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2016.05.17
アメフト

[アメフト]詰めの甘さで敗戦 課題が残る試合に

2016年度春季オープン戦

5月15日(日) 関東学院大学六浦グラウンド


東洋大12-14関学大

   6|1Q|0

   0|2Q|7

   0|3Q|0

    6|4Q|7


高浦は効果的なランで存在感を放つ


2TDを決め攻撃の中心となった大西


チームを引っ張る長嶺主将は仲間からの信頼も厚い


 春季オープン戦、関学大との対戦は12-14と黒星を喫した。序盤に得点するも、その後はミスが重なり得点につながらず。チームの未完成さが目立つ試合となった。

 「全体的に詰めの甘さが出た」と長嶺主将(済4=函館ラサール)は試合を振り返った。試合開始からすぐに大西(国2=関東国際)がタッチダウン(TD)を決め、先制点を奪取。しかし、ポイントアフタータッチダウン(PAT)で大西がキックを失敗し、1点を取り損ねてしまう。「自分がしっかりあそこで決めていれば、引き分けに持ち込めていたかもしれない」と悔しそうに話した。第2Qではディフェンス陣が粘るが、じわじわとゴールラインに近付かれTDを奪われる。キックも決められ、一気に逆転された。

 後半で巻き返したいところだったが、第4Qで相手に再びTDを決められ、点差が広がってしまう。残り時間4分22秒のところでようやくTDを返し、そのままPATでTDを狙い同点に追い付こうとする。しかし、パスが通らず失敗。試合の流れを変えることはできなかった。その後は攻める機会が与えられず試合終了。今年初戦は黒星スタートとなった。

 「当たり前のことができていない」と西村ヘッドコーチが語るように、基本的なミスで得点を取り損ねた場面が何度か見られた。昨年の秋季リーグ戦では2部リーグで2位につけ、1部との入れ替え戦まで持ち込んだ。その当時の主力学年が卒業したため、戦力の低下が避けられない。西村ヘッドコーチは「昨年のチームが良かったからこそ、自分たちの弱さを自覚していない」と厳しく指摘した。

 今回は敗戦したが、決して明るい材料がないわけではない。川島(ラ2=岡山城東)がQBとしてのデビュー戦であり、「初めての実戦にしては上出来」と西村ヘッドコーチは称賛した。今後のチームの原動力として期待がかかる。さらに、新入生の活躍によって、チームにどのような刺激を与えるかもカギとなってくるだろう。6月には4チームの交流戦である朝霞ボウルが控えている。格下との闘いのため、負けるわけにはいかない。今日の試合の悔しさをバネにより一層練習に励む。


■コメント

・西村ヘッドコーチ

 先制点を取りいいスタートは切れたが、その後のキックを外したことによって後々の結果に響いてきた。当たり前のことができていないため失った1点。昨年のチームと比較すると爆発的なオフェンスではないので、少ないチャンスを拾ってコツコツやっていかなければならない。しかし、今はその努力すらも怠っている気がする。また、今年は全く声が出ていない。自分たちが試合をマネジメントしなくてはいけないのに、声も出さずに他人任せのような気がしてしょうがない。昨年のチームが良かったからこそ、自分たちの弱さを自覚していない。それを脱却しなければ、惜しい試合がこの後のシーズンで頻繁に起こる可能性がある。(よかったところ)今日は昨年レシーバーであった川島がQBとして初の試合だった。初めての実戦にしては上出来。これからの伸びしろが期待できる存在。あとは1年生が夏合宿を経てどれだけ秋に戦力になるか。これからの1年生の台頭を期待するしかない。(次戦に向けて)朝霞ボウルでは、優勝しなくてはいけないプレッシャーのもとしっかり優勝できるように心と体を準備してやってもらいたい。


・長嶺主将(済4=函館ラサール)

 全体的に詰めの甘さが出た試合となった。オフェンス、ディフェンス共に勝負どころで勝てない。本当に基本的なミスで2点差という結果になってしまった。1部昇格という目標を掲げているので、昨年勝っている相手に対して勝たなければいけなかった。こういう部分を修正しなければならない。昨年の4年生が抜けて新しく出た2、3年生がよく頑張ってくれていた。特に大西は重要な時にオフェンスのレシーバーとしてTDを取ったり、重要なシーンでロングゲインをしてくれる。今後も伸びて欲しい。(チームの雰囲気は)メンバーが大きく変わって皆が不安の中、スタートだけは絶対に負けないようにしようとしていた。しかし、詰めの甘さが出てしまい圧倒的な経験値不足を感じた。勝ちたかったが、これからの秋のシーズンに向けてたくさんの課題が見つかる試合だった。(次戦に向けて)6月にある朝霞ボウルでは全て格下の相手になるので、勝ちにこだわり必ず全勝して優勝する。


 ・大西(国2=関東国際)

 勝てなかったというのがだめだった。最初にTDが取れて、その後のトライではずしてしまったので、それが実質敗因となって12-14という結果になってしまった。自分がしっかりあそこで決めていれば、引き分けに持ち込めていたかもしれないので、そこは秋までにしっかりと練習しなければならない。主将の長嶺さんがしっかりと引っ張ってくれた。ラインではOLが落ち着いていて、声かけをしてくださった。(今年からキッカーとなったが)やはり難しい。昨年までは大森さん(H27年度ラ卒)がキッカーだったので、大森さんの偉大さを今日の試合でよく知ることができた。TD後のトライをはずすのはキッカーとしてありえないことなので、一から秋シーズンに向けて練習していきたい。個人としては最低でも2TD以上は取らなければいけないと思う。


 ・高浦(理4=川口北)

 4年生という立場だったが、練習の成果や、やってきたことができていない部分があった。もっと引っ張って行けたのかなと思うし、1対1でもっと勝てればよかった。(新チームは)春やってきたことがまだ成果として出なかった。結果が全て。オフェンスが点を取らないと自動的には勝てないので、秋シーズンはTDを取りたい。(よかった点)大西、川嶋(食4=佼成学園)などレシーバーが中のプレイヤーを助けてくれた。ランで秋シーズンは恩返ししたい。(今後の課題)今後の課題としてはやはりラインとのコンビネーションや、最後の1対1で勝つこと。(次戦に向けて)秋のリーグ戦に向け、特にランオフェンスをつくっていきたい。


TEXT=松井彩音 PHOTO=西川諒、水野桜、望月優希