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「アミノバイタル」カップ2016 第5回関東大学サッカートーナメント大会兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選
6月25日(土) 時之栖スポーツセンター裾野グラウンド
東洋大4-0東海大
<得点者>
15分 仙頭
29分 佐藤
80分 坂元
90+1分 阿部
<出場メンバー>
▽GK
伊藤俊祐(国3=柏U-18)
▽DF
飯島樹生(国4=流経大柏)
渡邉拓也(国1=FC東京U-18)
徳市寛人(法4=東福岡)
水落敬(国4=埼玉栄)
▽MF
勝野瑛(国2=浦和Y)
高橋宏季(国2=FC東京U-18)
坂元達裕(社2=前橋育英)89分→FW小林拓夢(国1=帝京長岡)
田中舟汰郎(国4=横浜FC・Y)78分→MF宮野直也(法3=西武台)
▽FW
仙頭啓矢(国4=京都橘)81分→MF阿部敬太(国3=東福岡)
佐藤仁紀(国4=武南)84分→MF小堀将人(国3=八千代)
強引に突破を図る佐藤
何度も裏へ抜け出した仙頭
サイドバックの水落と飯島は久しぶりの先発復帰となった
総理大臣杯出場へ、まずは一歩を踏み出した。前半から主導権を握り再三ゴールを脅かし、仙頭、佐藤と立て続けにゴールを奪う。後半は東海大も攻勢に出るが守備陣が失点をゼロに抑え、カウンターとセットプレーから追加点。同じ2部リーグの東海大相手に4-0と圧倒し、2回戦進出を決めた。
「相手が引いてくるのは分かっていた」という佐藤の言葉通り、前半からラインを深く敷く東海大に対してボールを保持する展開が続いた。その中で、佐藤が引いてボールを受けることで食いついた最終ラインの裏のスペースを仙頭や2列目の選手が狙い、時にはボランチの高橋もペナルティエリアまで飛び出しゴールを狙う。先制点はカウンター、15分佐藤のスルーパスで仙頭が裏に抜け出しループシュートを決めた。その後も攻め手を緩めることなく29分には坂元がファーでフリーの仙頭にクロスを送ると、仙頭は丁寧に中に折り返し佐藤が追加点を挙げる。後半は守備に回る時間も長かったが、公式戦初出場初スタメンの渡邉が奮闘。直近のリーグ戦から3人が入れ替わったディフェンスラインは最後まで綻びを見せなかった。80分にはカウンターから坂元が冷静に決めると、田中、仙頭、佐藤、坂元と今までチームを引っ張ってきた攻撃陣を次々温存。最後は途中出場の阿部がセットプレーの流れから押し込みダメ押しに成功した。
古川監督就任当初1年生だった遊馬(H28年度国卒=ブラウブリッツ秋田)らがチームの中心となった昨季につかんだ全国大会初出場、初勝利。「なかなかたどり着けなかった」と古川監督は苦笑いを浮かべていたが、就任1年目には予選1回戦負けだったチームは年々着実に進化を遂げている。全国大会出場は東洋大サッカーをアピールする絶好の機会。「高校生も注目してくれたらいい循環が生まれる」と語るようにチームの将来のビジョンも含め、この大会には多くの「チャンス」が詰まっている。今季は総理大臣杯の関東校枠が広がり2回戦の勝利で全国大会出場が決まる。古川監督も現役時代からなじみ深いというサッカーの聖地、静岡で再び全国挑戦の「チャンス」をつかめるか。「しっかり気持ちを入れて全員で戦う」。主将の言葉のもと、チームはひとつ。目の前の「チャンス」は必ずものにする―。
古川監督のもとチームは全国大会を目指す
■コメント
・古川監督
やっぱりトーナメントの試合で次のステージに進むということがすべてだと思っていたのでしっかり勝ち切れて次に進めるということはよかったと思う。(ディフェンスラインは)けががあったり、けがから復帰したり、いろいろリーグ戦からの流れもあって。トーナメントということもあっていろいろな要素を見て自然とこうなったという感じ。(この大会をどうとらえているか)なかなか1部に復帰できない中で我々が存在感を出すためには全国に出て上位に進出することがアピールや認知には絶好の舞台だと思うし、そういうことを成し遂げる中で新しい選手、高校生たちも注目してくれたりだとか、そういういい循環が生まれると思う。こういうカップ戦というのはとても有意義なものだと思っているし、有意義にしてかないといけないなと思っている。(静岡での大会だが)私も現役のときから御殿場だったりつま恋だったりJ-STEPだったりではキャンプを張ること、合宿をすることが多かったし、大学でも合宿を千葉から静岡に持ってきたりもした。本当になじみ深いというか、いい環境で、食事とかも計算され尽くされていて、選手たちが最大限成長できる環境を提供してもらってるなあというふうに思う。(2回戦へ向けて)リーグ戦にしても去年もあと一つ届かなかったが、前期の勝点差のところからよくあそこまでいったと思っているし、その巻き返しもこの大会から始まった。去年よりは勝点差がない状態で 後期リーグを残しているのでアミノバイタル杯から天皇杯にかけてというところは1試合でも多く勝ち進む。トーナメントなんで負けると終わってしまうので1試合でも多く積み重ねていきたい。
