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第56回関東大学バスケットボール新人戦
6月7日(火) 大田区総合体育館
東洋大88ー74明星大
18|1Q|24
20|2Q|9
18|3Q|20
32|4Q|21
スターティングメンバー
7 大野太聖(文2=市立柏)
28 佐久間澪(済2=東海大相模)
30 川上海斗(済2=市立船橋)
35 杉田涼(済2=東海大相模)
38 福井歩(済1=日大山形)
復帰戦で得点機会に多く絡んだ佐久間
同じく復帰戦の杉田はチームに勢いをつけた
大野を中心に2年生がチームを引っ張る
1、2年生が主体となって戦う新人戦が開幕した。初戦は今季から3部に昇格する明星大と対戦。格下相手に88-74と勝利を手にするも、若いメンバーで迎えた新たな船出は、決して楽ではなかった。
「自分たちの準備不足」と試合後に振り返った、杉田の言葉通りの試合だった。決めるところで決めきれずに、カウンターから相手に決められてしまうシーンが連発。リバウンドを奪うことができず、18-24とリードを許して1Qを終えた。多くの選手を入れ替えながら、2Qから再び息を吹き返す。明星大も徐々に攻撃が単調になると、すぐさま相手のボールを奪い、得点までつなげ形勢逆転した。一度は同点まで追いつかれるも、再び勢いを増したのは4Qだった。昨年負った大けがからの復帰戦となった佐久間は、2週間前に練習参加したばかりだった。「最初は試合感がつかめなくて戸惑うところもあった」と昨秋以来となる公式戦に難しさを感じながらも、終盤にかけて幾度となく得点に絡むプレーを創出。「3Q終わりから徐々に動けるようになった」と振り返った。同じくけが明けの杉田も「後半になって自分が率先して走れた」と話す。連続得点を決めるとガッツポーズを見せ、喜びをあらわにするとともにチームに活気をもたらして、本来のプレーを取り戻した。目監督は杉田に「リーダーシップも出てきた」と評した。その杉田も「今は自分たちが一番上なので」と後輩への配慮を忘れず、先輩としての自覚を示した。復帰したばかりでプレータイムを制限しながらの出場となったが、試合に出ていない時もベンチから大きな声でチームを鼓舞し盛り上げるなど、最後は戻ってきた2人が勢いづけ、実力を見せつけての勝利となった。
序盤のばたつきについて「精神的なもの。自分たちでやろうとか燃えるものがない」と目監督は反省点を挙げた。格下相手に大きくリードされた序盤。選手たちは心中穏やかではなかったはずだ。今試合はそういった意味でも、再び自分たちを引き締める試合となった。新人戦という短い期間の中で、どれだけ下級生が成長できるか。これから新人戦で待ち受ける大学は、格上な相手ばかりで一筋縄ではいかない。再びチャレンジャーとして、目標のベスト4へ向け若武者たちは進化を続ける。
◾︎コメント
・目(さっか)監督
試合内容は良くない。ゲームなのに練習のときみたいだった。力の差があるのはわかっていた。なのに、本人達が勝てるって思ってやってるから、相手にルーズボールやリバウンドを全部取られて。次も試合があるのに、そういうことはやってはいけない。(勝因は)相手よりは少し(バスケの)性能が高かったこと。ほんの少しだけ。1、2年生だからチームもつくってないけれど、良くはない。(佐久間、杉田の復帰戦となったが)プレータイムを制限してやっている。特に杉田は5分出して引っ込めて。本当は長く使いたかったけど、リーグ戦が本番なので、また怪我したら困るので考えて試合に出した。佐久間はバスケットに慣れてない。1年くらい休んでいたから、バスケの感覚が戻ってない。(次の対戦相手は)明日練習が19時からなので20時くらいからビデオ見て研究する。新人はまだわからないので、ビデオを見てから作戦を立てようかなと。勝ってベスト4に入りたい。ベスト8よりも4に入りたい。
・大野(文2=市立柏)
入りで自分のマークマンにスリーポイントを決められて、チームでそこを守っていくっていうスタンスだったが、自分のところでやられてしまい相手を勢いづかせてしまった。でも1回もリードはされなかったと思うので、立て直しが2年生を中心にできた。前半は相手のガード陣にやらせてしまったが、後半そこの修正が効いてきたことでそこの得点を抑えられたところが良かった。全体的な反省は流れが悪いときに、ベンチのスタッフ陣に言われてからじゃないと立て直せなかったこと。内容が悪くてずるずるとしたゲームになってしまったけど、最後勝てたということは良かった。(監督に言われたことは)ガードとしてチームを引っ張っていかなきゃいけないのに、自分のやりたいことを周りに伝えなかったりしたのでもっと引っ張れと言われた。(2年生で話し合ったことは)1、2年の新チームが始まったときに、声が全然出ていなくて。練習中から、アップから1年生に声を出させるんじゃなくて、自分たちで声を出していこうと決めていた。他のチームと違ってバスケットがうまいわけではないので、声を出して盛り上がっていこうと言ってた。前半や出だしはできていなかったけど、後半流れが悪くなったときに佐久間とか杉田とかが2年を中心に。自分ももっと声を出さなきゃいけないけど、そういうのができた。(次戦に向けて)がむしゃらに。自分たちのチームなので、自分たちが引っ張ってプレーしていきたい。
・杉田(済2=市立船橋)
出だしの入りが悪く、自分たちも相手を甘く見ていた。準備ができていなくて相手どうこうではなく自分たちの準備不足だった。(序盤押されるシーンが目立ったが)前半自分を含めた上級生が、声出して引っ張れなくて。初戦ということもあり、緊張していたかもしれないが、決め切るところで決め切れなかった。それで後輩たちも硬くなっていた。明後日はそういうところを無くして、今は自分たちが一番上なので、リーダーシップをとって、後輩たちに自由にやらせてあげたい。(終盤になって勢いが出てきたが) 自分は復帰明けで体力がなくて、前半あまり走れなかった。後半になって点差が離れないときに自分が積極的にオフェンスに行って勢いをつかせて、チームが乗ることができたので良かった。(次戦へ向けて)中大が上がっても白鳳が上がっても、格上の相手なので常にチャレンジャーの気持ちで、相手を倒したい。
・佐久間(済2=東海大相模)
相手は昨日試合をこなしているが、東洋は初戦なのでやっぱり入りが悪かった。2Qからは1Qの雰囲気を切り替えて、まずは同点、できればリードすることを意識してやっていた。3Qは疲れもあって追い上げられてしまったが、4Qのバスケットカウントをきっかけに流れがつかめて、リードできたのだと思う。焦らず少しずつ点差を付けていくことで、集中を切らさないようにした。内容的には40点くらい。練習から注意していたスタートもできなかったし、誰かがミスすると他の人もミスをしてしまう場面があった。ミスはカバーし合わないといけない。(復帰戦としては)練習に参加し始めたのも2週間前くらいで、最初は試合感がつかめなくて戸惑うところもあったが、3Q終わりくらいから徐々に動けるようになって良かった。次は中央でも白鷗でもどちらも強いところなので、最初からいい状態で持っていけるように準備をしなければならない。
TEXT=藤井圭 PHOTO=木谷加奈子