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2016.01.10
アイススケート

[スピード部門]インカレ総合7位 個人の成長が求められる

第88回日本学生氷上競技選手権大会

1月9日(土) 栃木県立日光霧降スケートセンタ―

 

◆男子2000㍍リレー

小林―川目拓―上地―遠藤

6位 2分27秒16

 

◆男子チームパシュート

川目健―島田―大藤

10位 4分13秒27

 

◆スピード部門男子総合

7位

 

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上地㊧と遠藤主将は昨年もリレーに起用されている


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先輩の走りに食らい付く大藤㊧、川目㊥、島田


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4年間の役目を果たした遠藤主将㊨と高柴


 インカレを締めくくる最終種目は2000㍍リレーとチームパシュートの2種目。3位以上を目標としたレースだったが、結果は振るわず表彰台には届かなかった。最終日を終えて男子総合7位と、昨年4位よりも大きく順位を落とした。


 快晴の青空の下迎えたインカレ最終日。まず行われた2000㍍リレーでは、第1走者に小林(社1=市立長野)、第2走者に川目拓(社1=駒大苫小牧)と共に1年生が起用される。積極的なスケーティングで滑り切り、事前合宿では不安要素でもあったバトンパスも上手くつないだ。第3走者の上地(社2=佐久長聖)から慎重にバトンが託されたアンカーは、昨年に引き続き短距離エース・遠藤主将(社4=駒大苫小牧)だ。「残り200㍍の脚の動きは最高だった」と加部監督も高評価。しかし、2分27秒16と、タイムはあまり伸びず表彰台を逃す。6位という結果に遠藤は、「気持ち良く滑れたが、表彰台を狙っていたので悔しい」と肩を落とした。


 チームパシュートでは、川目健(社3=駒大苫小牧)、島田(社2=佐久長聖)、大藤(社1=苫小牧工)が出場。結果は4分13秒27で10位と振るわなかったものの、1年生ながら大舞台を任された大藤にとっては来季につながる一つの経験となった。


 競技終了後、ラストインカレを終えた4年生の遠藤主将と高柴(社3=日光明峰)には後輩から大きな花束と思いの詰まった色紙が贈られた。たった2人の4年生でチームを引っ張ってきた遠藤と高柴。絆はどの学年にも負けていない自信がある。2人が支えあってきたからこそ、モットーである“オンとオフの切り替えがしっかりした”チームに成長できた。インカレという団体戦が終わった今、求められているのは個人の成長だ。低いレベルの目標に甘えず常に高みを目指してひたすら追い込む。そうして東洋大はこれからも強くなっていく。


■コメント

・加部監督

(リレーは)遠藤の残り200㍍の脚の動きは最高だった。(インカレの総括としては)最悪だね。個人個人の意識レベルが全然違う。(遠藤主将については)白黒はっきりしていて、一見ちゃらんぽらんに見えるけどやるときはしっかりやる。メンタルも強い。(次のキャプテンは)一馬(上地)。全体のことを考えることができるのはやっぱり一馬。(副キャプテンは)隆平(島田)だね。今度3年だけど、長距離のエースだ。中距離と長距離は一緒に練習しているから、長距離専門をキャプテンにした方が中距離が強くなる。中距離は中距離の練習しかできないからね。(これから目指すところは)目標は確かに優勝だけど、今はとにかく全体的に個人個人のレベルを上げること。自分の目標に達するにはどういう練習をしたらいいかとか、結果はともあれそういうことをできる人間になってもらいたい。


・遠藤主将(社4=駒大苫小牧)

(リレーについて)気持ち良く滑れたが、表彰台を狙っていたので悔しい。練習の時は1走と2走のところが危なかったが、日光に来てからはちゃんと出来ていたので良かった。(タイムについて)実力的にはもっと上を狙えたが、本番で走れていなかったので悔しい。(最後のインカレだが)去年より良い成績で終われなかったことに悔いは残るが、チームとして1年間やってきて、東洋大に入って良かった。(主将として苦労したことは)去年から練習内容を変えて色々試してみて、それがレースに結びついた選手も結びつかない選手もいたので、練習内容を考えることが大変だった。チームをまとめることに苦労したが、今思えばキャプテンになって良かったなと思う。自分自身も成長できた。(後輩に向けて)みんなもう少し技術が上がれば速くなると思うので、自分が持っている知識を周りに伝えて、今後に生かしてほしい。(短距離で伸びている選手は)1年の小林は高校の頃そんなに目立った成績は出てないが、大学に入ってすごく伸びている。自分と似たところもあるので、期待したい。次の短距離のキャプテンは上地になると思うので、後輩たちにこれからも頑張ってほしい。


・高柴(社4=日光明峰)

1年生と4年生の時に地元の栃木でインカレに出場できたってゆうのは奇跡に感じる。本当に嬉しかった。地元の人ももちろんだし、遠くからも応援しに来てくれる人もいて、そういう人たちに感謝の気持ちを持って滑れたと思う。(同学年が2人だったことは)他学年が4、5人いる中、遠藤と2人でこなさなきゃいけないのは仕事の面はもちろんだけど、なにより支え合わないと何もできない状況。大変だったけど絆はどの学年にも負けてない自信がある。(東洋大で良かったと思える瞬間は)今日の最後もそうだけど、どこの大学よりも大きい花束をくれたり、豪華な色紙を作ってくれたり、チームを思いやる気持ちが大きいし、オンとオフの切り替えもしっかりしていて切磋琢磨し合える。そういうところを好きだなと思う。(後輩には)自分たちが掲げていた三部門の総合優勝を掲げて成し遂げてほしい。個人個人は才能を持っている人ばかり、そこを伸ばしていって、いい結果を聞けるのを楽しみにしている。


・川目健(社3=駒大苫小牧)

(パシュートは)実力不足を受け止めるしかない。(練習の時は)良かったが練習でもその程度のレベルだった。(大藤について)良いレースをしていた。1年だけど最後まで走っていたので。ただ1年生がこうゆう舞台に出ているっていう時点で東洋大のレベルが知れているのではないかと思う。インカレのような大舞台は経験している上級生が有利ではあるがそこで1年生が起用されるのは上の層が薄いからだと思っている。(遠藤主将は)口でも背中でも引っ張っていけるようなキャプテンだった。4年生にはとても感謝している。(これからに向けて)最後の1年なので、口だけで終わりたくない。自分はインカレの1500㍍で優勝したい。


・上地(社3=佐久長聖)

滑っている時は進んでいる気がしなくて、自分がもう少し滑れたら順位が上がったのかなと思う。悔しい。チーム戦なのでミスしたら自分の責任でチームに迷惑がかかっちゃうので、個人で滑るときよりも緊張する。来年最後の1年になるのでインカレで成績を残せるように頑張りたい。


・大藤(社1=苫小牧工)

(パシュートは)千切れないように意識していたがタイムが遅かったので来年に向けて調整していきたい。(先輩と走ったことは)実力的に2人とも上なので安心感が大きい。川目さんには失敗しても俺が責任とるからと言ってもらって頼もしく感じた。タイムは良くなかったが、自分の役目は果たせたので納得のいくレースになった。(来シーズンは)全体的に弱い部分があるので強くなって代表取れるように頑張りたい。


TEXT/PHOTO=坂口こよみ