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2016.05.30
準硬式野球

[準硬式野球]最後は松下! 7年ぶりの1部昇格決めた

平成28年度東都大学準硬式野球春季リーグ1部・2部入れ替え戦・帝京大3回戦

5月28日(土) 八王子市民球場


東洋大6-3帝京大


(イニングスコア)

3回戦










帝京大









東洋大






X


(東洋大)

割石(社2=越谷南)、松下(ラ4=西湘)―佐藤弘(法3=星陵)

最後は松下がマウンドを託された

4年生3人の力で後輩たちを引っ張った


 掲載が遅くなり、大変申し訳ございません。

 1勝1敗で逆王手をかけられて迎えた入れ替え戦第3戦。先発の割石が試合を作り、打線がそれに呼応した。最後はエースとしてチームを去年まで引っ張ってきた松下が抑え、7年ぶりの1部昇格を決めた。


 最後は松下がマウンドを託された。昨年まではエースとして大車輪の活躍を見せ、2度も最優秀投手を受賞。しかし、それでもチームを優勝に導くことができなかった。その悔しさを胸に、3年生で引退をせず藤本(営4=静清)、荻原(営4=宇都宮北)と共にチームに残ることを決断。「後輩に1試合でも長く試合をさせたい」思いでシーズンを戦い抜いた。

 先発投手は割石。持ち前の制球力で相手打線を封じると、この試合初めての先発出場となった若原(社1=九州学院)が先制打を放つ。その後1点を加えたが、六回に相手打線に捕まってしまい逆転を許す。だが、リーグ戦投手陣の好投に常に応えていた打撃陣は攻め続けた。その裏の攻撃から相手投手が前の試合で完封された投手に交代。「抑えられるイメージはなかった」と小田辺監督が言うように、相手投手の不調に付け込みすぐに逆転に成功した。そして、七回から松下がマウンドを引き継ぐ。だが、先頭打者に安打を打たれてしまい、好機を作られるなど、決して好調ではなかった。しかし、2度の最優秀投手賞に輝いた実績はただ者ではない。毎回、走者を出すも好調の打線が積み上げたリードは崩さなかった。そして九回、またも好機を作られたが、最後の打者を変化球で空振り三振に抑え見事7年ぶりの1部昇格を果たした。

 この試合で後輩のために残った4年生3人は引退となる。「いろんな経験をさせてくれて楽しかった」と松下は4年間の現役を振り返った。秋からは1部に舞台を移し、4年生の穴を埋めるための競争でチーム全体の底上げを小田辺監督は期待している。秋のリーグ戦に向けてチームはまい進する。


■コメント

・小田辺監督
いいチームになってくれたなと。それは主将の木藤や監督代行の佐藤彰のおかげだと思う。四年生との融合というのがポイントで、チームを引っ張ってくれた。1年生から4年生までいいつながりが出来たと思う。ほぼうちのペースで試合を進めることが出来たと思う。後手に回ることはなく、チーム全員での勝利だと思う。投げたことにより割石に自信がついてきたと思う。リーグ戦投げることにより、コントロールが良くなり有利なカウントで勝負ができるようになったかなと。正直、松下のいい時の投球とは程遠かった。ただ、よろよろしながらも抑えてくれたのは今までの経験。前回やられてたので、やり返すつもりでいた。帝京大が2部にいるときは勝っていたので抑えられるイメージはなかった。今日は多田にチャンスが回ってくるときが多かった。うちは三番四番五番で点を取るチームなので、その前に走者を貯めれたので自分たちの試合が出来た。若原含め期待の1年生はたくさんいる。4年生が抜けた位置を高いレベルで競ってほしい。それによってチーム内の底上げが出来るので期待しかないです。


・松下(ラ4=西湘)

最後までチーム全体が声を出して、緊張感のあるいい試合ができたと思う。6、7、8回と0点に抑えられることができていたので9回も行けると思った。チームメイトに最終回だということは意識するなと言われていたが、2本ヒットを許してしまい流れを悪くしてしまった。0点に抑えることができたのはチームみんなのおかげだ。4年生としてチームに残って一年間、後輩に引っ張ってもらうかたちが多かった。後輩に助けられてばかりで何も伝えられなかったのが残念。2、3年生とエースとして投げさせてもらい、タイトルを獲得するなど、色々なことを経験させていただいてとても楽しかった。みんなの力があってこそだと思う。同じピッチャーとして割石に期待しています。しかし割石1人だけで1部を勝ち抜いていくのは厳しい。チーム全体で支えあって頑張ってほしい。


・荻原(営4=宇都宮北)
入れ替え戦への思いが非常に大きく、3試合とも接戦だったので非常に疲れました。いつも以上に試合には入れたので良かったが、いい結果は出なかった。試合前に主将が後ろにつなぐことを意識するように言われたので、その思いで打席に立っていた。1人1人が意識して出来た結果だと思う。今まで以上に練習があったので辛かったが、1部昇格が出来たのでやりがいと、後輩にいい舞台を用意することが出来たと思う。これから一年生が本格的に試合に参加すると思うのでチーム内で競争を意識して戦ってほしい。


・藤本(営4=静清)
リーグ戦が始まる前に後輩に言ったのは「1試合でも長く試合をさせる」ということ。結果的に1番長く試合が出来たので嬉しかった。ここまで来たので悔いなく戦うことを意識しました。前の試合は自分たちの戦いが出来なかった。そこを意識して伸び伸びとやったのがいい結果に繋がった。若原にはミスしてもいいから思いきり振ることを意識させた。秋、割石が中心となって試合を進めていくと思う。これから自覚と責任が1段階上に上がっていけばいいチームになると思う。でも、リーグ戦を引っ張ってきたのは割石で勝てたことに感謝したい。リーグ戦では調子が良かったが、入れ替え戦では最後の戦いなので余計に力が入ってしまい打てなかった。試合が終わるとやり切った気持ちになった。これから一層戦いが厳しくなると思うので、練習からチームを引っ張るという意識をすれば試合も変わっていくと思う。一緒にやってきたメンバーなので勝ち進んでほしい。


・若原(社1=九州学院)

初めてのスタメンで大事な試合だったので結果より勝ちにこだわってプレーした。チャンスだったので弱気にならず積極的にいった結果がタイムリーにつながったと思う。いい方向につながってよかった。4年生が抜けてポジションが固まっておらず、まだ試合に出られるとは限らない。これから一生懸命頑張りたいと思う。


TEXT=青池藤吾 PHOTO=大谷達也、青池藤吾