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平成28年度東都大学野球春季1部リーグ戦・専大3回戦
4月8日(金) 神宮球場
東洋大6-5専大
(イニングスコア)
3回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
専 大 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 5 |
東洋大 | 0 | 0 | 5 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 6 |
(東洋大)
○石倉(2勝)、甲斐野、山下―西川元、澤田
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (遊) | 阿部健(営4=帝京) | 4 | 3 | 1 |
2 | (右) | 安西(営4=聖光学院) | 3 | 0 | 0 |
3 | (指) | 中川(法2=PL学園) | 2 | 0 | 0 |
打 | 宝楽(営3=PL学園) | 1 | 0 | 0 | |
4 | (中) | 笹川(営4=浦和学院) | 3 | 0 | 1 |
5 | (一) | 鳥居(営4=愛工大名電) | 3 | 1 | 4 |
走遊 | 藤森(営4=文徳) | 0 | 0 | 0 | |
6 | (三) | 田中将也(営3=帝京) | 4 | 0 | 0 |
7 | (二) | 宇佐川(営3=済美) | 3 | 0 | 0 |
8 | (左) | 川本(営1=帝京) | 0 | 0 | 0 |
打左 | 茶谷(営4=東北) | 3 | 2 | 0 | |
9 | (捕) | 西川元(営3=浦和学院) | 1 | 0 | 0 |
捕 | 澤田(営4=新湊) | 1 | 0 | 0 | |
計 | 28 | 6 | 6 |
名前 | 回 | 打 | 安 | 責 |
○石倉(営4=帝京) | 61/3 | 31 | 10 | 5 |
甲斐野(営2=東洋大姫路) | 1/3 | 3 | 0 | 0 |
山下(営1=東邦) | 21/3 | 8 | 0 | 0 |
鳥居は起死回生の一発を放った
ベンチに戻ってくると満面の笑顔を見せた鳥居
茶谷の二塁打が逆転の口火となった
勝ち点をかけて戦った対専大3回戦。3回に鳥居(営4=愛工大名電)の満塁本塁打が飛び出すなど6得点。開幕カードで貴重な勝ち点を獲得した。
「まさか入るとは思わなかった」鳥居本人もびっくりの人生初の満塁本塁打となった。1点を追う三回、茶谷(営4=東北)が二塁打で出塁。安打と四球で1点を返すと、二死満塁、一打逆転の場面で打順は鳥居に回った。「思い切って振っていこうと思っていました」。2、3回バットを振り、上から振ることを意識。初球にストライクを入れられると、いったん打席を離れた。高橋監督から「とにかく、打つときにバットがもぐるから、上から叩け」とアドバイスをもらい、再び打席へ。そして、次の球で外角の直球に逆らわずに神宮初アーチ、そして人生初の満塁本塁打を叩き込んだ。ベースを回り、ベンチに帰ったヒーローは仲間とハイタッチを交わし、チームを勢いづけた。高橋監督も「最後の最後で打ったからよしとしよう」と合格点を与えた。
本人はリーグ戦開幕前、「全然調子がよくない」と不安そうな表情であった。結果ばかりを求めてしまい、オープン戦の打率は1割にも届かなかった。その一方で、「神宮に行ったら打てる」とも話していた。リーグ戦が始まると、マイナスではなく、プラスにやっていこうと気持ちを切り替えた。結果を気にせず、思い切って。開幕3戦連続で安打を放ち、チームに貢献した鳥居は自信にあふれた顔に変わった。
鳥居が4打点の活躍をしたが、投手陣は粘れず。1戦目で先発、3失点に抑え完投した石倉(営4=帝京)が先発するも、6回と7回に2点ずつ入れられ、後輩にマウンドを譲る。そんな中、今日も山下(営1=東邦)が粘り、逆転負けは回避することが出来た。投手陣の育成が課題なのは変わらない。
「チャレンジャーという気持ちでやっています。中大戦まであと3日間ある。今は打てているけれど、修正するところがあるのでしっかり修正して臨みたい」と鳥居。一部リーグ優勝、そして日本一へ。東洋大ナインの目はすでに次の試合を見据えている。
■コメント
・高橋監督
よく1年生の山下が頑張ってくれた。球が切れるからね。石倉はもう少し早く変えてあげればよかったかな。鳥居は最後の最後でやってくれたよ。オープン戦1割もいかなかった。でも最後で打ったからよしとしようかな。(満塁の場面でのアドバイスは)とにかく(打つときに)バットがもぐるから、上から叩けと。(茶谷は)いいね。これでずっとレフトでいくと思いますよ。4番でもいいくらいだよ。(阿部が全打席出塁)やっとだね。ミーティングでは、入れ替え戦を思い出して、お前が出ればなんとかチームが回ってくると言っていたんですよ。なんとかそんな形になったね。
・笹川主将(営4=浦和学院)
(今日の調子は)見ての通り良くない。チームとしては悪い中でも勝てたのでいい雰囲気ではあると思う。調子がいいものは継続して、悪かったところは3日間で修正して中大戦に臨みたい。
・鳥居(営4=愛工大名電)
監督さんには上から出すイメージがないとヘッドが下がってしまうと言われていた。あの場面(三回2死満塁)でも打席に入る前に2、3回バットを振って上から振るということを意識しました。狙っているボールはなかったですけど、チャンスなので思い切って振っていこうと思っていました。まさか入るとは思ってなかったです。(本塁打を打った)アウトコースは高校の時まで当てにいく感じがあった。大学に入ってからは思い切って振れと言われていた。逆方向のホームランは初めて。満塁弾も人生初です。オープン戦はどうしても結果ばかり求めていた。なかなかヒットが出なかった。なので、ビデオを見て研究をして、試合では結果を気にせず思い切っていこうという意識が今の結果につながっていると思います。チームとしては1部に上がって、チャレンジャーという気持ちでやっています。中大戦まであと3日間ある。今は打てているけれど、修正するところがあるのでしっかり修正して臨みたい。
・茶谷(営4=東北)
代打という立場でボールが先行して2ボールだったので、ストライクが来たら思いっきりいこうと思った。2打席目は1打席目の勢いのままいけた。最初は先制されたが、鳥居のホームランで勢いづいて、途中、相手の勢いに押されそうになったけどなんとかふみとどまった。ベンチにいる人も、試合に出てる人にげきをとばしていたのは良かったと思う。みんながこの試合にかける思いは強かった。(今日のプレーは)80点。チャンスで三振してしまった。もう一点欲しいところで自分が打てなかったのはまだ甘いところ。チャンスで打てる勝負強さを持ちたい。中大はピッチャーがいいと言われている。今日のように、ピッチャーが打たれることもあると思うので、打線がしっかり点を取ってピッチャーを楽にさせてあげられたらなと思います。
TEXT=伊藤梨妃 PHOTO=伊藤梨妃、菅野晋太郎