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水泳部 インカレ直前連続特集④ 宮本靖子
実力、人間力ともに、頼れる女子キャプテン
2013年に東洋大学に入学すると、その年にはバルセロナ世界水泳に、翌年のパンパシフィック世界選手権でも代表入りを果たしたのが宮本だ。
宮本が毎年1番思い入れのある種目は4×200mフリーリレー、通称「8継」。最終日の最後の種目で、激闘のインカレを締めくくるレースだ。1年次は2位で、2、3年次は優勝しており、今年で3連覇がかかる種目でもある。このレースを宮本は、「簡単には勝たせてもらえない種目」と語る。昨年は日体大と、肉眼ではどちらが先にゴールしたのか分からない大接戦を制しての優勝であった。
「水泳人生は今年で終わります」。日本代表の経験を持つ宮本であるが、インカレが長かった水泳人生の集大成となる。ここまでやってこれたのは、家族や高校時代のコーチの支えがあったからだと感謝の気持ちを伝えた。熊本から上京してきた宮本にとって、遠くから応援してくれる人の存在は大きかったに違いない。1年生の時のインカレはなにも分からず、とにかく全力で3日間のうちに10レースをこなした。最高学年になり、後輩には自分たちの経験を伝えた。「自分のために頑張るというのも1番なんですけど、みんなのために、チームのために頑張りたいという気持ちも持ってもらいたい」。今年の女子の目標は、総合優勝。そのためには、個々の力もだが、チーム力も必要になってくる。宮本は女子キャプテンとして、チームをまとめる役割をしてきた。「水泳部は家族です」と語る姿は、優しい母親の存在だ。
インカレ2日目の9月3日には、22歳の誕生日を迎える。この日は宮本の個人種目大本命の200m自由形が行われる日でもある。女子総合優勝がチームの目標であるが、宮本個人としての目標は、水泳人生の集大成として自己ベストを出すことだ。幸せな1日になるように、水泳の神様も味方してくれるだろう。
■宮本靖子(みやもと・やすこ)
学部学科/法学部企業法学科
生年月日/1994・9・3
血液型/B型
身長/165cm
出身地/熊本県
出身高校/九州学院
専門種目/自由形
TEXT=菊池美玖