Article

記事


2015.12.29
アイススケート

[アイスホッケー]特集3日目この選手に注目!➂ 帰ってきた男梅野 中大キラーとなれ

 日本学生氷上競技選手権大会まで、あと2週間を切った今。東洋大を優勝に導くためには?スポトウが選んだ注目選手を5日間に渡り記者のコラムによって紹介する。


Image title


 けがから復帰し、関東大学アイスホッケーリーグ戦(以下秋リーグ)を戦い切ったFW梅野(社4=武修館)。今季は0ゴールに終わるものの、いくつものアシストでチームの勝利に貢献してきた。自分のゴールでなく、後輩のゴールでも人一倍喜びをあらわにし、チームの勝利のために体を張る姿は、チームとアイスホッケーへの愛が深く、深く感じられた。


 けがで最後の春の大会を棒に振る形で迎えたシーズン。けがをしている時は「自分より上手い選手はいっぱいいるので技術を盗んでやろうと思って見ていた」と梅野らしい、ポジティブな返答だった。そしていざ迎えた復帰戦秋リーグ。下のセットながらも、元気に動き回る梅野が帰ってきた。しかし、秋リーグ終えてみれば0ゴール。「アイスホッケー人生苦しかった時期は?」という質問にも、迷わず「今」と即答した。FWというポジションで、ゴールという最高の味を知ってしまった者には0ゴールはあまりにも辛かった。


 幼稚園の年長から始めたホッケー。福岡というホッケーとは全く馴染みのない地で育った少年には、イベントで見たアイスホッケーは新鮮でかっこよく見えた。このイベントをきっかけに始めたホッケーにのめり込む。当時モトクロスもやっていたが、ホッケー一本にした。中学に上がる時は、本場のホッケーを知るため、北海道にホッケー留学。母には反対されるものの、父の「やれるだけ、やってこい」という言葉に背中を押され、北の大地に移り住む。中学からFW一筋になり、中高で本場のホッケーを学んだ。大学を決める時は監督には関西の学校も進められるも、本人は東洋大を熱望。自分らしいフィジカルなプレーをするための選択だった。中学から慣れない北海道の地で、人間関係、本場のプレーについていけるかという悩みも抱えた。しかし、その時以上に苦しいと言う「今」がいかに辛いものかがわかる。


 昨年の秋リーグ5試合目の相手は中大。この年夏の交流戦で東洋大は中大に1-9と敗れた。鈴木政権になってからは初めてと言ってもいい惨敗だった。不安の中挑んだ試合だったが、見事先制点を決め、勝利の輪の中心に梅野がいた。

 「大学生の時の一番思い出に残っているゴールは昨季の中大戦でのゴール。決めた時も下のセットだったので、本当に嬉しかった」と振り返った。インカレでは順当にいけば準決勝中大との対戦となる。「中大戦は僕が点を取ります」と自信満々に答えた。「僕が決めればチームも盛り上がるし、相手も梅野に決められたと思うはず」とにやり顔。今シーズン中大とは1分2敗と勝ち星はなし。日本一になるためには、必ず勝たねばならない相手だ。リーグ戦無得点でも、何かを起こしてくれそうなワクワクしたものを感じさせてくれる。この男にはそれがある。2強と言われる中大の壁を壊すカギを握っているのはこの男なのかもしれない。


Image title

9日(インカレ決勝後)みんなで騒ぎましょー!!


■梅野宏愛 (うめの・ひろよし) 

164cm/75kg

H5・6・1生/A型

趣味/釣り

好きな食べ物/肉

好きなタイプ/支えてくれる人

座右の銘/「だれかになんと言われるかわからないけど一歩進まないと、成功も失敗もない」


次回は12月30日(水)の掲載です。お楽しみに!

TEXT=星和典