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第92回 日本選手権水泳競技大会 競泳競技
兼 第31回 リオデジャネイロオリンピック競技大会 代表選考会
4月4日(月)~10日(日) 東京辰巳国際水泳場
(6日目・予選)
◆女子50m自由形
2組
8着 遠山 26"71
4組
1着 内田 25"91
→全体3位で準決勝進出
◆男子100mバタフライ
4組
2着 三好 53"27
→全体9位で準決勝進出
◆女子200m背泳ぎ
3組
4着 大橋 2'14"09
→全体15位で準決勝進出
4組
6着 今井 2'16"31
(6日目・準決勝)
◆女子50m自由形
2組
1着 内田 25"20
→全体1位で決勝進出
◆男子100mバタフライ
2組
4着 三好 53"04
◆女子200m背泳ぎ
2組
5着 大橋 2'12"60
→全体8位で決勝進出
(6日目・決勝)
◆女子800m自由形
4位 菊池 8'43"12
6位 濱田 8'49"96
◆女子200m平泳ぎ
5位 青木 2'24"60
◆男子200m個人メドレー
1位 萩野 1'55"07
→リオ五輪代表権を獲得
4種目でのリオ五輪出場を決めた萩野
惜しくも4位でゴールした菊池
自己ベストと同タイムでフィニッシュした青木
リオ五輪代表の期待がかかる内田
日本選手権6日目、男子200m個人メドレーにおいて、萩野(文4=作新学院)が日本新記録で4種目目となるリオデジャネイロ(以下、リオ)五輪代表権を獲得した。萩野は今大会出場種目すべてで優勝し、400m個人メドレー、200m自由形、4×200mフリーリレー、200m個人メドレーの計4種目でリオ五輪代表に内定した。
「久しぶりにワクワクしながら泳いだ」。昨年けがで世界選手権に出られなかった萩野は、泳げることの喜びを口にした。「理想通りのレースができた」という言葉通り、準決勝から派遣標準記録を大きく上回る積極的なレースを展開。決勝では、自身の持つ日本記録を0.26秒塗り替え、日本新記録樹立と同時に、リオ五輪出場を決めた。「リオでは4個メ、2個メで金メダル。2フリでメダル、リレーもみんなでメダルを取りたい」と力強く言い切った。リオに向け戦闘態勢全開の萩野に、日本中の期待が高まる。
女子800m自由形決勝には、予選を2位で通過した菊池(営3=作新学院)が出場。前半400mは1位争いに絡み、観客を沸かせた。しかし後半ややペースが落ち、上位争いから外れ4位でゴール。「目標にしていた順位とタイムに届かなかった」と、本人も納得のいかない結果となった。
女子200m平泳ぎ決勝では、青木(営4=武蔵野)が自己ベストと同タイムでフィニッシュ。予選、準決勝では本人の思うようなタイムは出なかったが、「決勝で修正できたことは自信につながった」と笑顔を見せた。しかし今回の結果に満足していない青木は、すでにジャパンオープンに向けて気持ちを切り替えている。
女子50m自由形準決勝には、昨日の100m自由形において日本新記録でリレーのリオ五輪代表に内定した内田(営4=関東学園大附)が出場した。安定した泳ぎを見せ、決勝に向けて調子の良さをうかがわせた。
女子200m背泳ぎ準決勝に出場した大橋(国3=草津東)は、自己ベスト更新で決勝進出を決めた。今大会出場全種目で自己ベスト更新、決勝進出を果たした大橋。五輪選考会を兼ねた緊張感のある雰囲気の中、絶好調な泳ぎを見せている。最終日に行われる決勝でも、自己ベスト更新に期待だ。
いよいよ1週間にも及ぶ日本選手権は最終日を迎える。最終日は、リオ五輪出場に期待がかかる内田が、女子50m自由形決勝に出場する。また、今大会自己ベスト連発の大橋が、女子200m背泳ぎ決勝でどんな泳ぎを見せてくれるのかにも注目だ。
■コメント
・青木(営4=武蔵野)
昨日の予選、準決勝は全然ダメだったが、決勝でちゃんと修正できたことは自信につながった。後半が課題。今回はレースでしっかり出すことができなかったので、ジャパンオープンではこの記録よりもっといい結果を出したい。
・内田(営4=関東学園大附)
