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第69回関東大学ボクシングリーグ戦
7月9日(土) 後楽園ホール
東洋大7-2拓大
【LF】●村地(判定)桑原○
【F】○福井(判定)笹川●
【B1】○馬場(判定)大河原●
【B2】○木村(判定)畠山●
【L1】○秋山(判定)竹嶋●
【L2】○齋藤(判定)古川●
【LW】○中川(判定)関根●
【W】○原田直(判定)浦嶋●
【M】 ●原田健(TKO)梅村○
主将としてチームを引っ張ってきた秋山
齋藤㊧は相手に付け入る隙を与えなかった
最後のリーグ戦を終え笑顔の4年生たち
※掲載が遅くなり、申し訳ありません。
リーグ最終戦となった拓大戦は、勝てば3位、負ければ4位という緊張感の中、7対2と大差で圧勝。そして大学ボクシング最終試合となった秋山主将(営4=淀川工科)と齋藤(営4=習志野)は、東洋大の二本柱としてチームを勝利へ導き、有終の美を飾った。
軽量級で3連勝し流れをつかんだ中、秋山主将がリングに上がった。相手は、前試合秋山が敗北した相手を破った竹嶋(東農大)だ。今試合の秋山は一味違った。攻撃を上手くかわし、相手の隙を狙って顔に攻めていく。「負けはしないかなと1ラウンド目から確信した」と本人も納得の勝利となった。
秋山の白星により4対1となり、あと1勝で東洋大の勝ちが決まる。続く齋藤(営4=習志野)は1ラウンド目から相手の攻めに負けじと対抗した。「相手がガツガツくるってわかっていたので、気持ちに負けないよう4年の意地をみせた」という言葉通り、3ラウンド目になっても相手の腹や顔にストレートをきめ続け、見事3-0で圧勝。ここでチームの勝利が決定した。そして今試合が7年続けてきたボクシングの最後の試合となった齋藤。最終戦で勝利したいという想いは他の誰よりも強かった。「最後の試合だったので、悔いが残らないように挑んだ。勝てて本当にうれしい」と堂々と語った。
その後も順調に勝ちを重ね、7対2で圧倒。今年の東洋大のチーム力を見せつけた。三浦監督は「この試合に負けるわけにはいかなかったから勝ててうれしい」と顔をほころばせた。さらに「去年と同じ3位だが同じ3位でも差をつけて勝てたので、一段上を昇れた」とチームの成長を語った。そして、4年生にとって最後のリーグ戦となった今試合。「優勝を目指していたので残念だが、順位を落とさないことが最低条件だったのでそこは守れて良かった」と胸をなでおろした秋山主将。来季のチームについて「次の主将の馬場(文3=王寺工)は欠かせない存在。今活躍している若い力がどんどん前にやってほしい」と後輩への熱い期待を語った。さらに齋藤も「来年は2位と言わず、優勝を目指してほしい」と自身の想いを託した。
次の大会は10月に行われる国民体育大会。翌月には全日本ボクシング選手権大会も待っている。リーグ戦を通して、培った成長や反省を活かし、各選手優勝を狙う。そして、全国大会の収穫はすべて来年のリーグ戦へ。馬場を新主将に据えた新チームから目が離せない。
■コメント
・三浦監督
拓大に勝てたらAクラス、負けたらBクラスという状況で、絶対に負けるわけにはいかなかった。現状維持だけど3位に留まれてうれしい。同じ順位ではあるが、去年より僅かながら階段をのぼれた。今回はベストメンバーで挑めた。これで上位校とも闘いたかった。それも実力なので、最後の試合で拓大戦に勝てたのは、来季にむけて選手のプライドをまた1つ持ってできる。福井と馬場は4勝、木村が3勝。また木村は上位陣に負けたけど、勝ちと言われてもおかしくない試合をした。ルーキーとしては思った以上に働いてくれた。馬場キャプテンに期待することは、個人で勝つのはもちろんだけどチームを勝たせるにはどうするのか。チームの士気を高めて、意識の高い戦う集団にまとめあげることができるかを期待している。秋の個人戦、国体、全日本でランキングを奪うために、もう一つ上の段階で教えていかなければいけない。ラスト30秒に山場をつくることをもう少し各選手意識してほしい。もう一つ山場を作るためのスタミナ、冷静さを強化していきたい。目標は優勝だったので、怪我であれなんであれ達成できなかったのは残念。秋山・齋藤は後輩たちに、強さもそうだしチームをまとめる背中を見せてくれた。後輩たちがそれをどう汲みとって、新たな東洋の1ページを作っていくのかが今後の課題。
・秋山主将(営4=淀川工科)
やりにくい相手だったので、手が出なかったがパンチは見えた。負けはしないかなと1ラウンド目で確信した。最後の試合勝てて良かった。勝因は相手の右が完全に見切れたこと。(齋藤)奨司がアツイ試合をしていたので、かっこいいなと思った。(3位という結果は)優勝を目指していたので残念だが、順位を落とさないことが最低条件だったのでそこは守れて良かった。最後のリーグ戦という実感はまだ湧かない。ちょっと寂しい。1年に一回のお祭りみたいな大会なので、それがなくなってしまうのは寂しいけど、まだボクシングは辞めないので、これからも変わらず頑張っていきたい。(怪我で欠場したときは)4年間で欠場は初めてだった。すごい悔しかった。みんなに「(東農大戦は)秋山が出てたらわからなかった」と言われたのが一番悔しい。東農大戦と日大戦が一番出たかった試合なので、悔しい。(来年目指してほしいところは)優勝。絶対できるチームだと僕は信じている。次は馬場がキャプテンになるので、馬場の活躍は欠かせない。あと、木村と中川。今レギュラーで出てる若い力がどんどん前に出てやってくれたら、もっといいチームになる。
