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2015.12.31
陸上競技

[陸上競技]無念の繰り上げスタート 来年こそ「4年生への恩返し」誓う

2015全日本大学女子選抜駅伝競走

12月30日(水)富士山本宮浅間大社前~富士総合運動公園陸上競技場


総合18位 東洋大 2:34'39

1区 21位 室伏杏花里(食1=白鴎大足利) 22'22(通過20位)

2区 18位 天羽彩佳(食3=仙台育英) 11'47(通過19位)

3区 21位 森田歩実(食1=浜松商) 15'44(通過20位)

4区 20位 佐藤早也伽(食3=常盤木学園) 34'19(通過20位)

5区 20位 渡部志保(食2=流山南) 17'21(通過20位)

6区 18位 平山絵梨(ラ3=酒田南) 23'59(通過19位)

7区 10位 内田寧々(食2=学法石川)29'07


※静岡県学生選抜がオープン参加のため、区間順位と通過順位に異なります。



Image title富士山本宮浅間大社前から一斉にスタートする選手たち

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第1中継所 室伏(左)-天羽

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第2中継所 天羽(左)-森田

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第3中継所 森田(左)-佐藤早

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第4中継所 佐藤早(左)-渡部


Image title第5中継所  平山繰り上げスタート


Image titleフィニッシュテープを切る内田


 2度目の富士山駅伝に挑んだ女子長距離部門であったが、昨年よりも順位を落とす 18 位に終わった。前半から流れに乗ることができず、第5中継所では無念の繰り上げスタートとなり初めてタスキをつなぎ切ることができなかった。 

 チーム上位7名による 5000m の自己ベストで選抜され、2年連続出場となった今大会。 11 月に自己ベストを更新し、その大きな原動力となった室伏が、今回は1区を任された。夏明けから好調を維持していたが、初めての1区にプレッシャーを抱えてしまいレース序盤で集団から離れてしまう。そのまま最下位で2区・天羽へタスキが渡ると、懸命に前の選手を追い一人を抜かしてタスキリレー。ここから徐々に順位を上げていきたい東洋大だったが、3区を走る森田は故障明けで好調とはいえない状態だっため、後半のアップダウンに苦しめられると再び順位を落としてしまった。チームの巻き返しは続く4区・佐藤早に託された。最長の 9.4 ㎞を走りエースの役割を果たしたかったが、まさかのブレーキ。何とか5区・渡部にタスキをつないだがトップとの差は広がり続け、第5中継所で無念の繰り上げスタートとなってしまった。タスキをつなげなかった渡部は自身初の全国大会に「苦い思い出になってしまった」と悔しさをあらわにした。それでも、一矢報いたい東洋大は最後に意地を見せる。後半の接戦の中で、6区・平山と7区・内田で一つずつ順位を上げてゴール。経験者の力を発揮して見せた。 

 女子長距離部門は現在の4年生の入学と同時に発足された。今大会は下級生主体で挑んだため4年生の出場はなかったが、間もなく引退を迎える第1期生に対して永井監督は特別な思いを抱いていた。「いい報告をして、いい思いで卒業させてあげたかった」。4年生とは何も無いところから共に部をつくってきた関係。それだけに、今回の結果には「申し訳ない」と口にした。それでも、創部2年目で杜の都駅伝の出場権を得るなど、道を開いていった彼女たちを「チームを築き上げてくれて感謝している」と称えた。 

 全国で戦えるチームづくりを目指してきたが、またしても全国の壁を痛感させられる結果となった。アンカーを務めた内田が話すように「エースがいても勝てない」。年明けから続く個人でのレースで、まずは一人一人のレベルアップが求められる。そして、果たせなかった「4年生への恩返し」を来年こそは達成したいところだ。


■コメント

・永井監督
本当に悔しい。今年一番調子の良い室伏を1区にして、エースの佐藤を最長区間の4区、後半は接戦になると思ったので経験のある平山と内田を6区7区に置いた。他は調子の良い選手をつなぎの区間と捉えていた。1区と4区については事前の練習からは考えられない結果だったので、何かアクシデントがあったのだと思う。駅伝で結果を残す難しさを実感した。チーム全員で一致団結してやってきたつもりだったが、何か足りないものがあった。繰り上げスタートについては考えていなかった。4年生が最後だったのでいい報告をして、いい思いで卒業させてあげたかったが、それがかなわなくて申し訳ない。4年生とは(創部して)何も無いところから一緒にやってきて、2年目で杜の都出場という結果を残し てくれた。全国で結果を残すというのは宿題になってしまったが、チームを築いてくれた4年生には感謝している。下級生とはもう一度しっかり話し合い、全国で戦えるチームをつくって来年度は今の4年生に恩返しできる結果を残したい。 

・1区 室伏杏花里(食1=白鴎大足利)  
1区を走るのは初めてだったので、プレッシャーと不安がすごく大きくあった。付き添いの日菜野が走りやすいようにサポートしてくれたので、スタート地点にはいい状態で立つことが出来た。付いていける人に付いていくレースプランだった。レース的には自分の走りが全然できず、すごく悔しい結果となってしまった。順位的にもすごく申し訳ないところでタスキを渡すことになってしまった。1区は流れがすごく大事な区間であるのに最後という順位になってしまい、そのせいでタスキがつながらなかったと思っている。(今後は)今日の皆や先輩方の涙を忘れないで、また一から出直して強くなっていきたい。 

