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平成28年度東日本学生レスリング春季新人戦・東日本女子学生選手権大会
6月23日(木)~24日(金)
[上位入賞者]
男子フリースタイルAグループ
57㌔級 宮内(ラ1=埼玉栄) ベスト16
61㌔級 川瀬(済2=いなべ総合) ベスト16
65㌔級 三上(法1=盛岡工) ベスト8
70㌔級 斎藤(済2=山形商) ベスト16
74㌔級 山崎(社2=霞ヶ浦) ベスト16
74㌔級 川畑孔(法1=樟南) 準優勝
86㌔級 芝元(法1=宮崎農) ベスト16
97㌔級 中村(ラ2=宮崎工) ベスト8
男子フリースタイルBグループ
70㌔級 高橋(文2=日大山形) 優勝
男子グレコローマンスタイル
59㌔級 松岡(ラ2=海洋) ベスト16
59㌔級 原田(社2=山口鴻城) ベスト16
75㌔級 川畑孔 ベスト8
85㌔級 芝元 ベスト8
98㌔級 中村 3位
女子フリースタイル
48㌔級 野村(社4=日本文理大附) 3位
53㌔級 宮原(社4=安部学院) 優勝
69㌔級 鈴木芽(社1=市立太田) 優勝
69㌔級 朝野(社2=滑川) 準優勝
初戦で強豪・山学大を破った川畑孔
中村は相撲のトレーニングを生かした
見事に準優勝に輝いた川畑孔
2日間にわたり駒沢体育館で東日本学生春季新人選手権・東日本学生女子選手権が行なわれた。多くの選手が初戦、2回戦で敗れたが男子フリースタイル74㌔級の川畑孔が1年生ながら準優勝に輝いた。また男子グレコローマンスタイル98㌔級では中村が3位。女子では、53㌔級の宮原、69㌔級の鈴木芽が共に優勝を果たした。
川畑孔の初戦は、試合後本人も「一番苦戦した」と話した山学大との一戦だ。強敵を前に思うように体を動かすことができず拮抗(きっこう)した試合展開が続くも、途中1―0とリードを奪う。さらに終了15秒前に相手のチャレンジ失敗から2―0と差を広げ、勝利を収めた。続く2、3回戦も手強い相手だったが持ち前の体力で順調に勝ち進み、ついに決勝まで駒を進めた。迎えた決勝戦では、前半48秒で足首を狙われ、そのままアンクルホールドで6―0とリードされる。途中1点を返すも点差は1―10とピンチを迎え、相手のまさかの仕掛けに「研究不足だった」と振り返った。しかし川畑孔はここで諦めず、何度もタックルを重ね後半で4点を返す反撃を見せる。試合は5―12で敗戦するも、決勝までの4試合を全力で戦い切った。「今回は負けたから収穫はない」と控えめに語った川畑孔だったが、次の試合となるインカレでは「ベスト8以上を狙う」と次なる目標を見据えていた。
男子グレコローマンスタイル98㌔級では中村が3位入賞。1戦目を難なくフォールで勝利すると、2戦目では相撲部での出稽古で培った経験で攻めのスタイルを貫き、決勝まで勝ち進んだ。船津コーチも「脇の締めと、前に出て攻めていたところが良かった」と評価するように、相撲のトレーニングの経験は、その足腰の強さに十分に生かされていた。
女子フリースタイル53㌔級では、明治杯で復活を遂げた宮原が初戦を16秒でフォールし、決勝も圧倒的な差を付け貫禄の優勝。女子最優秀選手賞も受賞した。また69㌔級の鈴木芽は朝野(社2=滑川)との対決となったが、積極的な攻めを貫き優勝を飾った。
今回の試合では勝ち進むことができなかった選手も、積極的な試合を行った。船津コーチが「勝てるのではないかと希望を持てるような試合を全体的にしてくれた」と話すように、まとまりのある1年生を中心に今後のレスリング部に期待を膨らませる大会となった。
■コメント
・船津コーチ
ほとんどの選手が、負けた試合でも自分の力を出し切った試合をしていた。今まで1勝もできなかった子が今回初戦を飾ったとか、今までのパターンだったらずるずる負けていたのが、タックル入って逆転勝ちしたとかね。諦めずに頑張っていたっていうのと、勝てるんじゃないかと希望を持てるような試合をしてくれたね。(川畑孔について)樟南高はレスリングの名門だが、関東と比べて試合数なども圧倒的に少ない。だから彼もまだまだ分からないこともたくさんあると思う。今回は決勝の相手を櫻庭(日体大)に照準を合わせていたが、まさかの相手が来たので本人も驚いていた。選手の研究不足だったんじゃないかなっていう風に言ってたね。真面目な子だし、これからどんどん上あがってくると思う。今年の1年生は本当に練習好きな子たちで研究熱心で、ものすごいまとまってるから、この雰囲気でいったらすごく良いチームができていくと思う。あとは毎年相撲部に練習を見てもらっていて、中村も相撲のトレーニングのおかげもあって脇の締めと前に出て攻めていたところが良かった。(インカレの注目選手は)黒木が最後どこまでやってくれるか。あと女子は宮原には確実にとってもらいたい。川畑孔は物怖じしないし、良い結果を出してほしいなって。今年も孔明は惜しいところで負けた試合が多かったけど、内容的には諦めて負けた試合はないからね。
・宮原(社4=安部学院)
今回は負けてはいけない大会。優勝は当たり前の試合なので、明治杯のときの課題を修正して自分の思い描いたレスリングをするのが目標だった。達成度は50パーセントくらい。タックルに入っても相手が柔らかくて処理しきれなかったり、構えて左につめた後に右に抜けて片足タックルに入るなど練習していたことがあまりできなかった。次に出るのは7月2日の全日本社会人選手権。社会人の大会なので激戦ではあるが、優勝を狙う。目指す先は東京オリンピック。(同じ階級に吉田沙保里選手がいるが)戦ったことはあるけど、今は全然駄目。強い。でも、もし出るんだったら、勝ちにいく。自分が100パーセント満足できる試合ができるように、これからも一つ一つの大会で優勝できるように練習していきたい。
・中村(ラ2=宮崎工)
フリースタイルはあまり得意ではないのでベスト8という結果はまずまずだった。グレコローマンは決勝を目標にしていた。キーポイントになった試合は準々決勝。点差がない状態で、そこで前に出ることができたので勝てたと思う。準決勝では1本背負を2回して勝つというプランを立てていたが、1度しか一本背負いをすることができず、逆に相手に点を取られてしまった。今後の課題は、ローリングのあと処理と、投げた後の処理。
・川畑孔(法1=樟南)
(準優勝して)嬉しい。最初の山学大との試合は初戦だったので緊張もあり苦戦した。2試合目以降は、取れるところはしっかり取れたので良かった。準決勝は自分の動きがしっかり出来たから良い試合だった。(今回の大会は)良い試合もあったが悪い試合も多かったので全体的には70点くらい。今後は片足タックルに入ってからの処理とグランドの防御を改善して、目標はインカレでエイト以上を目指すこと。
TEXT=梅山織愛 PHOTO=木谷加奈子、小野由佳莉、梅山織愛