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2016.07.19
硬式野球

[硬式野球]特集 春を終えて9日連続インタビュー第1日 笹川晃平

神宮球場の電光掲示板に3年ぶりに東洋の文字が躍った今季。投手陣が不安視されていた中、大健闘の勝ち点4。初の1部でのリーグ戦を終え、選手たちはこの結果をどう捉えているのだろうか。7季ぶりの一部で8勝できた理由を9日間に渡ってお届けする




第1日は、笹川晃平主将(営4=浦和学院)。目標とする主将像に「背中で見せる」原(H27年営卒=現東京ヤクルトスワローズ)を挙げ迎えた初のシーズン。理想の主将像と結果の出ない自分にギャップを抱いて過ごした春、感じた思いを口にした。(取材日:6月12日、聞き手・美馬蒔葉)


――7季振りの一部。8勝「も」出来た印象でした

思ったより戦えたと思います。投手陣がダメと言われている中でもエースの石倉を中心に頑張ってくれた。打てないと言われながらも点は取れていた。たまたま、という言い方はよくないけれど、チームでうまい具合に打てたなと思う。優勝はもちろん狙っていたが、力の差があるなとは感じた。特に亜細亜と戦ったときは課題が多いと思いました。2部から上がった勢いのまま、春は優勝しやすいので悔しい気持ちはありますが、入れ替え戦も覚悟して臨んだシーズンだったので、とにかく入れ替え戦がなくてほっとしています。

――2年ぶりに本塁打も記録しましたね

ホームラン打った時は監督にも褒められた。もちろんホームランは嬉しかったけど、ケガをしてから全然結果が出ていない。記録を見てもそうだし、自分の中でもリーグ戦はあまりよくなかった。オープン戦は割とよかったから今年はいけるかなと思ったけれど、シーズンに入ったら全然違った。まだまだ自分の力が足りないですし、この一年半ずっとすっきりとした野球ができてないというのがあります。


――過去の自分を振り返ってしまうこともありますか

昔の自分だったらもっと打てたなと思うことはある。もちろん打てなくなってしまうことも覚悟した上で手術をした。後悔はしていないけど、やっぱり結果が出てないこの現状を考えると、手術する前の痛みを持ちながらやっていた頃は、漠然とした自信みたいなものがあった。みんなを引っ張っていこうというか、おのずと結果も出ていたからできていた。今はそんなに満足がいく結果が出ていないから、本当にみんなに申し訳ないというか、こんなのがリーダーでちゃんとしたところで原さんみたいに勝たせてあげられないことと、メンバー外の手伝ってくれている人にも申し訳ないという気持ちがだんだん時間を重ねていくごとに大きくなっています。


――主将の重圧があるからでしょうか

主将のせいにしたくない。去年はそういうのを背負って原さんがやってくれたし、でも自分が主将だから結果が出ないというのは違うと思う。ケガをしてから結果が全然出てないので、やっぱりケガのせいにもしたくない。昔のままじゃなくて、ケガをした頃の自分よりもう一つレベルアップするために、まだレベルが上がり切れてないというか、まず元に戻ってそのあとレベルが上がってないというのもあるのかな、と思いますね。


――目標にしている原さんに近づけたと感じますか

それは周りが評価するもの。結果で言えば全然近づけてないし、やっぱりあれだけ投げて姿で見せるとなると自分はまだまだです。でも、入れ替え戦行かずにみんなにやってもらったのは、去年の原さん任せな感じとは少し違っていると思います。去年の思いを持ちながら投手も打者も日替わりでヒーローが出て、チームとしては去年よりは雰囲気や仲も良い。自分がまとめようという気持ちに加えて、個人がまとまろうとか、そう思ってくれているので、いざ自分が打てなくても「自分がやるべきことを」と思ったときに、周りの人たちが仕事をしっかりしてくれている。それで自分が評価してもらっているなら、それは自分の力ではないと思うし、やっぱりみんなが自覚してやってくれたと思うのでみんなに感謝したいですね。


――大学最後のシーズンに向けて

みんなに喜んでもらえる結果をチームとしても出したい。個人的にも、支えてくれている人に恩返しできるようにしたい。

応援してくれる人がいるだけでありがたいこと。メンバー外の人たちは応援してもらえないし、そういうところで感謝してやらなきゃいけないですね。結果で返してあげられれば一番。1、2年生とかは自分が首位打者を取ったことを知らないから、なんでこの人が上に立っているんだ?ってところはあると思う。ある程度結果を残していることは知っていると思うけど、現状、それなりの結果が出せてないから、なんでだろうって思っちゃうと思う。

もちろん全員に納得してもらうのは厳しいけど、そういう人たちに納得してもらえるよう、できることは姿勢で見せたい。悔いのない、良い秋にしたいです。