・齋藤(営4=習志野)
4年間最後の試合だったので、悔いが残らないように頑張った。高校から7年間やってたので、最後のリーグ戦は悔いが残らないように挑んだ。相手がガツガツくるとわかっていたので、気持ちで負けないように4年生の意地を見せて頑張った。本調子じゃなかったから出るか迷ったが、4年の自分が出ればチームの士気が上がるし、先輩出てるから自分も頑張ろうって思うだろうから、頑張って出て勝つことができたので良かった。一昨年4位、去年3位だったから来年は2位とは言わず優勝を目指してほしい。骨折をしていたので、秋の国体の予選に出れなかったから今回のリーグ戦に賭けていた。
・馬場(文3=王寺工)
一度もやったことない相手でどんな試合になるかなと思っていた。実際にやってみるとすごいやりにくくて、組み合う場面が多くなった。なんとか勝てたので良かったが苦戦した。(4勝1敗という)成績だけみるといい風に見えるが、内容的には納得できてない部分も多かったので頑張らなくてはならないなと思った。今年は優勝できるって言われ続けていたがあと少しで優勝できなかったのが悔しい。(来季のキャプテンに就任したことは)今年は強いチームと言われていたが、来年は勝てるチームを作りたい。来季はリーグ戦優勝、個人としても全勝したい。
・中川(ラ2=高知)
みんな勝ってくれたので、気負わずに力まずにできた。1、2ラウンドはちょっと押せたのでそこは良かった。3ラウンド目にちょっとペースダウンしたので、そこが悪かった。今の4年生と今のチームでできるのは今年だけで優勝したかったけど、順位を落とさず上位3位に入れたのは良かった。来年は1つでも上にチームを引っ張れるように頑張る。今回のリーグ戦で強い人とやって、自分でも勝ったかなと思う試合もできた。自信をもってボクシングができるようになった。だが、まだちょっと体の弱さとかフィジカル面でスタミナとか基礎的な部分が足りていないと感じた。一から頑張っていきたい。全国大会に出られるかはまだ分からないが、リーグ戦5戦でとてもいい経験ができたので、個人戦でそれを全部ぶつけられたらもっと上位を狙える。リーグ戦の収穫を活かした試合をしたい。
・原田直(営2=崇徳)
今までのリーグ戦の中で1番良かった。それでも全然満足いくものではないが、とりあえず勝てて良かった。(良かったところは)脚がよく動いてパンチを避けれたところと相手を空間に入らせなかったところ。でも、それだけ避けれたということはもっと攻撃できるチャンスがあったはずだから、手数を増やしてそこをもっと詰めていきたい。(試合は)めちゃくちゃ楽しかった。チームの勝ちは決まってたから緊張もしなかったし、楽しんで勝とうと思った。(リーグ戦を振り返って)個人としては5勝して階級賞を取りたかったが、取れなかったのは力不足だった。来年は絶対取る。チームとしても優勝が目標だったがあと一歩及ばなかった。これから4年生が抜けるから、自分たちがチームを引っ張っていかないといけない。自分が強くなるのと一緒にチームも力を付けられるようにしたい。これからは国体・全日本と個人戦が続くから、気を引き締めてリーグ戦の4戦を振りかえって、自分の足りないところを補っていく。それで、個人戦に繋げてナショナルチームに入れるように頑張る。
・福井(営2=駿台学園)
前回の日大戦で負けていたことで、勝ちたいという気持ちが大きすぎて動きが良くなかった。気持ちが前に出過ぎた。今シーズンのリーグ戦で一番内容が良くなかった。(リーグ戦4勝1敗という結果は)5勝0敗が良かった。全体的にもっと自分自身レベルアップしていきたい。自信になった部分はカウンター、これからもっとカウンターを前に出てできるようにしたい。(チームに貢献するために)メンタルをコントロールして安定させたい。次は国体で優勝する。
・木村(営1=飛龍)
始まった時からすぐ今までで一番動きが悪いなと思った。ただ、泥試合でも相手に気持ちで負けない勝ち方じゃないと今回は勝てないなと思ったので、勝とうという気持ちを前に出していった。今回のリーグ戦で自分は3勝2敗だった。その2敗は1位と2位のチームに負けたもので、それではまったく意味がない。そこで自分が勝っていれば順位を1つ、2つ上げられたかもしれないし、もしかしたら優勝もあり得たのでそこが悔しい。秋山さん、(齋藤)奨司さんの代で優勝したい気持ちがあったので、そこで勝ち切れなかったことが悔しい。(印象に残っている試合は)日大戦。相手が高校のときからのライバル。高校のときも準決勝で負けた。今回は絶対勝つぞと思ってやったけど2-1で負けたので、ライバルに負けたのが一番悔しい。(全国大会に向けて)今はまだ具体的な目標はないけど、戦った相手は全員、リーグ戦通して2回負けたけど、手ごたえはあったので負けるつもりはない。
TEXT=阿部未央奈 PHOTO=髙橋雪乃、稲垣碧、市川菜月