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2016.04.08
水泳

[水泳]日本選手権4日目 内田、リオへ一歩前進!

第92回 日本選手権水泳競技大会 競泳競技

兼 第31回 リオデジャネイロオリンピック競技大会 代表選手選考会


4月4日(月)~10日(日)  東京辰巳国際水泳場




﹙4日目・予選﹚ 

◆女子100m自由形 

3組 

2着 宮本 56"32 

→全体9位で準決勝進出 

4組 

4着 岩本 56"99 

5組 

1着 内田 54"94 

→全体1位で準決勝進出 

◆男子200mバタフライ 

3組 

3着 三好 1'58"44

 →全体11位で準決勝進出 

5組 

5着 牧田 1'59"29 

◆男子200m平泳ぎ 

7組 

5着 毛利 2'12"33 

→全体15位で準決勝進出 

7着 上田 2'17"59

 8組 

2着 山口 2'13"11


(4日目・準決勝)

◆女子100m自由形

2組

1着 内田 54"20

→全体1位で決勝進出

5着 宮本 56"20


◆男子200mバタフライ

2組 

3着 三好 1'57"91

→全体7位で決勝進出


◆男子200m平泳ぎ

2組

6着 毛利 2'10"77

→全体7位、同着のためスイムオフ※


※スイムオフ

1着 毛利 2'10"18

→決勝進出


(4日目・決勝)

◆女子200m個人メドレー

5位 大橋 2'12"12



リオへの期待がかかる内田



惜しくも準決勝進出を果たせなかった山口



スイムオフで決勝進出を決めた毛利


今大会好調の大橋





 日本選手権4日目、リオデジャネイロ(以下、リオ)五輪代表の有力候補の一人である内田(営4=関東学園大附)が女子100m自由形において決勝進出を決めた。

 「心臓がバクバクして寝られなかった」。五輪選考会特有の緊張感が内田を襲う。しかしその緊張を微塵も感じさせない泳ぎで予選、準決勝を通過。準決勝では54秒台前半を出し、派遣標準記録である53秒81を切る自信をのぞかせた。また、同種目の日本記録保持者である池江(ルネサンス亀戸)とのレースにも注目が集まる。池江とのレースについて聞かれると、「勝ちたい」と言い切った。5日目の決勝で笑顔のガッツポーズが見られることに期待だ。


 男子200m平泳ぎでは、同種目の世界記録保持者である山口(法4=志布志)がまさかの予選敗退を喫した。ロンドン五輪が開催された2012年の国体で、当時高校3年生だった山口が世界記録を更新したことは競泳界に衝撃を与えた。それから4年間オリンピックを目指してやってきたが、なかなか思うようにタイムが出ない。今回の五輪選考会では、4年間の集大成を結果で表すことができなかった。しかしこの結果を冷静に受け止め、「今シーズンはまだ始まったばかりなので、練習を大切にして諦めずに頑張りたい」と前向きにコメントした。

 また、同種目で準決勝に進んだ毛利(営3=金沢)は、3人同タイムで全体7位となり、スイムオフで決勝進出を決めた。3人のうち2人だけが決勝進出できるという熾烈な争いにも、「自信はあった」と強気な姿勢。5日目の決勝では、「派遣標準記録突破よりも、自分のレースをする」と意気込んだ。

 

 今大会自己ベスト更新が続く大橋(国3=草津東)は、女子200m個人メドレー決勝に出場した。実力のある選手がそろい、派遣標準記録突破者が2人出るなど大混戦となったレースを5着でゴール。「練習不足だった」と悔しい表情を見せたが、準決勝では自己ベストを更新している。6日目の女子200m背泳ぎにも期待がかかる。

 

 男子200mバタフライでは、三好(営3=八幡浜)が見事準決勝を勝ち抜き、決勝進出を果たす。上半身とキャッチの強化が上手く結果に結びついた。日本選手権では2回目の決勝進出となる。5日目の決勝では自己ベストを更新することを目標として掲げた。

 

 決勝進出者が続出した日本選手権4日目。5日目には、内田の女子100m自由形決勝、そして萩野の男子200m個人メドレーと、リオ五輪最有力候補がそろう注目レースが行われる。




■コメント

・内田(営4=関東学園大附)

アップのときにあまり力が入らないような感覚があって、予選からしっかり泳いでいこうと先生と話していた。予選から54秒台が出て安心した。予選で54秒台、準決勝で自己ベスト、決勝で53秒まん中を狙っていきたいと思っていた。(自分の種目が始まるまでの気持ちは)早く泳ぎたいという気持ちより、まだもう少し悪あがきさせてくれという感じだった。でも、いざ泳いだら楽しみになってきた。腰の調子はいつも通りあまり良くないが、痛い中でもしっかり練習は積めてきたのでベストパフォーマンスができると思う。アップのときは痛くならないように泳いだりするが、本番では腰を気にせず泳いでいる。昨日の夜、頭の中で泳ぎをイメージしたら心臓がすごいバクバクして寝れなかった。やっぱりそういう部分はまだプレッシャーや緊張をコントロールできてないなと思う。(平井監督も調子の良さに太鼓判を押していたが)1ヵ月高地合宿に行ったとき、すごい調子が良かったので今回はいけるという感覚はあった。個人で派遣標準記録を突破したいと言ってもう4年になるので、本当に強い気持ちを持って臨みたい。準決勝は、54秒頭を狙って泳いでいきたいと思っていたので、もう少しタイムがほしかったなと思うが、感覚は予選よりよかったと思う。(54秒2というタイムについて)前半がもっと上がるので、そこを詰めていけば派遣標準記録突破も難しくないと思う。(予選の前は緊張したと言っていたが)準決勝はあまり緊張しなかった。雰囲気が予選とはがらりと変わって、集中しやすい雰囲気だったので良かった。入場で名前を呼ばれたり、拍手してくれる方々がいるのはすごく嬉しい。(リレーは内田の記録が重要になってくると思うが)一人当たりの平均タイムが54秒4とちょっと速いと思うが、私と池江(ルネサンス亀戸)選手でリードを作って派遣標準を突破したいなと思う。(池江選手との勝負について)準決勝は隣のレーンじゃなかったので、少し気楽な部分もあったが、決勝はしっかり隣なので果敢に攻めていきたい。勝ちたい。


