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2015.12.28
アイススケート

[アイスホッケー]特集2日目この選手に注目! ② 悔しい思いはもうしない、挑戦の1年目

 日本学生氷上競技選手権大会まで、あと2週間を切った今。東洋大を優勝に導くためには?スポトウが選んだ注目選手を5日間に渡り記者のコラムによって紹介する。


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ゴールにアシストに健闘したFW阿部(社1=白樺学園)。1年生ながら先輩たちの中でも存在感を放ちチームに貢献した。

 

阿部が初めてスケート靴を履いたのは0歳の時。いとこの影響でアイスホッケーを始めた兄に続いて3歳の頃には自然とアイスホッケーを始めていた。アイスホッケーをする日々が続き、高校は強豪校の一つである北海道の白樺学園高校に入学。練習のレベルの違いや上下関係に悩みながらも自分の憧れるフィジカルなプレーを追及していた。

 

そんな高校時代、阿部には忘れられない悔しい出来事があった。それは高校3年生の最後のインターハイ。優勝すれば1年間のうちにある大会の全タイトルを総なめするという、歴代の白樺学園高の中でもまだ成し遂げられていなかった偉業に大手がかかっていたのだ。しかしインターハイの準決勝で今まで勝ち続けていたライバルの駒大苫小牧高にわずか1点差で敗れてしまう。その時の悔しさが今でも阿部の原動力になっている。そんな悔しさを共に味わっていたのは同学年のFW古川誠(社1=白樺学園)だ。2人の付き合いは小学校の頃にさかのぼる。

 

小学生の頃、古川誠の父親にクラブチームに誘われてから大学に至るまで、ずっと同じチームで戦いを共にしてきたというまさに腐れ縁の2人。「誠也は大事な場面で決めてくれる。スピードもシュート力もあるし、誠也のおかげで勝ってこられた試合もたくさん。そういう部分ですごく尊敬しているし安心感がある」と信頼をおく阿部。同じ悔しさや喜びを分かち合ってきた2人のならではのプレーから目が離せない。

 

 大学に入学してからは主に第一セットで活躍していた阿部だが「最初はやっぱり気を遣って自分のプレーができなかったし、チャンスの時に決められなかった」と振り返る。しかし寮生活にも慣れ、先輩たちとも仲良くなった今では気を遣わずにプレーができるようになり手ごたえを感じている。また、「秋リーグでは4年生を優勝させてあげたかったという思いが強かったけれど、これがやっぱり結果。この悔しさをバネにしてインカレでは優勝したい」と意気込む。

 

 氷上ではフィジカルで力強いプレーが印象の阿部。しかしながら「自分はシュートを決めるよりも、パスのほうが好き。自分のアシストで仲間がゴールを決めるほうが何倍も嬉しい」とはにかむ姿が対照的だった。高校での悔しさ、秋リーグでの悔しさ、先輩たちを優勝させたいというすべての想いをのせて、リンクで魅せる。

 


■阿部魁(あべ・かい)

166㎝/65㎏

H8・5・29生/A型

趣味/音楽を聞くこと、カラオケ、体を動かすこと、ボウリング

好きな食べ物/上タン

好きなタイプ/家庭的で子供が好きな人、可愛らしくて性格の良い子

プチ自慢/なし


次回は12月29日(火)の掲載です。お楽しみに!

TEXT=玉置彩華