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平成28年度東都大学野球春季1部リーグ戦・中大2回戦
4月13日(水) 神宮球場
東洋大9-6中大
鳥居の適時打がチームに流れを呼び寄せた
※掲載が遅くなり、大変申し訳ございません。
またも「満塁男」が輝きを放った。3点を追いかける七回1死満塁の場面、打席に立っていたのは鳥居(営4=愛工大名電)だった。先頭の田中将也(営3=帝京)が気迫のヘッドスライディングで出塁すると、続けて2者連続の四球。1死満塁の場面で前の打者が押し出しの四球を選び1点を加え、なおも満塁。この大チャンスに「思い切り振っていこう」と鳥居が打った初球は、右中間を破る走者一掃の適時二塁打。ラッキーセブンのこの回に、塁上で感情を爆発させた。
打席が回ってきたとき、鳥居の頭に”本塁打”がよぎった。先週の試合で満塁本塁打を放ち、昨春王者の専大から勝ち点を奪取。ここで勝てば勝ち点を得られ、チームに貢献できる。人生初の経験でインパクトが大きかっただけに、選択肢として浮かんだ本塁打。しかし、選んだのは後ろにつなぐことだった。
この男には満塁が似合う。「満塁男ですね」と語りかけても、鳥居は照れた表情を浮かべながらも、「そんなことないです」とおごらず謙虚。チームの好調の要因はこの謙虚な姿勢にあるのかもしれない。
次は昨秋王者、そして日本一に立った亜大とのカードが待っている。「チームの団結力が強く、元気があるイメージ」と鳥居。東洋も今の雰囲気は見劣りしないように感じる。満塁での打席と共に、今後の活躍に目が離せない。
・鳥居(営4=愛工大名電)
相手にリードされた場面に、四球からランナーが出て、チャンス作って自分がヒット打って、同点になった。勢いづいて最後にああいう形で逆転になり、いい形の野球ができました。前週の専修大戦で満塁ホームランを打っていたので、ホームランは自分の中で一回(頭に)出たんですが、そこは後ろにつなぐという意識で、思い切って振っていこうと思って打席に立ちました。(亜細亜大戦へ向けて)亜細亜は自分のイメージ的にチームの団結力が強く、元気があると思うので、東洋もそれに負けないようにみんなで一体となってやっていきたいと思います。
TEXT/PHOTO=美馬蒔葉