・2区 天羽彩佳(食3=仙台育英) 
調整が上手くいっていない中でのレースだった。1番短い区間だったが、立場的にもう少しいい順位で渡さないといけなかった。悪い流れのまま走ってしまいすごく悔しい。(監督から)最初は下り坂が続くので落ち着いて入るように言われていたが、順位が悪かったので「抜かさないと」と思い、走り出した。でも2 km 過ぎからきつくなってしまった。年明けからはまた新たなにスタートしなければならないので、関東予選までの9ヶ月間で変えるところは変えていかなくてはならないと思う。自分自身は最後の1年になるので、最上級生らしく走りでも生活面でも引っ張れる存在になりたい。 

・3区 森田歩実(食1=浜松商) 
直前に3区を走ることが決まって、けが明けでもあったので不安があったが、地元の静岡で走れるということで少しでもチームに貢献できる走りができるように頑張ろうと思っていた。(レースは)中盤から後半の粘りを意識して走った。前の選手が見える位置にいたので、少しでも詰めていこうと思った。しかし、逆に離されてしまい、選抜チームにも抜かされてしまったので、まだまだ練習不足だと思った。後半のアップダウンが一番苦しかった。(振り返って)自分のところでもう少し詰めることができていたら、繰り上げもなくタスキをつなげていたと思うので、それがすごく悔しい。今後はけがなく練習を続けて、また選手として走れるように力をつけていきたい。 

・4区 佐藤早也伽(食3=常盤木学園) 
次の区間の選手が走りやすいように精一杯走った。体調不良は理由にはしたくない。まだまだ自分の力不足だなと思う。(チームとしては)全然何も足りてない。一人一人が全国で戦えるような強いチームになりたい。来季は最終学年になるが、チームを引っ張っていけるような存在になりたい。 


・5区 渡部志保(食2=流山南) 
選手に選ばれると思っていなかったので発表されたときは驚いた。前に鹿屋体育大が見えていたが繰り上げになるかもしれないと言われ、とりあえず前を追っていればもしかしたらタスキをしっかりつなげるのではないかと思って、前だけを見て走った。(全国規模の)大きな大会に出るのは初めてだったので、タスキをもらったときにここで自分がやってやらなきゃいけないと思った。(繰り上げになってしまったときは)気が動転していたのか実感がなかった。今年は初めての全国の舞台で苦い思い出となってしまったので、次は自分が自信をもって選手に選ばれて、この悔しさを大きな大会で晴らさなければいけない。3年生になるので主力として戦えるように 5000m の自己ベストを更新して、監督に安心して選手に選んでもらえるようになりたい。 

・6区 平山絵梨(ラ3=酒田南) 
最後までタスキをつなげなくて、本当に悔しい気持ちでいっぱい。(レースを振り返って)5区の渡部からタスキを受け取れなくて繰り上げスタートになってしまったが、次に渡すことはできなくても自分の走りをして、力を出し切れるように頑張った。5秒前にスタートした鹿屋体育大は中間点で抜かすことができたが、その前の大学はなかなか見えてこなくて単独走の状態が続いた。後半はずっと直線だったが、沿道で東洋の応援をしてくれる人が多かったので力になった。(今後に向けて)来年の杜の都が次の駅伝になるので、そこまでにひとつひとつやるべきことを明確にしてチームで上を目指して頑張っていきたい。 


・7区 内田寧々(食2=学法石川) 

(上りは)むしろ苦手で今回選ばれたのはびっくり。(レースプランは)試走した時高速道路を越えたトンネルからの上りがきついなと思ったので、そこまでは抑えてそこからどれだけ粘れるかと考えていた。(実際は)いつも前半に突っ込んで後半に失速するパターンが多いので、今回は冷静に考えながら走れたと思う。(4人一斉スタートとなったが)わけがわからないままのスタートだった。鹿屋体育大の方にちょっと付いていったがすごく速かったのでこのままいったら後半きついなと思って離れた。ずっとオレンジのユニの人がちょっと前にいたので、とにかく一つずつ上げていこうと考えながら追い掛けて、その大学しか見えていなかった。(今回の結果は)関東ではぎりぎり戦えるチームになりつつあ ると思うが、全国になると一人だけの力では戦えないと杜の都でも思った。チーム全員が勝ちたいという意識でやらないと、エースがいても勝てないなとすごく感じた。(今後は)今年は足に不安があり思うように走れなかった。でも今回走ってみて応援してくださる方がいるから頑張りたいと、このままでは終われないなとも思う。来年は3年になるので、もっとチームを考えて動けるように、自分のことだけではなく全員で強くなれるにはどうしたらいいか考えながらやっていきたい。 


TEXT=伊藤空夢 PHOTO=野原成華、吉川実里、伊藤空夢、青野佳奈、石田佳菜子、福山知晃