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2016.04.06
硬式野球

[硬式野球]7季ぶりの1部勝利! 完投&大量得点で投打噛み合う

平成28年度東都大学野球春季1部リーグ戦・専大1回戦

4月5日(火) 神宮球場

東洋大8-3専大

(イニングスコア)

1回戦










専大






東洋大



X

(東洋大)

○石倉(1勝)―西川元

二塁打:安西、田中将也



打順                    
守備
名前




(遊)
阿部健(営4=帝京)


(右)安西(営4=聖光学院)


(指)
中川(法2=PL学園)

(中)
笹川(営4=浦和学院)


(一)
鳥居(営4=愛工大名電)


(三)
田中将也(営3=帝京)


(二)
宝楽(営3=PL学園)




打二
津田(総1=浦和学院)

(左)
川本(営1=帝京)


西村(営4=広陵)

藤森(営4=文徳)

茶谷(営4=東北)

(捕)
西川元(営3=浦和学院)







26


名前




○石倉(営4=帝京)

36


石倉は初めての先発を開幕で任されるも堂々としたピッチングを見せた


中川はここぞという場面でしっかりとランナーを返した


4回、勝ち越し打を放つ西川


ルーキーらしからぬ落ち着きで最低限の仕事をした津田



 神宮で再び勝利を刻んだ。1部復帰戦となった専大との初戦は打線が大量8得点を奪うと、3季ぶりの公式戦登板で、大役を務めた石倉(営4=帝京)が九回3失点と好投。投打が噛み合い、快勝した。


 大黒柱が抜けた穴を見事に全員で埋めた。昨秋一人で81回3分の1を投げた原樹理(H27年度営卒=東京ヤクルトスワローズ)。その穴を埋めるべく、オフシーズンに多くの投手がアピールを行ったが、その中で開幕投手に指名されたのは石倉だった。

 昨年一度も公式戦登板がなかった左腕が今年のチームを占う戦いに自身初の先発として先陣を切った。だが、初回は球が高めに浮き制球が定まらず、思うように投げることができない。打者二人、わずか5球で先制されてしまう。打線も二回まで相手先発投手の高橋礼に翻弄され、思うように打てなかった。しかし、三回に1年生ながら開幕スタメンに名を連ねた川本(営1=帝京)が四球で初めて出塁する。その後二死満塁とすると昨年チーム首位打者だった中川(法2=PL学園)に打順が回る。3球目をつまりながらも右前に落とし、同点とする。さらに、四回には高橋礼が冴えていたインコースへのコントロールが急に定まらなくなり、守備のミスも相まって2死ながらもチャンスが生まれた。「一本出そうと考えていた」と強気に打席に立った西川元(営3=浦和学院)は中前にはじき返すと2者が生還。この試合初めてリードを奪った。さらにその後安西(営4=聖光学院)も適時打を打ち、高橋礼をノックアウト。一方、石倉も三回から落ち着いた投球を見せ、五回まで3回連続三者凡退に抑える。西川元が「カーブが良かった」と言うように中盤からは変化球でストライクを重ねていった。また、大物ルーキーとして期待されていた津田(総1=浦和学院)が七回無死満塁のチャンスに代打で登場。「最低限の仕事ができた」と、きっちりと犠飛を放ち、見事初打点をマークした。高橋監督も「さすがですよ。あんな場面(8回無死満塁)で出てきて雰囲気に飲まれないんですから」と称賛した。石倉は危なげない投球を続け、自身初の先発登板に完投勝利という最高の結果で応えて見せた。打線も8打点を挙げ、「勢いが出た試合になってよかった」と田中将也(営3=帝京)が言うように相手投手の隙を見逃さなかった。結果、2012年秋以来の1部での勝利を挙げた。

 高橋監督が持つ1部での勝利数「509勝」という記録。これは降格した2012年秋以降更新されていなかった。1部復帰となった今年の初戦で「510勝」に更新し、幸先のいいスタートとなった。この記録を今季だけでいくら伸ばせるのか。記録のさらなる更新に期待がかかる。そして、この勢いを保ち、昨年専大が成し遂げた昇格即優勝を再び神宮球場のファンたちに見せてほしい。


■コメント

・高橋昭雄監督

石倉はオープン戦では良かったり悪かったりという感じだったから、3点で踏ん張ってくれてよかった。(打線は)オープン戦にはないような攻撃で逆転してくれた。中川はおっつけてよく打ちましたよ。頼もしい2年生です。津田はさすがですよ。あんな場面(8回無死満塁)で出てきて雰囲気に飲まれないんですから。最後もいいところ守ってましたね。

・笹川主将(営4=浦和学院)

前日も試合前も緊張することなく試合に臨めた。入れ替え戦の方が緊張していました。一昨日のミーティングでは、みんなの分もしっかりやろう、悔いのないように全力でやっていこうと話しました。石倉は4年生なので、エースとしてしっかりと試合を作ってくれて頑張ってくれた。明日は1点1点を積み重ねて試合を作っていければいいなと思います。結果出せるように頑張ります。

・鳥居(営4=愛工大明電)

バッティングの調子は、自分的には急に戻ってきたわけではないが、気持ち的に、開幕なのでマイナスに考えず、プラスにやっていこうと思った。監督に思いっきり振っていけと言われ、それが結果につながった。(自分の評価を百点満点で評価すると)三振が二つ、ファーストとしてのカバーが二つできなかったので40~50点くらい。(明日に向けて)今日は守備でチームに迷惑をかけてしまったので、守備をしっかりしたい。送球をしっかりカバーできるようにしたい。

・田中将(営3=帝京)

初回に点取られたときに、この勢いに飲み込まれてしまうかも、雰囲気にやられてしまうかも、と臆病になってしまったが、(東洋の)打者が一巡して開き直れました。昨日は緊張せずいつも通り眠れました。1部昇格して、挑戦者として試合に臨んで勢いが出た試合になって良かったです。(明日に向けて)今日はみんなが浮き足立っていたというか、手探りの状態だったと思いますが、今日戦って分かったことが多くなったので、大事なところで1本打てるように、取れるところを取って、自分は元気を出して勝てるようにしたいです。

・西川(営3=浦和学院)

(先発の石倉さんは)最初は打たれたんですが、そのあとは辛抱強く投げることができたので良かったと思います。カーブが良かったのと、相手打線が合ってなかったので多く投げさせました。(四回の場面では)2死だったんですけど、チャンスだったので1本出そうと考えて打席に立ちました。そのあと、安西さんが打っていい流れを作れたと思います。明日もまた強気なリードで一球一球後悔しないような配球をしていきたいです。いつも自分は一本のヒットで終わってしまうので、1本2本と打てていい仕事ができればいいなと思います。

・津田(総1=浦和学院)

(代打での公式戦初出場は)少し緊張気味だったけれど、チームが押している場面だったので思いきりいくことができたので良かった。追加点を取ってやるという気持ちで打席に立っていました。カウントが2-2だったので変化球を頭に入れながら、外角の直球に対応しようと思っていました。それで、最低限のことができたのでよかった。(試合中は)阿部健(営4=帝京)さんが点差があるから、焦らず一つ一つ取っていこうと言ってくださって、守備の面でサポートしていただけたので良かった。明日は出場機会があれば、チームに貢献できるようなプレーをします。


TEXT=青池藤吾 PHOTO=菅野晋太郎、美馬蒔葉