦がなくなった年の先輩方の思いを背負った試合で、ただの試合というよりいつもより気合の入った試合で、うまくいっている時間は多かったんですけど、圧倒しようというところで圧倒し続けることを意識していました。


ーー決めた3トライのうち、2つ目のディフェンスをうまくかわして決めたトライが印象に残った

味方がつないでくれたボールだったので、WTBはトライを取りきるポジションなので、相手がかぶってきているのを見て、ステップでかわしてトライできたので良かったと思います。


ーー浅尾選手のトライシーンでは、自身のリターンパスでアシスト

パスしたらサポートにつこうというのは練習から話に出ていて、至音さんからパスをもらって、至音さんを見ていたディフェンスが速く僕の方に来たので、至音さんが空いているなと思いました。


ーー次節に向けて

今日は規律、気持ちの部分もゲームに出たかなと思うので、相手がどこであろうと自分たちのやるべきことを徹底してやっていこうと思います。



監督コメント

◇福永昇三監督

ーー今日の試合を振り返って

最初から強い気持ちが入っていたというところで、そのきっかけというのは、前日に村井さんというOBが来てくれて、彼は2020年の卒業生で副キャプテンでした。

コロナの初年度に彼は4年生だったんですよね。活動はできましたが規制がたくさんあって、我慢して合宿も行けずに。ただ秋のシーズンすごい頑張って、全勝しました。その時リーグ戦グループの選手がコロナになって、リーグ戦、入れ替え戦まで中止になってしまった。

22年ぶりの全勝優勝で「よっしゃー!」って全員で大号泣してというタイミング。その時も対戦相手が専修だったんです。だから、我々も動いたんだけど、試合ができない、やりたくてもやれなかった。なんのために、そのためにあの人たちはやっていたのに、それを取りあげられられてしまった。負ける試合よりも「どうしたらいいんだ」というエピソードがありました。

だからやりたくてもやれなかった専修戦だから頑張ってくれという話を村井さんはして、昨日ジャージ渡してきてくれました。彼らの代からそういうメッセージを、頑張ってくださいと。本当に今、この1試合だけではなく、つながっている先輩たちの思いが、儚い思いが。悲しいけど、ぶつけることのなかった先輩たちの思いが伝わったんじゃないかなっていうのは(感じた)。パフォーマンスとしてあれですけども、またチームとして成長していければなと思いました。


ーー今日の試合を踏まえて、次の試合までどのように準備していくか

先週、立ち返って私たちの肝であるディフェンスのところを1週間練習して、そこはもう変わらずしっかり準備していこうと思ってます。


TEXT=市澤結衣、PHOTO=土田夏帆、三木万由子、松崎絵