・山口(法4=志布志)

昨日軽く調整して、今日の朝も結構良い感じで泳げていたが、泳いでみたらこういう結果で残念。先生もまさか予選落ちするとは思っていなかったと思うので、すごく申し訳ない。泳いでいるときも、あまり良くないとは思っていた。一呼吸目でちょっと硬いなとは思った。まさかここまで悪いとは思っていなかった。もう少しできることはあったんじゃないかと思う。今日のレースは悔やまれるレースだったし、サポートしてくれた皆さんに申し訳ない気持ち。4年前は3位で派遣標準記録を切っていたが、今ではもう準決勝にも残れないレベル。まだ自分の気持ちに整理はついていない。(4年間の思いが詰まったレースだったか)そんなに気負いすることなく調整してきたつもりだったが、どこかでスッキリしない部分があった。(この4年間いろいろな思いがあったと思うが)3年間ずっと2分10秒も切れないようなレベルで停滞していて、その中でもずっと水泳を続けて、仲間と一緒にオリンピックを目指して練習するのは楽しかった。自己ベストを出してから4年が経って、ずっと2分10秒が切れない中、水泳を続けてこれたのは、サポートしてくれた先生、家族、コーチ、マネージャーさんのおかげだと思う。みんながいなかったらもっとタイムも悪かったと思うし、大会にも出られなかったかもしれないし、もしかしたら水泳を続けていなかったかもしれない。(自分に勝つというテーマでやってきたが)ここまでずっと続けてきたっていうのは、これからの人生の糧になると思う。練習もつらかったし、タイムが出ないこともつらかったが、サポートしてくれた皆さん、応援してくれた皆さんに感謝したい。4年間やってきて、今日終わって、悔しい気持ちもあるし、正直ホッとしている。終わったからではない。4年間いろいろ我慢してきて苦しかったが、楽しかった。そういう感情から解き放たれた。(この先水泳を続けるか)来年は社会人になるので、学生と違って結果を出さないとやっていけない世界に足を踏み入れることになる。今の状態でいくと、水泳をやりたくてもできないかもしれない。でも、僕自身は水泳がすごい好きだし、嫌いになるまでやりたい。嫌いになることはないと思うが、とりあえずチャレンジしていって今シーズンで考えていきたい。(水泳が好きな理由は)単純に泳いでいて気持ちいいのと、レースで自己ベストを出したりメダルをとる喜びがいい。でも、最近はずっとこの喜びがない。水泳に向き合ってもっとしっかり考えていきたい。練習したくないときはあったが、4年間で水泳をやめたくなることはなかった。まだ今シーズンは始まったばかりなので、一回一回の練習を大事にして諦めずに頑張っていきたい。


 ・毛利(営3=金沢)

スイムオフ泳ぐ前から、自分は本番に強いと思っているので自信はあった。緊張しがちなタイプだが、準決勝泳いですぐスイムオフだったので、緊張がほぐれて逆に自分の泳ぎができたと思う。決勝に向けて、派遣標準記録切る人はたくさんいると思うので、自分は自分のレースで、2分10秒を切る自己ベストを出せればなと思う。次のレースにつながるレースができればなと思う。

 

・大橋(国3=草津東)

もう少しいけると思っていた。少し悔しい。1日に決勝だけっていうのが初めてのことで、どう行動しようかなと迷ったが、準備不足だと思う。あまり緊張はせず、緊張を楽しみながらレースができたと思っている。前半のバタフライ、背泳ぎはよかった。後半の平泳ぎは平井監督からアドバイスをいただいたが、練習不足で上手くいかなかったので申し訳ない気持ち。(今大会好調の理由は)冬からここで結果を残すという気持ちでやってきた。200m個人メドレーも一応自己ベストなのでそこに関してはよかった。(200m背泳ぎへの意気込み)背泳ぎは久しぶりなので楽しみながら自己ベストを更新できたらと思う。

 

・三好(営3=八幡浜)

自分がやってきたことを信じて泳ぐだけだった。タイムは6秒前半を狙っていた。決勝では、自己ベストが7秒48なので6秒前半出したい。一回一回の練習を大事にしたい。上半身の強化、キャッチの強化をしたことが良かった。最後は浮いてしまったが、しっかり良い泳ぎになっている。後半上げられるようにしたい。選考会での決勝は初めて。去年の日本選手権でも200mバタフライ決勝に行ったので、今回が2回目の決勝。

 



TEXT=吉谷あかり PHOTO=菊池美玖

ジャパンオープン2016
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