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2016.06.28
ボクシング

[ボクシング]日大に敗戦も原田兄弟W白星

第69回関東大学ボクシングリーグ戦
 6月25日(土)後楽園ホール

 東洋大3ー6日大

 【LF】⚫️稲嶺 (TKO)坪井⚪️
 【F】⚫️福井 (判定)村田⚪️
 【B1】⚫️木村 (判定)金子⚪️
 【B2】⚫️馬場 (判定)河野⚪️
 【L1】⚫️秋山 (判定)小林⚪️
 【L2】⚪️斎藤 (判定)神足⚫️
 【LW】⚫️中川 (判定)李⚪️
 【W】⚪️原田直樹 (判定)鈴木⚫️
 【M】⚪️原田健太 (判定)高倉⚫️



故障を乗り越え復帰戦で勝利を飾った齋藤


東農大戦から調子を取り戻した原田直


階級を上げて兄と共にリーグ戦出場となった原田健


※掲載が遅くなり、大変申し訳ございません


 リーグ戦も残すところ2試合。前回の東農大戦を接戦で落としもう負けは許されないが絶対王者の日大に黒星に泣いた。序盤からペースを握られライト級の齋藤(営4=習志野)を待たず負けが決定してしまい王者の貫禄を見せつけられた。

 すでに負けが確定した中での登場となったのは齋藤だ。「両腕故障してしまい思うように練習ができなかったが、今までやってきたことなので意地でも勝とうと思っていた」と本人の復帰戦なだけにモチベーションは高かった。果敢に相手の懐に入っていき、右ストレート繰り出す。テンポのいい攻めでリング隅に追いやっていく。勝ちたいという気持ちが拳に込められていた。終始優勢を保ち判定勝ち。しかし本人は「試合しながらポイント取れてるなと思ったが、ふたを開けてみたら2-1で割れていたので、もしかしたら負けてたかもと思うともっと差をつけなきゃいけないと」と決して満足はしていない。「故障が思いのほか良くなっていなかった」という不安はあるが今後につながる勝利を手に入れることができた。
 このまま齋藤の一勝で終わってしまうのかと悪い雰囲気が漂う中それを断ち切ったのは原田直(営2=崇徳)だ。なんといっても今試合は弟の原田健(営1=安芸南)とリーグ戦初共演の日。気持ちが高まらないはずはない。「調子が上がってきた」と勢いそのままにストレート、フック、アッパーを繰り出し相手に反撃の余地を与えない。臆せず攻めていき圧倒。文句なしの判定勝ちを収めた。本人は「個人的には20点。力んでしまった」と評価している。だがこの勝利は決して簡単なものではなかった。「ボクシングが楽しくなかった」とスランプに入っていたのだ。しかし前回の東農大戦の勝利を機に「やっとスイッチが入った」と気持ちを入れ替え本来の力を取り戻している。
  弟の原田健は足が動いていた高倉(日大)に押される出だしとなった。しかし相手が反則で減点されると流れは変わった。打ち合いを有利に持っていくと、カウンターからの右ストレートが冴え渡る。「(試合前)今日の自分は強い、いけると思った。個人として絶対に勝つという強いモチベーションを持ち、気持ちが折れなかった」と気持ちが拳に乗っていた。そして兄の応援もあり判定勝ちを収めた。階級を上げたことについて本人は「体重制限があり、今回は軽量の前に飲み食いをして体重をあげギリギリ入った。出れるなら出れるで良いが、体重で負けてしまう」と慣れない試合だったようだったが、新たな可能性を見出せた。


 最終戦は拓大との厳しい戦いが予想される。なぜなら、今どちらも2勝2敗で勝てば3位、負ければ4位となる順位戦になるからだ。「負けるわけにはいかない。絶対に勝つ」と三浦監督は意気込む。拓大も3位を狙い総力戦でくるだろう。しかし秋山主将(営4=淀川工科)、斎藤の復活。原田直がスランプを抜け出せたことによりチームの調子は上がってきている。3位死守のため、チーム一丸となり拓大に挑む。

