Article

記事


2016.08.26
特集

[特別企画]「若者の力で野球を盛り上げたい」侍ジャパン学生アンバサダーの想い~前編~

 

  野球の国際大会における各世代の日本チームの総称「侍ジャパン」。そんな侍ジャパン、とくに侍ジャパン大学代表を若者世代に広めるために活動しているのが「侍ジャパン学生アンバサダー」だ。一般応募から女子大生5人が選ばれ7月から活動を開始し、8月27日に行われる壮行試合「高校日本代表VS大学日本代表」が活動の集大成となる。学生アンバサダーの1人が東洋大学スポーツ新聞編集部部員という縁もあり、この夏を全力で駆け抜けている彼女たちの想いを特別に取材することができた。インタビュー前編は学生アンバサダーに応募した理由や2か月間の活動について詳しく聞いた。

左から美馬蒔葉さん(東洋大学2年)、志賀楓さん(大妻女子大学3年)、村山南さん(ペロポネソス大学院1年)


―まずはみなさんが学生アンバサダーに応募した理由を教えてください 

志賀「募集を知ったときに野球界を変えるチャンスだと思いました。2年前、大学1年生でアメリカの球団のインターンをやっていて、その経験を活かせる場が欲しかったのですぐに応募しました」

美馬「(東洋大学スポーツ新聞編集部などで)取材をするうちにもっといろんな人と話してみたいと思うようになって。たくさんの人と“野球が好き”という共通点を通してたくさん話して取材活動にも活かせたらいいなと応募しました」


―多くの応募の中から5人が選ばれたと聞きました。学生アンバサダーとしてどんな活動をしてきましたか 

志賀「最初の目標として、7月15日に大学日本代表VSアメリカ大学代表の試合で観客を多く呼ぶための企画を考えました。写真ブースを作るとかいろいろな案が出ましたね。若者をターゲットにしているので、SNSにアップしてもらうことが重要で、それを見て球場に行くのって楽しそうだなって思ってもらうことが目的でした。ほかにもノベルティとしてフェイスシールを配ったりもしました。野球に詳しくない人や球場に行ったことない人への窓口として、同世代が興味を持ってくれそうな企画をたくさん話し合いました」


―若者に野球場に来てもらうためにはSNSの活用は不可欠ですね。実際に7月15日の試合で始めて企画を行って、観客の反応はどうでしたか

村山「『SNS見てます』と言ってもらったり、『あの投稿かわいかったです』と声をかけてもらったり、そういう反応はありました」

志賀「実際に侍ジャパンのインスタグラムのフォロワー数も上がったし、私たちが考えてあげた企画の投稿のいいね数が多くてうれしかったですね」

 学生アンバサダーのインスタグラム投稿


―8月27日の壮行試合「高校日本代表VS大学日本代表」が学生アンバサダーの活動の最後となるそうですが、どんな企画を行う予定ですか

志賀「フォトブースとファッションブースを企画しています。フォトブースでは、フォトプロップス(写真撮影の小道具)を私たちが全部手作りしました。それを使って記念写真が撮れちゃうんです。ファッションブースは、ヘアアレンジとTシャツアレンジのコーナーがあります。とくにヘアアレンジコーナーはプロの美容師さんが無料でやってくれるのでオススメです」


―めちゃくちゃ楽しそうですね。みなさんはもちろん野球が好きだと思うんですけど、大学野球の魅力はどんなところに感じますか

志賀「大学野球初心者にはぜひ応援を見てほしい。それぞれ大学で応援のスタイルが違うし、早慶戦とかはかなり盛り上がります。応援から一体感をすごく感じられて。27日の試合も六大の応援団と高校側の応援団が応援合戦みたいなものをするんです」

美馬「学生が書いている記事とかを読んだりすると学生記者じゃないと聞けないこととかも書いてあったりします。そういったエピソードを頭に入れながら試合を見ると人間ドラマも楽しめます。だから、スポトウ(東洋大学スポーツ新聞編集部の略称)を読んでください!」 

東洋大学スポーツ新聞編集部で記者として活躍する美馬さん


―ちゃっかり宣伝入れてきましたね(笑)。村山さんはどうですか

村山「大学野球からプロや社会人野球に行く選手も多いので、自分がスカウトになった気持ちで金の卵を探すのが楽しいです」


―それは大学野球ならではですね。逆に言うと、大学野球はそれだけ貴重な世代なのに注目度、認知度がまだまだ高くないことが私も学生記者としてむずがゆく感じています

村山「高校野球っていうのは“地域”がキーになっている気がします。自分の地元や出身校だと応援したくなるじゃないですか。大学だと規模が大きくて試合の開催場所もさまざま。地域密着型じゃないからホームゲームとかもないんです。高校野球やプロとちがってファンが集まれる場所が少ないと思っています。高校野球だと甲子園とか大きくて注目度も高い大会もあるし、プロもWBCなどあるけど大学でみんなが1つになる大会ってなかなか…」


前編では学生アンバサダーの活動についてたくさん聞かせていただきました。後編では、学生目線からみた日本の野球の課題など深い話題も取り上げていきます。


■美馬蒔葉(みま まきば)

東洋大学文学部2年

好きな野球チーム/埼玉西武ライオンズ

好きな守備位置/キャッチャー

「チーム全員のことを見られるから」 

 

■志賀楓(しが かえで)※リーダー     

大妻女子大学社会情報学部3年

好きな野球チーム/東北楽天ゴールデンイーグルス

好きな守備位置/ピッチャー

「一番個性が出るから」


■村山南(むらやま みなみ)

ペロポネソス大学院オリンピックスタディ1年

好きな野球チーム/横浜DeNAベイスターズ

好きな守備位置/ショート

「オールラウンダーでかっこいい」


ほかに鈴木悠里さん(立教大学1年)、竹谷朋子さん(横浜国立大学1年)の計5人が活動中


[試合予定]

侍ジャパン壮行試合 高校日本代表―大学日本代表

http://www.japan-baseball.jp/jp/games/u18univ2016/

8月27日(土) QVCマリンフィールドにて 18:00試合開始

※試合観戦はチケットが必要です。

※学生アンバサダー企画イベントは15:00より開始、チケットなしでもお楽しみいただけます。

BSフジにて同日18:00より生中継予定。


取材日 8月23日

聞き手 吉本一生、藤井圭