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天皇賜杯 第85回日本学生陸上競技対校選手権大会
9月2日(金)~9月4日(日) 熊谷スポーツ文化公園陸上競技場
▼1日目
男子100m 予選
1組 (風:+0.4)
1着 桐生 10"26 ※準決勝進出
6組(風:+0.3)
6着 森下 10"80
男子100m 準決勝
3組(風:-0.8)
1着 桐生 10"12 ※決勝進出
男子400m 予選
4組
3着 松原 47"49
5組
1着 ウォルシュ 46"93 ※決勝進出
男子400m 決勝
1位 ウォルシュ 45"93
男子4×100mリレー 予選
4組
1着 東洋大(津波ー与那原ー大野ー桐生)39"33 ※決勝進出
女子1500m 予選
2組
5着 塩谷 4'30"93
女子1万m 決勝
16位 内田 35'22"29
意地を見せ優勝したウォルシュ
桐生は向かい風の中でも予選よりタイムを伸ばした
好調の津波から与那原へのバトンパス
全日本インカレが開幕し、男子400mでウォルシュ(ラ2=東野)が優勝。また桐生(法3=洛南)は男子100mで予選、準決勝ともトップ通過、男子4×100mリレー(以下、4継)は全体2位のタイムで決勝へ進むなど幸先のよい結果となった。
リオデジャネイロ五輪(以下、リオ五輪)後、初のレースとなったウォルシュの男子400m。予選では得意の前半で飛ばし、後半は余力を残すために力を抜いて決勝へ進んだ。迎えた決勝は共にリオ五輪で日本代表として走った選手が疲れを見せる中、後半も粘り切り1位でフィニッシュ。大会記録(45秒75)の更新とはいかなかったが、五輪後十分に練習が積めていない中で45秒台を出したことに梶原監督は「今持っている力は出し切れたレースだった」と称えた。ウォルシュは2日目からも200mと4×400mリレー(以下、マイル)に挑む。マイルに向けて「去年は3位だったので優勝したい」と闘志を燃やす。
男子100mに出場した桐生は予選、準決勝ともに圧倒的な強さを見せつける。両レースとも中盤ですでにトップに立つとその勢いのまま駆け抜けた。準決勝では桐生の組だけ向かい風となったが、10秒12をマーク。明日の決勝でも好記録が期待される。
去年は6位と納得のいく結果ではなかった男子4継は難なく決勝へ駒を進めた。1走の津波(ラ1=那覇西)は走幅跳を専門とするが、60~70mまでは桐生の次に速いことや国体予選で自己ベストを更新していたため起用された。不安要素だった残りの40mもスピードが落ちることなく2走へバトンをつないだ。3走の大野(法2=東洋大牛久)がトップで桐生にバトンを渡すと、他を寄せ付けない走りでゴール。この種目で3連覇をしている中大に0.1秒差の2位で予選を通過した。
大会1日目から出場した短距離種目は全て決勝へ進み、各選手力を発揮させた。中でも桐生やウォルシュはリオ五輪日本代表としての意地を見せつけたレースを展開。この二人以外にも4継など多くの競技で去年以上の結果が見込まれる。
■コメント
・梶原監督
結構いい状態できている。津波、与那原(法3=那覇西)、大野と少しバトンは詰まったが、それぞれの走りは良くてほぼトップで桐生につないで、桐生は流してあのタイムが出たので状態としてはいい。津波は走幅跳の選手だから60、70mまでは桐生の次に速いくらい。残りの40mをきちんと走れるかが不安だったが、国体予選でも自己記録を更新していたので、状態は悪くないということで使ってみた。懸念していた後半は思っていたよりスピードが落ちずに持っていけた。あとはスタートをもっと飛び出してくれればいいと思う。今日は今考えられる中でのベストメンバーだった。400mは松原がスタートの足の位置を左右入れ替えてみて、その影響で最初の50mは伸びが悪かったけれど、それ以降はいい走りをしていた。合格点だと思う。ウォルシュは予選はいかに省エネで走って決勝に力を残すかを課題にしてきて、予選は狙った通りに走れて、決勝はアウトコースで前を見ながらうまく力を使っていた。五輪終わってほとんど練習ができていない中では良かった。46秒2~3程度だと思っていたけれど、45秒台に入ったので今持っている力は出し切れたレースだった。100mの森下だけが、練習では10秒50はいくだろうという手応えがあったにも関わらず、 10秒80はあまりにも悪い。もう一度見つめ直してほしい。桐生はスタートを含めていろいろなことを試しながらやって、非常にリラックスしていい感じ。周りとは格好が違う感じがするのでさすがだなという印象。明日一本集中して走ってくれればいい。
・ウォルシュ(ラ2=東野)
(優勝した感想は)勝って当然だと思っていたが、それでも優勝は嬉しい。(予選、決勝の走りを振り返って)予選で体にいい刺激が入ったので決勝では45秒中盤くらいが出たらいいなとは思ったが、結果的には良かった。監督からも今のコンディションでこのタイムなら十分と言われたので。(決勝後、他の選手と握手したのは)一緒に走った者としての礼儀。(その中には五輪で一緒に走った選手もいたが)みんな疲れが溜まっているみたいだった。僕は五輪の後にうまくリラックスできたので、他の人より疲れは取れていたと思う。(4×400mリレーの意気込みは)去年は3位だったので、今年は優勝したい。
TEXT=福山知晃 PHOTO=吉川実里、畑中祥江、伊藤空夢