■コメント
 ・三浦監督
 バンタム級終わるまでに二つ欲しかったが、4連敗してしまって流れがつくれなかった。今年のチームは軽量級で流れをつくってきたので、軽量級が負けたことはうちは負けたということ。各選手、相手とはほとんど実力差はないが、判定で勝負を決する競技。僅差ですべて持っていかれた。難しい判定もあったが、公平なジャッジがつけたことなので、我々がもう一つ山場をつくり足りなかったという反省点がある。齋藤は勝ったことは良かった。尻上がりに調子を上げてきていた。1ラウンドはあまり良くなかったが、試合感が早く戻ってくれて良かった。(原田直について)求めているところが高いので、腕が下がりすぎ、手数が少ない、クリンチが多いなど細かいところを挙げたらキリがないが、大学でナンバーワンになるには今のような試合では駄目。(原田健は)勝ちはしたが、目指しているところが高いので満足のいく戦いではなかった。だが勝利至上主義なので、その意味では点数は高くないけど、合格点。(次戦に向けて)拓大は強い。ただうちもいいメンバー揃っていて、負けるわけにはいかない。近年うちは順位を落としていない。そこだけは譲れないところ。絶対に勝つ。

 ・齋藤(営4=習志野)
 ちょっと右手が力んで単発になってしまったのが良くなかった。両腕故障してしまい思うように練習ができなかったが、今までやってきたので意地でも勝とうと思っていた。意地だして勝てたので良かった。(故障は)全然まだ良くなってなくて心配だった。試合しながらポイント取れていると思ったが、ふたを開けてみたら2-1で割れていたので、もしかしたら負けていたかもと思うともっと差をつけなきゃいけないのかなと。長身の相手は苦手じゃないが、力んでしまう部分があって単発になった。(最終戦に向けて)4年のボクシング生活最後の試合なのでいい締めくくりにしたい。


 ・原田直(営2=崇徳)
 個人的には20点。力んでしまった。練習ではコンディションも良かったし、東農大戦まではスランプだったが、勝ってから動けるようになったのに、試合で出せなかった。ボクシングで勝ててない。勝てた結果の20点。(勝因は)調子が上がってきたこと。原因がずっとわからなくて、海外遠征行った時からずっと悪くて。どうしようかっていろいろ悩んで、自分の好きなように練習して、いろいろ試したけどなかなか抜け出せなくて。ボクシングが楽しくなかった。やっとスイッチ入った。スイッチの入れ方をもっと考えないといけないなと。いつでも入れられるようにしないと。定期的にスランプが来るが、今回は試合期間とかぶってしまったのでとてもきつかった。チームの勝ちがもうなかったのでもう兄弟で勝とうと。次に繋げられるし、負けても明るくできるのは東洋大のいいところ。弟の試合は10点。本当はいい点数だけど、自分より点数がいいのがむかつくので10点。(次戦に向けて)チームとして順位下げられないし、相手は今全勝中。ウェルター級の自分が負けるわけにはいかないのでしっかりとって、あげていきます。


 ・原田健(営1=安芸南)
 チームとしては負けたが、個人では絶対に勝つという強いモチベーションを持ち、気持ちが折れなかった。今回、動き的には階級を上げて良かったが、試合に出るならウェルター級が良い。体重制限があり、今回は計量の前に飲み食いをして体重を上げ、ギリギリ入った。出れるなら出れるで良いが、体重で負けてしまう。(試合中)今日の自分は強い、いけると思った。(悪かったところ)ガードが低かった。(最終戦にむけて)リーグ戦に出て絶対勝ち、もちろんチームでも絶対勝つ。目指すは全勝。(兄との出場は)試合を見にきてるから親孝行できた。親には楽しんでもらえたかなと思う。



TEXT= 小河原裕一 PHOTO=清水咲喜、玉置彩華