(予選について)朝からちょっと体に力が入らない感じがあって、全然良い記録が出なかった。昨日いいレースができたからこそ、ちょっと恥ずかしい部分がある。(昨日の疲れは)昨日夜遅くまでドーピング検査があったりで、寝る時間もちょっと少なかったので少しはあると思う。(昨日祝福のメールなどはあったか)LINEやTwitterでたくさんの応援とか祝福の言葉をいただいて、すごい励みになった。(準決勝について)予選よりいい泳ぎができた。(準決勝では自己ベストを目指すと言っていたが)準決勝前のアップが終わったときに、先生と準決勝の目標は25秒2くらいと話していたので、そのタイムには近いかなと思う。(腰の状態、疲れは)たくさんお昼寝したので、もう疲労はだいぶ抜けたと思う。(明日の決勝に向けて)もちろん派遣標準記録を突破して、日本新記録も狙っていいレースをしたい。(池江との対決は)100mで勝ったので、50mでも勝ちたいと思う。(北島(コカ・コーラ)の引退について)直接レースは見られなくて、録画で見たが、途中から見ることができなかった。すごく頑張っていたのは知っていたので、すごく悔しいという思いが強い。(一緒に練習した中で北島との印象に残っている出来事)スタートの練習のときに、掛け声をかけてくれていた。ちゃんと見てくれているというのと、応援してくれているというのが伝わってきたのでうれしかった。
・萩野(文4=作新学院)
とりあえず自己ベストが出せた。(泳いでて)1分54秒台出るか出ないかだと思っていたら本当にそうだったから、そういう感覚も良くなってきた。54秒いきたかったが、最後10m詰まったのが大きかった。予選から理想通りのレース展開ができて、気持ちよく泳げた。バタフライは少しストローク数が多いかなと思ったが、前半から攻めることができたので良かった。(4種目目のリオ代表内定について)最初はもうちょっといい結果を予想していた。ロンドン五輪から4年ぶり2回目の選考会ということで、雰囲気も特別だったし、最初の方はすごく緊張して自分の泳ぎや感覚がつかめなかった。日に日に体の調子も良くなって、会場の雰囲気も良くなってきて、自分もそれに上手く溶け込めた。レース前から、どんなタイムが出るのか久しぶりにワクワクしながら泳ぐことができた。けがをして、いつ泳げるか分からなかった時期に比べたら、天と地ほどの差があるので、楽しみながら泳がせてもらった。(瀬戸(JSS毛呂山/早大)が200m個人メドレーで代表落ちしたことについて)それは選考会の基準があるので、その点で今回は藤森太(ミキハウス)が上だった結果だと思う。4個メは瀬戸と、2個メは藤森太と、4×200mフリーリレーの方はみんなとリオで頑張っていきたい。(北島の引退について)いろいろ考えながら見ていたが、やってくれるのではないかという思いと、やっぱり100m(平泳ぎ)より200mは厳しいのではないかという思いもあった。全力で前半から果敢に攻めていく姿勢を見ながら、最後の合宿で同じ部屋でいろいろ学ばせてもらったことなど、いろいろ思い出しながら見ていた。北島さんがいるのといないのでは、チームの雰囲気が全然違うので、北島さんが他の選手に及ぼす影響っていうのは計り知れない。北島さんがいなくても、北島さんがやってこられた分を自分たちが背負っていきたいし、リオでここまで自分たち強くなりましたっていうのを見せたい。(リオでの目標)2個メと4個メでは金メダル、200m自由形はメダル、8継(フリーリレー)もみんなでメダルを取って日本に帰ってきたい。
・菊池(営3=作新学院)
目標のしていた順位とタイムに届かなかったので、まだまだだなと思う。決勝では予選よりタイムがもう少し上がると思っていたので、詰めが甘いなって思う。(後半から少しペースが落ちたことについては)きつくなったとこで、ギアと泳ぎを変えてしっかり挑むことということができなかった。(前半は1位との差があまりなかったが)前半は思ったより離されないでいけた。中盤から勝負って分かっていたので、そこから離されないようにしっかりもっと前に出なければいけなかったと思う。大学に入って3年目でもう折り返し地点なので、1、2年でダメだったところを、しっかり巻き返していきたい。
TEXT=吉谷あかり PHOTO=菊池美玖