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2016.01.07
コラム

第494回 陸上競技部って4部門あるんだよ! 執筆者・石田佳菜子

 あけましておめでとうございます!2016年もスポーツ東洋をよろしくお願い致します。

と挨拶したものの、3年生は先日の箱根駅伝で引退したので、私はこれがこのHPで自分の記事を発信する最後になります。

 改めまして、アメフト・バスケ・陸上競技を担当させていただきました。えくぼは逗子の落とし穴!スポトウアンケートの無敵笑顔2連覇、社会学部3年の石田佳菜子です。3年間、実家の逗子からせっせと各地へ足を運びました。トータルの移動時間は同期の中でダントツ一番だと思います。

 私は子どもの頃から地元で行われる箱根駅伝のファンでした。そして大会の舞台裏や選手の素顔を知る情報源として、陸上雑誌の記事を読むことが好きでした。多分、書き手の視点が入った気持ちの伝わる内容に惹かれていたからです。88回大会の東洋大優勝の際、ある記事を読んで衝撃的に感動した私は初めて「私もこんな風に自分の好きな世界を言葉で伝えてみたい」という夢ができました。その思いのままスポトウへ入部し、それからこの3年間は密度の濃すぎる幸せな時間でした。最後の1年は陸上競技班のチーフも務めさせていただき、胸を張って誇りを持って「人生で一番頑張った3年間」と言うことができます!!

 でも、本当に見てきたことをすべて伝え切れたのか。正直、まだまだ伝えたいことはあります。なので、最後のコラムは普段の記事ではお伝えできない、私が3年間お世話になった「最高のチーム」について書きたいと思います。そうです。陸上競技部って4部門あるんです!!!


 

 ■短距離部門 

短距離部門はとにかく明るい、仲良しで個性があふれていて、競技ではもちろんそれ以外でも楽しませてくれるチームです。また、短距離種目は個人競技のイメージがありましたが、短距離部門には「チーム力」を感じることが多くありました。それを象徴していたのが昨年5月の関東インカレです。過去最高成績を目指した中で、絶対的エース2人の欠場、4継の失格などまさかのアクシデントが起こり、いつも明るい短距離部門から笑顔が消えてしまいました。あのときの雰囲気を思い出すと今でも涙が出てきそうです。でも、ここから好成績の快進撃が始まりました。悔しい思いをした仲間の分まで奮起する、選手の気持ちがこれでもかと伝わってきて何度も震えたり、その躍進のそばには常にスタンドからチームメイトへ熱すぎる応援が送られていたり。本気で人を応援する姿や、その応援が力になる瞬間を見て、これがチームなんだと思いました。もう一つ忘れられないのが競技後、取材のために陣地に行くと、閉会式へ誘導しようと指示を叫ぶ総主将の声が驚くほどにつぶれていたことです(笑)総主将自身も4継が失格となり悔しい思いをしたはずですが、その後は身を乗り出して声を張り上げてチームメイトのことを自分のことのように応援していて、その背中が何よりこのチームを表しているんだと思いました。最高のチームに最高の主将、かっこよかったです!

 ■女子長距離部門 

私が取材させていただいた中で唯一の女子チームなので、特別な存在です。創部4年目ということで1年1年の取り組みが部門の礎を築くためにあって、まさに歴史を刻んでいると感じていました。その中で杜の都に3回、富士山に2回連れていっていただけたことは貴重な経験です。選手のみなさんは普段はごく普通のかわいい女の子で、コメントをいただくときに少しシャイな顔が見えたり、競技場から見える夕陽に盛り上がる姿を見たこともあります。そして彼女たちを見守る永井監督は本当に優しい方で、選手を否定するような言葉を聞いたことがありません!家族のような温かいチームです。最後の取材となった富士山駅伝が悔しい結果に終わり、みなさんの笑顔を見ることができなかったことが心残りなので、これからの躍進を楽しみに心から応援しています!

■ 競歩部門 

スポトウの活動を通して私が競技として一番好きになったのは競歩です!それは、常に世界を目指す競歩部門の選手、一人一人の積極的な姿勢に魅せられたからです。私たちはコメントをいただく際、ある程度の返答を予想しているのですが、競歩部門の選手にはあまり通用しません(笑)予想以上の高い意識を聞くことがほとんどで、純粋に「すっごい!!」と感動してしまうことが多くありました。インカレなど対校戦では、レース中でも互いに声を掛け合ったり、タイムの伸びない選手を余裕のある選手が引っ張ったり。「学生には絶対に負けない」という気持ちが歩きから伝わってきて、わくわくしてばかりでした。世界大会の記事や優勝の記事ばかり書かせていただき、気持ちよかったです。何より競歩は本当におもしろいです。これからも生で観戦してその速さ、強さを体感していきたいです。

■ 長距離部門

日頃の記録会から合宿、インカレ、そして3大駅伝と様々な場面を取材させていただきました。思い出のレース、コメントやエピソードが数え切れないほどあります。またチームスローガンの「その1秒をけずりだせ」は、走りだけではなく日頃の生活からも努力が感じられて、陸上競技にまっすぐ向き合う姿こそが鉄紺のゆるがない強さをつくっているんだと思いました。今年は私自身チーフとして悩むことがあったり、プレッシャーを感じることもありました。それでも最後まで前を向いて頑張れたのは、全日本大学駅伝初優勝やホクレンでの記録更新の瞬間。故障明けの復帰レースや殻を破って何かきっかけをつかんだ走りなど。一人一人の選手の走りに元気をもらい、心を動かされていたからです。酒井監督にも取材の度に温かい言葉をかけていただき、何度もインタビューをさせていただいた経験は私の一生の宝物です。お世話になりすぎて感謝の気持ちしか浮かびません。かけがえのない経験をたくさんさせていただいて本当に幸せでした。


 

 東洋大の陸上競技部に関わらせていただき、陸上経験がまったくない私も「陸上競技」が大好きになりました。取材をするのが、記事を書くのが、新聞をつくるのが楽しくて、この活動が大学生活のすべてだと思えたのは、取材の対象が最高なチーム・選手で、スタッフの方々にご理解をいただけたからです。また毎年お世話になっていたマネージャーさんがいなければ私たちの活動は成り立ちません。いつも優しく対応してくださり救われていました。心を込めて、ありがとうございました!これからもずっと応援しています。

 最後に読者の方をはじめ、校友会・OBの方や大学関係者の方々にこれまで本当にお世話になりました。スポーツ東洋は多くの大人の支援があって、本当に恵まれた環境でのびのびと活動をすることができています。未熟な大学生に本気で関わってくださり、本当にありがとうございました。

 そして、どんなに朝が早くても私より先に起きて朝ごはんをつくってくれて、私が一睡もせずに記事を書いていたら「少しでも横になりなさい」と学校まで車で連れて行ってくれたお母さん。1週間で2回北海道に行きたいって無茶も(笑)全面的に応援してくれて、サポートがあったから頑張れました。夜中に食べるおにぎりは無敵でした。ありがとう。


 

 もっと感謝を伝えたい人がいるのですが、長くなりすぎてしまったので直接伝えます。大学生になって休みの日は取材しかしていなかったので、これからどう過ごせばいいのかわかりません(笑)でも多分、またたくさん大会に足を運んでしまうと思います。

本当に楽しくて仕方がない夢のような3年間でした!!