・佐藤仁紀(国4=武南)
相手がリーグと同じように引いて守ってくると思っていた。5バックの想定でいたが、4枚で引いてきた。しっかりボールを動かして前半で2点取れたことが大きかった。後半は押されたが、そこでも追加点が取れたことも勝ちにつながったと思う。(スペースへの意識は)監督が「スペースを見つけろ」といつも言っているので足元でもらったところに相手が食いついてきたから今日は裏を使った攻撃ができた。「裏をとれ」とも再三言われていたし、自分もみんなも意識していてそこができると今日みたいにいい試合ができてくると思う。(2回戦へ向けて)しっかり気持ちを入れていい試合をして、そうしたら結果は自然とついてくると思うので全員で戦っていきたい。
・仙頭啓矢(国4=京都橘)
先制点が取れたのが大きかったし、東海大は前期リーグ2-2で、セットプレーでやられてたので、自分たちがそこを修正して挑めたのが4-0という結果になったと思う。(守備では)守備は前線でも求められるし、上に行くためには必要なこと。そこは意識してやってる。(桐蔭横浜大のイメージ)プレシーズンに1回練習試合でやっているが、攻撃力があっていいチーム。相手は1部で格上だが、リスペクトしすぎずしっかり自分たちの戦いができれば勝てると思う。(2回戦へ向けて)去年は全国に行かしてもらって、2年連続で行かないとたまたまだと思われる。しっかり全国の切符をつかんで、全国でさらにいい結果を出せるようにするために、次の試合絶対勝ちたい。
・阿部敬太(国3=東福岡)
(初ゴールの感想)おいしいゴール。チームメイトがこぼしてくれたボールだったので、みんなに感謝している。(久々の出場だったが)出る出ないにしろやることがあるので、自分がベンチ入りさせてもらったという立場でやることは変わらずやってきた。特別何かをしたということは無いし、自分の立場で常にいい準備をしていくだけ。(桐蔭横浜大のイメージ)技術がすごく高くて、いいチームという印象はあるが、別にうちが引けを取ってるとは思わないし、負けるイメージを持って臨む気は無い。勝てるつもりでいる。(2回戦へ向けて)今日の試合も大事だったが、僕らの目標としてはアミノバイタル優勝、全国大会というのがある。山場の試合があさってなので、それはもともと分かっていたことだからしっかり今日明日で万全の準備をして臨みたい。
・渡邉拓也(国1=FC東京U-18)
初出場初スタメンで、それもこうやって全国がかかってるトーナメントの試合ですごい緊張したが、自分の長所の空中戦とかコーチングはしっかり出せて、チームも無失点で勝利という形だったので、いい試合になったと思う。(入学してからここまで)本当は去年先輩の宏季くん(高橋宏)が開幕でスタメンだったので、自分もそれぐらいやってやろうという気持ちで入学前も考えていた。実際に入学してからはセンターバックがうまい人ばかりで、出れなくて苦しかったが、自分的に何が一番足らないのかは練習でも考えて、自分なりに自主練でもそれをしっかりやっていた。今回もけが人で回ってきたチャンスだったので、それを生かしてやっていこうというだけ。今日は自分の足らない所が出せたと思うので満足(2回戦へ向けて)まだ出れるかどうか分からないので、出れたら今日みたいにいいプレーをして、チームも最終的には勝って全国に行けるようにしたい。最悪出れなくても、いつでも出れる準備をして、出てる選手のサポートなりをしていこうと思う。
TEXT=吉本一生 PHOTO=當麻彰紘、吉本一生
[次回試合予定]
「アミノバイタル」カップ2016 第5回関東大学サッカートーナメント大会兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選
2回戦 5月27日(月) 対桐蔭横浜大 時之栖スポーツセンター裾野グラウンドにて 14:00キックオフ