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こんにちは。文学部哲学科2年の美馬蒔葉です。覚えていらっしゃいますか?もう死について考えていません。今は課題図書のキルケゴール・死に至る病を読んでいます。あ、考えていましたね。死に至る病=絶望です。死=精神的な死。どうか、お気をつけて。
8月27日、QVCマリンフィールド。私は野球ファンとしてではなく、侍ジャパン学生アンバサダーとして球場に立っていました。
「若者に野球をもっと気軽な存在にしてもらいたい」という思いのもと、侍ジャパン(野球日本代表チームの呼称)大学代表が招集されるおよそ3か月間、選手と同世代である女子大生5人が学生アンバサダーとして結成しました。日常的にSNSを利用することから、毎週のミーティングでは世の中のトレンドや流行のハッシュタグを発表し、そこから新しい野球の楽しみ方を提案していきました。
正直、私は「他大学の選手を取材できるかも~」と、授業前の10分に親指一本使ってスマホでパパッと軽い気持ちで応募しました。実際は、選手への取材はおろか、SNS投稿や試合当日のイベント案等、考えてもいなかったことばかりやる日々。当然、やる気は落ち、他の4人と活動に対する思いにズレを感じながら過ごしていました。
そんな自分を察したのか、この活動を支えてくれている社員の方が「美馬にしかないバリューがある」と声をかけてくださいました。「自分の価値って何だろう?」。心の中で響きながら、私は北海道に帰省し、心の落ち着く場所・札幌ドームのビジターエリアへと向かいます。早く球場に行きたい、と落ち着かない様子のユニフォームを着た少年や、毎年出されているファンクラブグッズを大切に持ちながら球場へ向かうおばあちゃん。私が中学生の頃から一緒に応援しているファンの方々や、「チームが好きだから」という理由でチームと同じ日程で遠征し、一生懸命トランペットを吹く応援団。「ああ、私はこの人たちの思いを形にできる」。幼い頃から見慣れた風景が、私の価値を教えてくれました。
試合当日、アンバサダーが一から考えたフォト・ヘアアレンジブースにはたくさんの人が足を運んでくださいました。「SNS投稿、見ています!」「これがしたくてブースに来ました!」と数え切れないほどのファンの方がフォトブースで写真を撮ってくれたり、プロの美容師さんによるヘアアレンジも年代問わず楽しんでくださったり。7月15日の試合にも来場したファンの女の子が私を覚えてくれていたことや、「アンバサダーのみなさんと撮りたい!」と試合後に同世代の女の子が一緒に写真を撮ってくれたことは本当に嬉しかったです。
また、「#お侍ちゃん」をつけてSNS投稿すると、球場のオーロラビジョンに映し出されるため、フォトブースで撮った写真を投稿している方々もいらっしゃいました。世間とのつながりを感じました。(芸人のお侍ちゃんさんにも反応していただき、嬉しかったです。(笑) 参勤交代江戸江戸~。)
アンバサダーがデザインしたノベルティのTシャツ
このアンバサダー活動に対する目的も違えば、将来見ている道も違う。大学で学んでいることもそれぞれであり、出身も育った環境も全く異なる。それにもかかわらず「侍ジャパン」という共通項を通じて、ひとつのものに向かって進められた。縁というのは不思議ですね、この5人は集まるべくして集まった5人だと思っています。適当に決めた帰省の日程も、今思えば良いタイミングでした。誰かいたずらしていたのかもしれませんね。
大学代表の試合がもうないため、アンバサダー活動はもう終わりました。欲を言えば、もっとこの活動をしたい。3か月という短い時間は今後の自分に必ず生きると思います。いまは、将来就きたい職ははっきりとコレと断言できませんが、考えている未来にはきっと役に立つ。「自分のやりたいことと違う」と悩んでいた自分から、少し成長できた気がします。「私のバリュー」は生きていく上での永遠のテーマです。
この活動を支えてくれた社員の方、一緒に活動してくれた4人のアンバサダーのみんな、取材をしてくださったfull-count、spoziumの記者さん、スポトウ記者。ファンの方々、代表選手のみなさん…本当にありがとうございました。
一緒に活動してきたアンバサダーのみんな